ただ悪より救いたまえのレビュー・感想・評価
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シュワちゃんなら笑える筋立ても、なんでファン・ジョンミンだとここまで血みどろになるのか、と訝しみつつ楽しむ一作。
タイトルから連想するような、苦難に対しておとなしく救いを求める要素などまるでなく、邪魔な存在は容赦なく殺戮していくという、手榴弾多めの物語。悪の組織に捕まった娘の救助に向かう殺人マシーン親父という話そのものは、『コマンドー』(1985)をはじめとした多くの先行作品がすでにあり、要するに使い古された設定であるんだけど、シュワルツェネッガーなら殺しの場面も思わず笑ってしまえるのに、なんで本作だとここまで血みどろになっちゃうのか。
娘の救助にまっすぐ向かうのかと思いきや、ファン・ジョンミン演じる暗殺者を追うヤクザ、レイが登場したことで事態は一気に複雑化、過激化していくという、サービス精神豊富といえばそうなんだけど、こんな方向性でその精神を発揮してもよいのかな。故・深作欣二監督なら絶対喜んでただろうなー、と妄想。意外にウェットだし。
ファン・ジョンミンに立ちはだかるイ・ジョンジェ演じるレイの凶悪ぶりは尋常じゃなく、「こいつにだけは絶対殺されたくない…」と誰もが心底震え上がるであろう所業にはめまいすらしました。暴力と爆発を売り物にしている本作でも、さすがにレイの凶悪さを克明に描写することにはためらいがあったのか、具体的に彼が何をしたのかについては、割愛。ある程度暴力描写を楽しみにしていた観客も、この省略にはほっとしたことでしょう。『孤狼の血 LEVEL2』の鈴木亮平も相当な狂いっぷりだったけど、本作のレイの恐ろしさはちょっと段違いでした。
最初から最後まで息もつかせぬ迫力で大満足なんだけど、途中で登場した「あいつ」は野放しでいいんかい…、と思ってしまいました。ある意味本作で最も極悪なやつなのに。この点だけ引っかかりが。
どれだけでも語っていたいくらいにゾクゾクさせられた
この作品を傑作たらしめているのは、あわよくば続編を作ろうとか、主題歌で儲けようとか、そういったいやらしさの微塵もない潔さだ。
政府情報組織の解体により命を狙われ、恋人と別れて日本で暗殺者として生きる元工作員のインナム。
母に捨てられ父の暴力を受けて育った在日二世の兄弟、兄はヤクザに、弟レイは裏社会からも恐れられる人殺しに。
最後の仕事としてヤクザを始末したインナムへ元組織の上司から連絡が入る。残してきたかつての恋人が連絡を取りたいと。
彼女はバンコクでインナムとの間に生まれた娘と暮らしていたが、その娘ユミンが誘拐される。
娘の存在を知らないインナムは、自分は既に死んだものとして忘れるように伝えてくれと元上司に告げる。
次に入った連絡は元恋人が死んだとの知らせだった。
遺体を引き取りに韓国仁川へ戻ったインナム、はじめて娘の存在、そして誘拐されたことを知る。
元恋人を助けられなかった後悔を胸にバンコクへ。
ここからスクリーンはギラギラした焼けつくような色調に変わり、画面いっぱいのバンコクの文字。
ゾクゾクする。
インナムが誘拐された娘を探すだけでも充分見応えのあるストーリーなのに、そこに殺されたヤクザの兄の復讐のためターミネーターばりにレイが追いかけてくる。さらにタイの麻薬売買・臓器売買組織、警察も絡んでくる。下手な脚本だと、いろんなキャラいっぱい出してきてしっちゃかめっちゃかになるところを、この映画はあくまでもインナムとレイの二人にフォーカスを絞っているから、ストーリーが破綻しない。破綻してても気にならない。
土地に不慣れなインナムのために、案内役として登場するヒロイン・現地の歌姫ユイ。ありがちな役まわりだがひとひねりあって、彼女?は国に子供を残しバンコクで性転換手術を受けるためショーパブで働くトランスジェンダー。重苦しいストーリーを少し和ませてくれる。
巻き込まれ迷惑ながらも、インナムを助けるのは臓器売買のために囚われていた子供たちを見捨てておけなかったインナムの優しさに惹かれたからか。
イン・ジョンジェ演じるレイの登場シーンの格好良いこと。真っ白なコートで葬儀場へ、そしてトゥクトゥクマシンガン。重低音の音楽。
あぁーゾクゾクする。ゾクゾクする。
ナイフでタイのチンピラたちに斬りかかる殺戮シーン、
息つぎなし。一呼吸で何人も殺した後の荒い息。まるで三船敏郎演じる三十郎の殺陣のようだ。
インナムを演じたファン・ジョンミンの悲しさ、非情さ、そして優しさ。
口を閉ざした娘へ見せるコインマジック、ハグ、市場で手を取って歩く父娘の後ろ姿。
あぁーゾクゾクする。ゾクゾクする。ゾクゾクする。
レイとの対決シーン、臓器売買アジトでのナイフでの格闘。トゥクトゥクマシンガン。手榴弾。圧巻はフロントガラス飛び込み。
ゾクゾクした。ゾクゾクした。ゾクゾクした。
韓国を代表する俳優、若手でもないのにすごいアクションを演じてる。面白くないはずがない。
久しぶりにたくさんゾクゾクさせられて、上映期間中に二回観に行きました。
この映画についてどんだけでも語っていたい。そう思える作品だった。もっと長く上映してよ〜。
シンプルな狂気の果て
ただただバイオレンスなドラマを描く。その一点に関わった全ての人の熱量が宿っているかの様な作品でした。
韓流、華流、邦画と考えた時に「果たして日本にこの土壌があるのか?」と思うのだが、確かに「狐狼の血」の様な作品もあるのだが、映画製作の社会基盤としては大分後塵を拝してしまった感は否めない。人材はしこたまあるのにね、勿体無い。
ところでこの監督、リュック・ベッソン好きなのかな??なんて思ってしまいまして。導入もそうだったのだけれど、コメディリリーフの彼女の存在なんて「フィフスエレメント」思い出してニヤニヤしちゃいましたよ。ちょっと音楽もエリック・セラっぽかったしね。そこら辺も好みだったのかも知れませんが、ここ暫くの消化不良を払拭するのに最高の一品でございました。
シンプルストーリーだからこその迫力
わおー!です。
やはり韓国映画よいですねー。
ちょいとネジを緩めた故に
暴力描写と展開の容赦なさが
エグくなってます。
そして、ド派手(笑)
タイは諸々安く撮影できるのかなー?
なんだかアクション全般が豪華。
もしかして巧みなCG?
にしても良いです。
僕としては情け容赦ないドンパチが
サイッコーにあがりました。
この助走なしにポーンと高いクオリティの
ハードル越えてくる感じが、
さすが韓国エンタメですね。
ただ、ちょいと設定背景がなー、
乱暴なんだよなー。
その設定の必要あるかなー?
不必要な残酷性で感動を安易に作ろーと
してない?韓国映画の安上がり感動を
感じちゃうんだよなー。それが邪魔。
もっとシンプルで良かったんじゃないかな?
見所はそこじゃないもん。
終わりが見えないチェイス、
追いつ追われつが入り乱れて
不思議な高揚感と盛り上がりを見せる
銃撃戦。うまいー!
アクション、バイオレンス、文句なし。
こわいこわい、
いたいいたい
ゾクゾクする二転三転展開に
息つけません。
良質作品。見て損はないです。
ま、ご都合展開は目を瞑ります。
エンタメなんだもん。
どこか懐かしさ漂うノワール
舞台は日本、タイで、 韓国人同士のの殺し屋が殺しあうストーリーで、...
2021年ベストムービー!⭐️⭐️⭐️✨
久しぶりに1日3本も劇場で観てしまった…『ベイビーわるきゅーれ』『レイジング・ファイア』そして、この『ただ悪より救いたまえ』…恐らく2021年を代表する日中韓のアクション映画3本!…ちょうど時間が上手い具合に合ったからだけど、観る前から「オレ、大丈夫か!?」な状態…(笑)
結果、どの3本も楽しめたッ!笑
そして、一番面白かった(気に入った)のは、この『ただ悪より救いたまえ』でした(この作品タイトルは今ひとつだけど)。
舞台のメインとなるのはバンコク。セピア色の映像が、タイの暑さを伝える。
人身売買・臓器売買、覚醒剤工場といった犯罪現場に張り付く汗の匂いと共に、冷酷な暗殺者の非常さや怖さが映像から染み出してくる。
そして、人との繋がりを押し隠したような主人公の、どこか影のある表情が、雑然としたバンコクの町の中で、余計に孤独感を浮き彫りにする。
そんな両者が、泥臭く血生臭い逃走と追跡を繰り返し、最後まで目の離せない作品でした。
見逃し厳禁な(笑)、今年(昨年?)を代表するアクション映画でした!
オススメ!(笑)
*誘拐された、まだ見ぬ娘を捜し出すという設定は、やや常套的で感傷的でしたが、"オカマ"役が父娘の間に入って良い役割をこなし、ストーリー展開が単調になりませんでした。
ゴジラvs子連れ狼
血みどろのアクションも親子のドラマも○
二人の一騎打ち
韓国ノワール映画の集大成かも?
ただ 極悪
「彼氏と子供のどちらを取るのか?」と尋ねられた時の、揺れる女心を手ぶらさせたカメラで表現したり
シーンの途中で、撮影速度を変えたり
光源にもキチンとメリハリが つけられ、明暗部の意味合いも良く表現できている。
最後の”手りゅう弾シーン”直前での音響の入れ方も見事で、
ストーリーに多少強引さはあるが、撮影・証明・音響等の演出が完璧であり
よほど監督とスタッフの演出打ち合わせが念密にできていたのでしょう 監督の優秀さが良く解かる。
とても完成度の高いアクション映画でした。
悪党対悪党なので、何でもあり、
人を安易に殺しているから、殺し屋なのだが
それでも主人公の心底からの悪は表現できていない。
どちらかと言えば、主人公は 心静かな網走帰りの”高倉健さん”
しかし”耐える”演出はないし、殺伐とした眼力もない。
シナリオ的には父親として、娘を守ると言う”責任感”は伝わってくるが、
娘が自分を父親と認識していない悲しさに対しての葛藤が映画には入っておらず、残念。
即ち「自分が父親だ!」と言い出せないシーンが欲しかった。
しかし最後の見納めシーンは悲しい。
この映画に予想されたスプラッターホラー的 ”目を覆ってしまいたくなるような残酷シーン” を危惧していたが、
それがなくて安堵したが、
おそらく撮影済みで、今公開後に”ディレクターカット版”がお目見えするのに期待します。 たぶん ソレは観ないけど。
この映画を観たら、日本のヤクザ映画「昭和残侠伝 破れ傘」と観比べたくなった。
最近では「孤狼の血」かな
でも、この映画は「野生の証明」だと思う。
もう、メチャクチャ😆😂
韓国ノワールはハズレなし
いや〜面白い!お約束の残虐さも満載。インナムに関わった人達があまりにも殺されすぎて気の毒。インナムの仕事もかなりグロいが、レイ、強烈❗️残忍すぎる。でも、汚してはいけないとはおもうらしく、ホテルでもキチンとビニール敷くのね。(逆にビニールが敷かれていると、どんなに血を流すの?と怖くなる)
子供の臓器売買をテーマにした映画もあるが、実際にこういうこともあるようでそのあたりは観ていて辛い。
レイはあのまま2人を連れて行って,インナムを殺すだけでは収まらず、インナムの目の前でヨミンを殺し,苦しませてからインナムを殺そうとしたのか?娘だけでも助かって良かった。
タイの悪党、警察を巻き込んでの銃撃戦など迫力満載で、韓国映画はやはり面白いなあ。
やりすぎだけど
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