ただ悪より救いたまえ

劇場公開日:

ただ悪より救いたまえ

解説

「新しき世界」のファン・ジョンミンとイ・ジョンジェが7年ぶりに共演したノワールアクション。凄腕の暗殺者インナムは引退前の最後の仕事として、日本のヤクザ・コレエダを殺害する。コレエダの義兄弟だった冷酷な殺し屋レイは復讐のためインナムを追い、関わった者たちを次々と手にかけていく。一方、インナムの元恋人は彼と別れた後にひそかに娘を産みタイで暮らしていたが、娘が誘拐され元恋人も殺されてしまう。初めて娘の存在を知ったインナムは、彼女を救うためタイへ急行。そしてレイもまた、インナムを追ってタイへとやって来る。2人の戦いは、タイの犯罪組織や警察も巻き込んだ壮大な抗争へと発展していく。「チェイサー」「哀しき獣」などの脚本家ホン・ウォンチャンが監督・脚本を手がけ、「パラサイト 半地下の家族」のホン・ギョンピョが撮影監督を担当。

2020年製作/108分/PG12/韓国
原題:Deliver Us from Evil
配給:ツイン
劇場公開日:2021年12月24日

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映画レビュー

4.5奇跡の再競演が、新たな奇跡を呼ぶ快作!

2022年1月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

役柄になりきるという意味において特筆すべき俳優がいる。
『タクシー・ドライバー』や『レイジング・ブル』のデ・ニーロ、『ディア・ハンター』のクリストファー・ウォーケン、最近だと『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のカンバーバッチ。体型を変えてしまうクリスチャン・ベール、ラース・フォン・トリアーによって追い詰められたエミリー・ワトソンやビョークも忘れられない。

映画は監督で観るのが僕の基本だ。次に重視するのは脚本家なのだが、脚本と言い換えると頼りにする俳優が選んだ作品であれば間違いがない。
『ただ悪より救いたまえ』は、韓国映画界を代表するファン・ジョンミンとイ・ジェンジェが揃い踏み。『新しき世界』(2013)以来、約7年振りの再競演である。最も信頼できるふたりの俳優を本気にさせた脚本を書いたのは『チェイサー』(2008)のホン・ウォンチャン監督。予期できない展開の連続で観客の度肝を抜く、僅か108分の骨太な作品を仕上げてくれた。

東京で悪党を暗殺する謎の男の登場で幕を開けると、舞台はいきなりバンコクへ。幼い娘とふたりで暮らすシングルマザーの女性へとフォーカスされる。暗殺の依頼者からの電話で男の素性が少し明かされ、殺された悪党には腹違いの弟がいたことが告げられる。
「女が死んだ、引き取り手がいない」…元上司からの電話を受けて男は韓国へと飛ぶ。彼女が殺された理由を追ってバンコクへ。男が引き受けた最後の仕事を端緒に、男をめぐる過去と現在、すべての点がつながり疾走を始める。

元韓国国家情報員の男インナムを演じたファン・ジョンミンは、生きる目的を失って自分を持て余している。
イ・ジェンジェは誰ひとり信じない凶暴な男レイになりきり猛烈な追撃を続けていく。
パク・ジョンミンが演じるユイは、本当の自分になる手術費を稼ぐためにインナムのガイドを引き受ける。
この次に一体何が起こるのか。母と娘のゲームは、男と少女のひとときへと受け継がれ、要所には時限装置が仕掛けられ否応なしに緊迫感が増していく。絶妙なタイミングでインサートされる明暗のコントラストが鮮烈なカットは、構図の力も重なって絶妙に効いている。
自分の居場所はどこにあるのか。圧巻の熱量で今を生き抜こうともがく男たちは、その先で何を見つけるのか。

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高橋直樹

4.0いやあ、いい意味でムチャクチャで気持ちいい

2021年12月31日
PCから投稿

殺し屋VS殺し屋の起きて無用の殺し合い。生き別れた娘の救出とか、殺された兄の復讐とか、サブプロットはいろいろあるんだが、もうそんな細かいことは些細なことである。劇中でイ・ジョンジェが「お前を殺す!家族も関係者もみんな殺す!(うろ覚え)」と言い放ち、「なぜそこまで?」と問われる答えがいい。「理由なんて忘れた!」。手段のためにザクザクと人の指を落としていくファン・ジョンミンの静かなる狂気もいいが、イ・ジョンジェの陽気と陰鬱を併せ持つバイオレンスっぷりが本当に異様で、とにかく目が話せない。突如トゥクトゥクに乗って現れる瞬間、あのトゥクトゥクのドライバーは顔もろくに映らないけど、イ・ジョンジェにどんな脅しを受けて運転をさせられ、いかにしてみごとに相棒っぷりを務めてみせたのか。そんな細部を思うだけで愉快な気分になれる。落ち込んだ時にはことあるごとにこの映画のことを思い出したい、という意味で『アシュラ』と双璧をなす怪作。

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共感した! 9件)
村山章

4.0全ては二つの魂、全身全霊の激突のため

2021年12月30日
PCから投稿

韓国映画なのに舞台は日本とタイ。それだけですでに驚きだが、本作の筋書きや動線にしても、一見複雑かと思いきや、実はとてもシンプルであることに驚かされる。全てはファン・ジョンミンとイ・ジョンジェという二大俳優の激突のために用意されたリングのようなもの。この真逆の炎を宿した二つの魂と肉体は、死闘を通じて一体どんな化学反応を巻き起こすのか。一方は泥臭くも職人的に仕事をこなす殺し屋で、もう一方は狂気と激情を合わせ持ち、氷のような冷たい目で見つめる毒蛇のような殺し屋。かくもお互いが惹かれ合うかのように殺し合う二極対決にはゾクゾクさせられるばかりだが、アイディア満載の銃撃戦や肉弾戦、そしてバイオレンスや乾いた笑いを織り交ぜ、ボルテージは汗と血と涙にまみれ、常に右肩上がり。少女の登場で主人公の人間性がギュッと絞り出される仕掛けも実に効果的だ。終盤に『レオン』のような叙情的な香りを感じたのは私だけだろうか。

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牛津厚信

3.5良い

2024年6月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

日本人俳優と韓国人俳優で…殺し屋の話。よかったよかった。

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Cinemaオタク女
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