わたし達はおとなのレビュー・感想・評価
全9件を表示
身勝手な恋愛に苛立つのは、忘れたい記憶を刺激するからか
木竜麻生が演じる女子大生・優実は、親の仕送りで家賃の高そうなメゾネットタイプのマンションに住んでいて、好きになった男性には甲斐甲斐しく食事を作ったりして尽くし、押しに弱い面もある。藤原季節扮する演出家志望の直哉は、卒業後は就職せずに自分の劇団を旗揚げすると夢を語るが、優しい口調のモラルハラスメントで(時にはDV一歩手前の行動でも)女性をコントロールしようとする。
男女の人物設定は又吉直樹原作・行定勲監督の「劇場」に似ている要素もあるが、あちらの純粋すぎるほどの恋愛は容易に感情移入できたのに対し、「わたし達はおとな」の身勝手な男女の恋愛模様は大半の部分において苛立たしく感じられた。本作を見せられることが、ひょっとしたら作り手による洗練されたサディスティックなプレイに付き合わされ、ソフトな精神的拷問を受けているようなものではないかと妄想したりもした。
直哉は同棲相手(といっても彼の場合、女性の部屋に転がり込むのが常套手段らしい)の前の彼女(山崎紘菜)が中絶して寝込んでいる間に、新しい彼女=優実と一泊旅行に出かけるようなクズ度高めの自己中男で、優実と直哉の関係がうまくいかないのは9対1ぐらいの比で直哉が悪いのだが、優実にも若干の問題がある。付き合う気のない男子学生から高価そうなプレゼントを(一応断る姿勢は見せるが)何度も受け取るし、直哉に振られた直後でさびしい時期に合コンで知り合ったばかりの相手を自宅に招き入れてセックスし、その男が避妊しなかったことで新たな問題を抱えることになる。
本作はメ~テレと制作会社ダブのタッグによる「ノットヒロインムービーズ」の第一弾と銘打たれている。「“へたくそだけど私らしく生きる”、等身大の女性のリアルをつむぐ映画シリーズ」だそうだが、比較的若い世代にはこの恋愛がリアルに映るのだろうか。もしかして自分が加齢のせいで共感能力が衰えているのかとも考えてしまうが、ふと、自分の過去の身勝手な恋愛、その忘れてしまいたい記憶が意識下で刺激されるからかもしれないと思ったりもした。
この映画作った人達はおとな?『17歳の瞳に映る世界』を見るべし。
地雷映画 子供じゃなくて『ウマシカ』
男目線で『馬シカ』な女性を描いている。後、1時間30分。
『うま鹿』な男達に言いたい。
こんな稚拙な女性は滅多な事ではいない。兎に角、生殖行為を断行する時は避妊する。NSを通り越しNNは、両性の同意以前の問題で、それで家族を続けられてもほぼ破綻は免れない。
オギノ式すらやってないわけだから、申し訳ないけど、女性に対して同情や共感は持てない。
もう一度申す。こんな『ウマシカ』な若者は東京にはいない。地産地消で頑張って、岩手の良さを映画で描いてもらいたいものだ。
あと、40扮
だが、
この演出家の作品は時間の無駄。
『17歳の瞳に映る世界』を見るべし。演出家を含めて、こんな若者たちでは、絶滅危惧種大和民族は免れない。絶滅した方が良い。
面白かったです!
(ネタバレですので鑑賞後に読んで下さい)
この作品は、思っている事と話している言葉とが、ズレてしまっているのを表現できているところに素晴らしさがあると思われました。
この点は、様々に議論されているのに肝心な内面は語られない映画『恋は光』にも通じていると思われました。(テイストはこの映画とは全く違いますが‥)
またこの映画は、現在(少し狭い画角)と過去(少し広い画角)で画面サイズが微妙に違っているのですが、映画の時間の流れと本来の時間の流れが違っているのを説明なしに行っているのは、映画『ちょっと思い出しただけ』にも通じているとも思われました。
人の思っている事と話している言葉とがズレている表現が出来ている作品は、邦画ではほとんどないと思われて、その表現が出来ているだけでもこの監督は才能あるな、と個人的には思われました。
今回は割と私小説的な監督にとって身近な題材だったかもですが、別の作品でも加藤拓也監督の人物描写は見てみたいとは思われました。
今作は題材的にはありがちかもで割と人間関係では狭い話かもですが、人物描写の方は広い視野で出来ている作品というのはなかなかないんじゃないのかなとは思われました。
その意味では、登場人物の本質は大人とは言えない部分はあるかもですが、描き方としては人間を捉えている意味で素晴らしく大人な作品と思われました。
加藤拓也監督の次回作も期待しています。
逆にすごい
加藤拓也監督が忙しい時期にきた仕事なのかな。断った方が良かったんじゃ。これだけの俳優を集めて、これだけつまらないモノを創るって逆にすごいよ。
なんかしっくりしないと思って観てるんだけど、気付いたのは、その辺の大学生の話を映画館で観たいとは思わないんだよね。
意味もなく時系列をいじってくるんだけど、これ、いじらないと、本当に何もない話に見えて、耐えられないでしょ。いじったって、なんにもないしね。
各シーンは役者に設定だけ与えて、「はい、エチュードでお願いします」でやってるでしょ。でも設定が雑すぎるから、役者も大したことはできないよ。森田想が服を脱がずに客室の温泉に飛び込むぐらい。
「主人公を精神的に追い詰めた状況にしなきゃ」って理由だけで、主人公のお母さんを病死させるのね。作者の力量不足のためにお母さん殺すなよ。
そして「予定調和を崩すぜ」第一弾として、木竜麻生の浮気相手は、付きまとっていた同級生っぽい男ではなく、合コンで出会った男にしてるのね。このお陰で一気に木竜麻生に共感できなくなったよ。
「予定調和を崩すぜ」第二弾として、アンハッピーエンド的なラストで唐突に終わらせるんだけど、もう、加藤拓也監督の作品に対する不誠実な態度しか伝わってきてない状態だったから、どうでも良かったよ。
加藤拓也監督に次回作の話がくるのか分からないけど、もしあったらまた観ようと思うの。「金返せ!」って映画を観るのが映画鑑賞の醍醐味であるのと、そうは言ってもチャレンジする姿勢は面白そうだから、ワンチャン大当たりもありそうだしね。
いやー
NHKドラマ
きれいのくに
の加藤さんなので
気になってみた映画🎬
いやぁー
クソヤローばっかりで
嫌になるぅー笑
こんな映画なんだね
これ観た後にめっちゃ良い男みたくなる
トップガンか?
トップガンで口直しか?笑
この二人が大学生じゃなくて
30代の社会人同士なら
話も変わっていただろうなぁ
つぅーか
避妊しろ!
嫌なら女性も拒否しろ
なんで流されてんの
なんでそんな男家にあげてるの?
なんでそいつに犯されてんの?
いろいろ腹立つ
でもね、
こうゆう女性多いよね
ラストシーン長回し良いね
加藤さんの撮り方にセンス感じるよ
次回作も観るよ
いやぁ藤原季節
クソ役ばっかりだなぁ
でも応援してます
木竜麻生さんもとても良い演技ですよ
まだおとなになりきれてない人たちのお話
フラれたときに電話したら来てくれる友達や仲良くしてる仲間がいるのに、なぜ妊娠したことを優実は相談しないのかが不思議だった。
しかも父親の可能性がその友人の元カレ?友達?の可能性もあるのに…
インタビューで直哉はヒドイ男と読んだけれど、優実もワガママすぎやしないかい?食べ物の好き嫌いの押しつけはややうっとおしいくらいだった。
あまり優実のこと好きじゃないかも。
そう感じさせられる優実を演じた木竜さんの演技は素晴らしかったけど。
脚本はとても良かったんだけど、物語の進み方が過去と現在が入り交じりすぎて混乱。そこが残念。
服とか会話の流れで、この辺りの予想はつくんだけど、きちんと順を追って見たかった。
出演されてる俳優人たちはみんなよかった。
男女の「リアル」にひりひりする。
同棲中の大学生カップル、彼女の不慮の妊娠により一気にふたりの関係性が崩れ始める。こういう、プライドもコンプレックスもある地味な男を生々しく演じさせたら藤原季節は絶品なんだわ。「わたし達はおとな」と思っているふたりの大人げない応酬、無責任さ…タイトルの強烈な皮肉。
行きずりの男と不用意にセックスしてしまった優実も悪いけど、フラれてフリーの期間ではあるし、同棲してたことやその彼女に中絶させてたこと、また彼女の元に戻ってたことなどは一切伝えない直哉は相当ズルい男だし、ドアや物を叩いたり怒鳴ったりするところからDV気質が垣間見えてちょっと怖かった。きっと別れて正解なんだろうな。
ラストシーンからのエンドロール、その終わりまで映像も光の感じもめちゃくちゃ良いんだけど、その反面、あそこで「終わり」にできるのは男性監督だからなのかも…とも思ったりした。
直哉も心は傷ついたかもしれないけど、それだけ。優実のお腹の中では着実に赤ちゃんが育っているよ。まだ大学生でしょ、「俺だってやりたいことあった!」直哉が言ってたけど、それは優実だって同じ。未婚、まだ学生、妊婦…優実がどうするのかまでは描かれないが、どの道を選んでも苦難が待っている。
直哉にとっては「終わり」でも、優実にとっては「始まり」だ。
令和になろうがジェンダーなんとかとか唱えようが、妊娠するのは女性だけです。避妊なしでセックスすれば(避妊しても)一定の確率で必ず妊娠します。女性はほんと皆自分を大事にしようね。予期せぬ未婚の妊娠とかホラーより怖い。揉めてる間にも日に日にお腹の中で育っていく。「仕方ない」では済まされない。
【”身体は大人でも、心は未成熟な二人の男女の心模様・・。”全く共感出来ない男女の、日々の恋愛模様の徒然を時系列を行き来しながら描いた作品。藤原季節と、木竜麻生の演技に魅了された作品でもある。】
ー 藤原季節演じるナオヤと木竜麻生演じるユミの、我儘で、自分勝手で、けれどもそれはその時に好きになった相手を想っての行為であって・・。
と、思いつつも、二人やその友人達の行為や会話内容に全く共感出来ないまま、しかも少し苛苛しつつ、客電が上がるまで、観賞してしまった作品。
それは、何はおいても、藤原季節さんの盤石の演技と木竜麻生さんの、不器用ながらも、今を懸命に生きようとするユミを演じる姿に惹かれたからである。-
・性行為をする際に、避妊具を使わず、けれど子供が出来たら、イロイロと言い訳をしながら、父親になる事を回避しようとする、ナオヤ。
ー ”ダッタラ、ツケロ!。”
ついでに、この男は、前の彼女にも堕胎させている事が劇中分かる。
もう、この時点で全く共感できない。
その割に、演劇脚本を書いているだけあって、会話の論点を絶妙にずらすテクニックを持つ男である。-
・ユミも惚れやすい性格故か、ナオヤに惹かれつつ、焦らされて・・。
ナオヤが喜ぶだろうと思ってやることが、逆に彼の苛立ちを煽り立てる。
自立しているのだか、いないのだか・・。
ー で、ナオヤに振られると、寂しくて友だちに電話・・。-
・物語は、時系列を敢えて無視して、過去、現在のナオヤ、ユミの関係性の変遷を主に、彼らの友人達の姿も描いていく。
ー ユミの友人達の会話、行動も、”子供か!”と思える程、幼稚であるが、私も大学の頃はあんなもんだったのだろうなあ・・、と懐古主義的な気持ちで、彼らの軽い言動を観ている時分がいる。-
<と、イロイロと書いて来たが、それでもこの作品には不思議な魅力がある。
例えば、
・短いカットを多用して、現在、過去を行き来しながら、ナオヤとユミの出会いから、別れを描いている点。
・ナオヤとユミの会話劇の、面白さ。
- グリーンピース問題の会話など、どーでも良い事を、あそこまで真面目に語らせるかい?ー
・何よりも、藤原季節さんの盤石の演技と木竜麻生さんの、不器用ながらも今を懸命に生きようとする姿に惹かれたからである。->
■蛇足
・鑑賞中、お2人ほどが劇場を途中退席された事は、敢えて記載する次第である。
因みに、観客は5人であった・・。ご参考まで。
全9件を表示