土を喰らう十二ヵ月のレビュー・感想・評価
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土を喰らう十二ヵ月
初日の早朝行きました
所詮、人は単独旅行者。ひとりで生きて、ひとりで死んでいく。
たけのこ煮、たくあん、梅干し、ごま豆腐、栗の甘露煮、干し柿、、、。
美味そうなものがどんどん画面に出ている。そしてその手さばきが見事。そこには自然からの恵みのありがたさがある。
道元、西行、吉田兼好、、、。
いにしえ人の言葉が、しみじみと心に沁み込んでくる。この信州の田舎暮らしを見せられながらだからこそ、その言いたいことに気付かされる。
そして、勉は、自分の骨壺を焼きたいと願う。じつは、素人陶芸をかじったことがある僕の、土いじりの動機も「自分の骨壺」だった。できることは他人任せにせず自分の手で、という気持ち。そう、生きていくのも所詮、ひとり。死んでいくのも所詮、ひとり。他人とのかかわりはあるけれど、他人の手をなるべく煩わせることなく。生きていれば、必ず死は訪れる。だから、あるがままに生きるべし。身の丈にあった生き方をしていれば、飯も美味いし、生きているって思えることだろう。そんな、メッセージがある。ぽっちゃりした沢田研二、飾り気がなくてとても素敵だった。まるで、60年物の梅干しのようだ。画面からはただのオッサン(だけど魅力的な多才さはみせる)だけど、エンディング曲の歌声は、かつての艶っぽさが健在だった。
と、ここまでは高評価なのだけど、マチコとの結末がちょっと残念。というか、マチコは、勉の真意を理解していないと思った。それでもひとりで生きていくと飄々としている勉の泰然とした態度を、あえて強く印象付けたいというのであればいいのだが。
それと、おばちゃんエキストラたちの素人ぶりが、映画の空気を台無しにしてたのも残念だった。
ついでとして。
落語好きとしては、滝川鯉八の出演に興味があった。ほんとにちょい役だったけど、やはり表現者だけにセリフ回しが上手いなと思った。もうちょっと物語に絡んでくれたらよかったけど。
人は生まれ死ぬまで所詮、単独旅行者🐈~
ある作家が人里離れた長野の山荘で一人暮らしをし、山の実やきのこ畑で育てた野菜を自ら料理し、季節と共に描かれたスローライフ的な話なのかと思いきや!
映画のおかずや中身は美味しそうな料理だけではなく淡々と映し出す中にもしっかりと味が染み込んだ人間の本質や豊かさ生き方等を散りばめた内容であった
大人になり歳を重ね価値観は四季の様に変化し人間の本質や豊かさ季節を通じその都度触れ合う恵は人間模様の様であり作中主人公が「人は所詮、単独旅行者」という言葉はラストと繋がり成程っと色々な発見ができ丁度悩んでいた自分にタイムリーな作品で救われた気がした!
実家が長野で久しぶりに山や冬の姿等を見れ懐かしく思いつつ、都会で暮らしていると将来こんな風に生きて老いていくのも良いかなと思え、生き方や将来や明日、明後日を考えるのではなく、今日1日を精一杯に生きるという当たり前の事を忘れていたが改めて大事な事と考えさせられた。
沢田研二大好きだけどミスキャスト。
あの食事とあの体型の乖離は説明できない。
更に制作委員を立ち上げて映画を作ると必ず陥るエキストラの罠。 エキストラに芝居させるとそのシーンは極めて醜い。 邦画が得意とする分野の作品だけに心底惜しい。
だけどねエンドロールで流れる歌はピカピカのジュリーそのもの。 ゴージャスで色っぽく唯一の歌唱力こそ沢田研二の世界だ。
プロローグで流れる類家心平のtpも絶品。
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