土を喰らう十二ヵ月のレビュー・感想・評価
全112件中、101~112件目を表示
質素だが美味そう。静かですが美味しい自然食と四季、と人間の最後を考える飽きない秀作。
日本人に生まれて良かった。誰でも食べることは共感できるから飽きることのない秀作。描写が素晴らしい。
美しい四季の日本。
四季があって素朴な精進料理に近い【禅寺で小僧・「飢餓海峡」の水上勉】自然食
の良さは、いわゆるアメリカ🇺🇸の「ベジタリアン→無理している」とは正反対の
自然体。アメリカ🇺🇸の人には悪いけど、月とスッポン。
そして 枯れた沢田研二【歌手としては枯れてないで暴走老人、スーパーアリーナの醜態】
、ちょっと年齢差に難ありだけども、円熟の域の松たか子が公園。
田舎信州だからこその、四季の移り変わり、山の幸、畑、田んぼの幸。
「極道メシ」だっけ、よくバズビデオに動画上がってる刑務所メシ
山椒「犬の名前」、大根、きゅうり、ナス、茗荷ご飯、ゴゲメシ、あと最後に尻切れとんぼに続く
最高だね。和食精進料理。今だからこそ際立つ。
オヤツも栗と🌰あんぽ柿、ワシの親の世代以前の日本人はみんな柿が大好き。今のZ世代にはわからない感覚
四季の移ろい歳時期的な連関が素晴らしい、個人的に「タケノコ」「胡麻豆腐」食いたくなって、そのものズバリはないけど
普段あんまり食い物買わないワシが帰り道、和惣菜購入。ワシ一人でコッソリコレから食うところ・・
ただ、たまには「動物性蛋白質」取らないとね。でもね素晴らしい食事の描写。
「前述でバラバラだけれども 極道メシに通じる」というか
極道メシ
と趣旨は本当は同様、「限定された条件下」「質素なメシ」だからこそ、かえって飽食下の日本だからこそ
美味そう。
押し付けられた「通夜振る舞い」の描写が素晴らしい。
ただ現実には、いくらなんでも坊さん呼ばないことはあり得ない。
かつ、いくら爺さん婆さんとはいえ、通夜振る舞いに勢力をつぎ込めない、自身の親兄弟だからこその憔悴。
仕出し業者に丸投げという方が、死んだ本人は嬉しいと思う。悲しみで料理なんて手が回らない方が良いよ。
涙の数だけ死者は慰められるのだから・・
でもコレは娯楽映画、決して純文学的な硬派な作品ではないので
沢田研二の通夜振る舞いの料理、最高の描写。
土井善晴が監修。
タケノコ、山菜、味噌、胡麻豆腐、梅干し、たくあん
【”今日、一日を暮らせればそれでよい。”故、水上勉のエッセー「土を喰う」を底本としながら、24節気ごとの自然の恵みを眼で愛でる作品。後半は、氏の死生観も絶妙に描かれている作品である。】
ー 私事で恐縮であるが、故、水上勉氏のエッセー「土を喰う」と「精進百撰」は、30代にたまに読んでいた。料理に嵌っていた頃でもあったし、何より水上勉氏の禅寺の小僧だった時代に覚えたという山菜料理が、氏の姿と共に掲載されており、とても面白く読んだモノである。
自宅の庭で育てた野菜を収穫し、料理し、食する楽しさよ。(現在進行中。)
尚、幾つかの料理は、この作品でも紹介されている。ー
◆感想
・底本は、エッセーであるが、この映画はそこに編集者で恋人の真知子(松たか子)を配し、素敵な12カ月の自然と山の恵みが映し出された物語にアレンジメントされている。
急なお葬式の対応や、恋人に対する優しき想い。
”好きな人と、食事をしたいじゃないか・・。”
・登場人物も、山暮らしの事なら、何でも知っている大工さん(日野正平)、頑固な義理の母(奈良岡朋子)、オドオド夫(尾美としのり・・オドオドさせたら、第一人者。)と、強気だが何にもやらない妻(西田尚美)、禅寺の和尚の娘(檀ふみ)など、多士済々で、物語の面白さを上手く引き出している。
・心筋梗塞になったり(本当です。)、独り暮らしは大変そうだが、余りある自由があるのだろうなあ・・。
<何事も、自分でしなければいけない、大変さと、大切さ。
この作品では人間が、つつましやかに生きる喜びと、死にどのように対応するかが、キチンと描かれている。
食料が賞味期限越えで(消費期限ではない)多数破棄される一方、フードバンクや世界的な食糧不足が喫緊の課題になっている今だからこそ、観て良かった映画であると私は思いました。>
沢田研二と精進料理だけではない
土を喰らう十二ヵ月
初日の早朝行きました
所詮、人は単独旅行者。ひとりで生きて、ひとりで死んでいく。
たけのこ煮、たくあん、梅干し、ごま豆腐、栗の甘露煮、干し柿、、、。
美味そうなものがどんどん画面に出ている。そしてその手さばきが見事。そこには自然からの恵みのありがたさがある。
道元、西行、吉田兼好、、、。
いにしえ人の言葉が、しみじみと心に沁み込んでくる。この信州の田舎暮らしを見せられながらだからこそ、その言いたいことに気付かされる。
そして、勉は、自分の骨壺を焼きたいと願う。じつは、素人陶芸をかじったことがある僕の、土いじりの動機も「自分の骨壺」だった。できることは他人任せにせず自分の手で、という気持ち。そう、生きていくのも所詮、ひとり。死んでいくのも所詮、ひとり。他人とのかかわりはあるけれど、他人の手をなるべく煩わせることなく。生きていれば、必ず死は訪れる。だから、あるがままに生きるべし。身の丈にあった生き方をしていれば、飯も美味いし、生きているって思えることだろう。そんな、メッセージがある。ぽっちゃりした沢田研二、飾り気がなくてとても素敵だった。まるで、60年物の梅干しのようだ。画面からはただのオッサン(だけど魅力的な多才さはみせる)だけど、エンディング曲の歌声は、かつての艶っぽさが健在だった。
と、ここまでは高評価なのだけど、マチコとの結末がちょっと残念。というか、マチコは、勉の真意を理解していないと思った。それでもひとりで生きていくと飄々としている勉の泰然とした態度を、あえて強く印象付けたいというのであればいいのだが。
それと、おばちゃんエキストラたちの素人ぶりが、映画の空気を台無しにしてたのも残念だった。
ついでとして。
落語好きとしては、滝川鯉八の出演に興味があった。ほんとにちょい役だったけど、やはり表現者だけにセリフ回しが上手いなと思った。もうちょっと物語に絡んでくれたらよかったけど。
人は生まれ死ぬまで所詮、単独旅行者🐈~
ある作家が人里離れた長野の山荘で一人暮らしをし、山の実やきのこ畑で育てた野菜を自ら料理し、季節と共に描かれたスローライフ的な話なのかと思いきや!
映画のおかずや中身は美味しそうな料理だけではなく淡々と映し出す中にもしっかりと味が染み込んだ人間の本質や豊かさ生き方等を散りばめた内容であった
大人になり歳を重ね価値観は四季の様に変化し人間の本質や豊かさ季節を通じその都度触れ合う恵は人間模様の様であり作中主人公が「人は所詮、単独旅行者」という言葉はラストと繋がり成程っと色々な発見ができ丁度悩んでいた自分にタイムリーな作品で救われた気がした!
実家が長野で久しぶりに山や冬の姿等を見れ懐かしく思いつつ、都会で暮らしていると将来こんな風に生きて老いていくのも良いかなと思え、生き方や将来や明日、明後日を考えるのではなく、今日1日を精一杯に生きるという当たり前の事を忘れていたが改めて大事な事と考えさせられた。
沢田研二大好きだけどミスキャスト。
あの食事とあの体型の乖離は説明できない。
更に制作委員を立ち上げて映画を作ると必ず陥るエキストラの罠。 エキストラに芝居させるとそのシーンは極めて醜い。 邦画が得意とする分野の作品だけに心底惜しい。
だけどねエンドロールで流れる歌はピカピカのジュリーそのもの。 ゴージャスで色っぽく唯一の歌唱力こそ沢田研二の世界だ。
プロローグで流れる類家心平のtpも絶品。
全112件中、101~112件目を表示