「衆議院議員・小川淳也氏の32歳初出馬からの17年間を追った『なぜ君...」香川1区 りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
衆議院議員・小川淳也氏の32歳初出馬からの17年間を追った『なぜ君...
衆議院議員・小川淳也氏の32歳初出馬からの17年間を追った『なぜ君は総理大臣になれないのか』。
監督の大島新は、その後も小川の取材を続けていた。
近づく、2021年秋の衆議院議員総選挙。
それは異例のもので、任期満了に伴う総選挙が予想されていた。
いつもの解散総選挙ではなく、準備期間がある。
小川は地元・香川1区での返り咲きを狙う。
鍵は島しょ部、特に小豆島。
そうにらんだ小川は秘書を小豆島へ送り込み、地道な選挙活動を打つことにした。
一方、対抗は地元メディア王一族にして、現デジタル改革担当大臣・平井卓也議員。
現職大臣という余裕からか、大島新監督の取材も受ける余裕ぶり。
しかし、特定の通電大手との癒着が週刊誌に報道され、苦戦を強いられることに。
さらに、事態は動き、自民vs.立民の構図に、維新が第3局として登場。
野党協力が鍵とみた小川は、維新候補に出馬取り下げを訴えるという行動に出て・・・
といったところからはじまる映画で、とにかく生々しい選挙ドキュメンタリー。
ドキュメンタリーには2種類あり、対象である「人」を撮るものと、「事」を撮るものに分けられる。
この映画は、小川淳也という「人」を撮るドキュメンタリーであるが、「人」を追うことで、「事」に巻き込まれていく。
映画を通じてわかることは、「選挙は大変だなぁ」ということと、「小川淳也という人は一本気な人だなぁ」ということ。
前者は、議員にとっては、失業するかどうかの瀬戸際だから、そりゃ大変だ。
だが、当選することがゴールではないことは忘れないでほしい。
選挙戦のさ中では、ほとんど忘れちゃってるようにしかみえないのが、恐ろしい。
後者は、一本気であるのはいいことだけれど、フラ(ある種の余裕のようなもの)がなくて、この人、危なっかしいなぁ、ということ。
余裕がないと、判断を誤ることになる。
一議員としてはいいけれど、要職(特にトップ)に就くには、どんなものだろうか。
そういえば、昨年末、本作が緊急先行公開された際、公開劇場の目と鼻の先の有楽町駅前で演説をしているのを見かけたことがある。
「映画の宣伝?」なんて思ったが、定期的に実施している政治活動報告会だったのね。
代表戦が終わって(敗れて)、なんだか、いい顔になっていました。
なんだか、いまどき珍しい、負け戦が似合うひとなんですね。