劇場公開日 2021年12月24日

香川1区 : 特集

2022年4月29日更新

政治に興味がない人でも見たらハマる!
胸アツ選挙ドキュメント

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話題の映画を月会費なしで自宅でいち早く鑑賞できるVODサービス「シネマ映画.com」。本日4月29日から、2021年秋の第49回衆議院議員総選挙で注目を集めた選挙区に焦点を当てたドキュメンタリー「香川1区」GW限定先行独占配信されます。

それまでほぼ無名だった小川淳也議員を、大島新監督が17年にわたり追いかけ、2020年に公開された「なぜ君は総理大臣になれないのか」の続編で、香川1区の選挙戦を与野党両陣営、双方の有権者の視点から映し出します。編集部が見どころを語り合いました。

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香川1区 (大島新監督/2021年製作/156分/G/日本)

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<あらすじ>

2003年の初出馬から1勝5敗と闘いに窮し、比例復活当選を繰り返してきた小川氏。香川1区で彼の前に立ちはだかってきたのが、自民党の平井卓也議員だ。四国新聞と西日本放送のオーナー一族にして3世議員の平井氏は、前回2017年の総選挙で小川氏に辛勝。その後、小川氏は統計不正についての国会質疑や映画で注目され、その知名度は全国区に広がっていく。2020年に菅政権が誕生すると、平井氏はデジタル改革担当大臣に就任。保守地盤である香川の有権者にとって「大臣」の肩書は絶大で、小川氏の苦戦は免れないと思われたが、平井氏はオリパラアプリに関する不適切発言などでマスコミの標的となっていく。


座談会参加メンバー

駒井尚文(映画.com編集長)、和田隆、荒木理絵、今田カミーユ

■156分あっという間! 映画として楽しめる選挙ドキュメント

和田 面白かったです。156分あっという間でした。

駒井編集長 選挙ドキュメンタリーは、選挙結果とひも付くので、面白い映画が多いですよね。想田和弘監督の「選挙」とか、マック赤坂に密着した「立候補」とか。

荒木 最後の結果はわかってるはずなんですけどね、新鮮に感激してしまいました 笑

駒井編集長 私は「なぜ君」(「なぜ君は総理大臣になれないのか」)未見だったので、先にそっちを見てから「香川1区」みました。めちゃめちゃ面白かった。

和田 私もは未見だったので、他のプラットフォームで配信中の「なぜ君」を続けて見てしまいましたw

荒木 私は「なぜ君」をかなり前に見ててうろ覚えでしたが、じゅうぶん面白かったです!

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今田 私は「なぜ君」で小川さんのお人柄のファンになりました。今回もとても面白かったですね。最初の食卓のシーンで油揚げのズームから始まるのも。

和田 前作のラスト近くで小川さんが油揚げを美味しそうに食べるシーンがありましたねw

駒井編集長 そうか、油揚げで繋がってたんだ。気がつかなかった!

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■政治家の家族の物語でもあるドキュメンタリー

駒井編集長 それにしても、小川さんの奥さん、娘たちが奮闘する姿が胸アツですよね。

荒木 ご家族の皆さんが、本当に小川さんを尊敬していて自発的に応援している感じが、なかなか感動的ですね。タスキに「娘」だけじゃなくて「娘・名前」と自分の名前も書いたくだりが印象的でした。「娘、だけだとなんか従属的な感じがしちゃうから」って。

今田 小川さんのご両親も映されていましたね。あんな息子に育ってくれたら幸せだろうな……と子のいない私が謎のお母さん目線になってしまいました。

和田 このドキュメンタリーは家族の物語でもありますね。

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駒井編集長 政治家の家族は大変だなあって、特に、与党じゃない政治家の家族は大変。「政治家に向いている、向いていない」の葛藤とか、「政治家の奥さんにはなるな」って妻が娘に言ったりとか、政治家の家族の複雑な心境がヴィヴィッドに伝わります。

今田 これまで与党の例ばかりを見ていて、世襲にはあまり肯定的ではなかったのですが、お嬢さんたちは政治家にならずとも、小川さんの意思を継ぐようなお仕事で活躍して欲しいなと思いました。

和田 「地盤・看板・カバンなし」の「パーマ屋(美容室)のせがれ」である小川さんと、「香川のメディア王」の平井さんの対決という構図も見る者を熱くさせるんでしょうか。

駒井編集長 まあ、普通に考えて、女子高生が街宣カーに乗ってマイク握りしめて「小川の娘です。投票お願いします!」ってしゃべってるって、かなり異常ですよね。和田さん、どう思います。娘の父として。

和田 いやあ、うちでは考えられないですねw 父親としての生き方が伝わって、尊敬されているんだなと。

駒井編集長 相当な幸せ者だと思いました。小川さん。

■小川さんは愛されキャラ
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荒木 ほんと愛されキャラですよね。つい熱くなって記者の人に強く当たってしまった後に「謝らなきゃ…」って言いながら電話してたり、ほんと応援したくなる人だなって感じました。ちゃんと謝れるのはえらい。

駒井編集長 田﨑史郎さんに対して声を荒げて熱く反論していたのは、ちょっと驚きました。でも、ちゃんと後から電話で謝った。ナイスフォロー。

和田 私は一方で、小川さんとは親しくても、今回さらにフラットに与野党両陣営、双方の有権者の視点からしっかりと描いてる大島監督はすごいなと思いました。政治に興味がない人にもとてもわかりやすく、描かれていますね。

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■有権者の反応は? 選挙事務所、サポーターたちの活躍にも注目

荒木 与党陣営との選挙事務所の雰囲気が全然違うのも面白かったです。明るい雰囲気で開放的な小川さんの事務所とは対照的に、対抗候補の平井さんの事務所にはゴツい「推薦状」が天井にビッチリ貼られて壁には「必勝」……

駒井編集長 今回、小川さんの選挙事務所が明るい雰囲気になっていたし、オガココってファン組織もできていたし、なかなかモダンになってました。驚いた。

今田 女性サポーターたち発案の、窓に貼られた鳥のかたちの切り抜きとか、応援メッセージをパステル調の紙で出力するアイディアはいいと思いました。政治的なものを敬遠しがちな層でも、選挙は自分の暮らしとひと続きで、参加できる場所なんだということが押しつけがましくなく、柔らかく伝わってきて。

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駒井編集長 話戻りますが、私は香川1区の人たちが羨ましいとさえ思いました。「高校生が選挙演説聞きにくるってどういうこと?」って思ったもん。地元のスーパーヒーローですよ。

和田 それでも、こんなまっすぐな小川さんでも勝つのが毎回大変な日本の選挙、政治って、やっぱり考えさせられますね。

今田 今の日本社会に危機感を持つ若者が多いことも、政治に関心を抱くきっかけになっているのだと思います。前の世代の人たちのツケを払わされている感もあるでしょうし。

駒井編集長 小川さんも言ってますが、「政治が古すぎて、現代の社会に対応できなくなっている」という状況が問題だと強く思います。OSはアップデートされないと。

荒木 私も、小川さんのような人が地元にいたらいいのになと思ってしまいます。若い人たちだって、共感できる候補者がいれば選挙に積極的になれると思うんですよね……みんな生きづらさを抱えているはずなので。

今田 有権者たちのコメントも面白かったですね。若い層が香川を保守的な地域と認識していることや、小川さんの頑張りを評価している自民党員がいたりと、興味深かったです。心から国や社会を良くしようと思っている人間だったら、支持政党に関係なく刺激をもらえるドキュメンタリーです。

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■次の選挙、日本の未来が楽しみになる

駒井編集長 香川1区の次の選挙が楽しみですね。大島監督、また密着してくれないかな。あと、小川さんの立憲民主党での今後も楽しみです。いずれ、党首まで行くんじゃないでしょうか。失策がなければ。

和田 前回までだと比例復活当選では党内で発言権が弱かったり、党内出世が下手というのはやはり政治家としては致命的なんでしょうが、党首まで行くと面白いですね。

荒木 前作の映画の影響力は結構大きかったんだなというのも感じました。地元の人たちも対抗候補もかなり映画のことを気にしている様子があって。

駒井編集長 「なぜ君は総理大臣になれないのか」というタイトルが絶妙でした。これ、密着始まったときにプロデューサー側で考えていたんですね。「香川1区」見る方は、まず「なぜ君」を見て、2本イッキ見するのをオススメします。

今田 政治には全く興味がない、という人も必ず楽しめます。世の中には本当にいろんなタイプの人間がいてこの社会が成り立っているのだなあ……と生きていく上での勉強になりますから。

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