さがすのレビュー・感想・評価
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決していい話ではないけれどめっちゃおもろい
実際にあった事件や現代社会のリアルな雰囲気を作品に反映させていて、その内容が気持ちのいいものではないので、問答無用で拒絶してしまう人は結構いるんだろうなぁと思いつつ、グロい表現にそれほど抵抗感を持たなかった自分のような輩は、めちゃおもろいと感じてしまうような映画なのかもしれません。
サスペンスなのかブラックユーモアなのか社会派なのかホラーなのかよく分からないところが結構あるんですが、それだから面白いと思えるわけで、展開やストーリー的にもかなり引きつけられるものがありました。
個人的に佐藤二郎さんは少し苦手で、登場してきてこれはヤバイかも面白くないかもと思ってしまったのは完全に間違えで、見事なパフォーマンスにこの人は違う意味でヤバいのかもと思い直しました。
面白かったけど、愛の夢にがっかり
満足感はあるが、詰め込みすぎ?
現実の2つのセンセーショナルな事件をモチーフにしていることがわかる。
結末に至るまでいくつかの伏線があり、サスペンスとしての要素が強いが、やはり命の尊厳とは何かを突きつけられる。
絶対的な悪、身勝手な理屈。
糾弾することは簡単だが、いざ当事者になったり立場が変わるとブレてしまう自分を鑑賞中は感じていた。
主人公原田は最後に娘に救われると思うのだが、娘は信じられないほどに芯が強い。
サスペンスで、社会的な問題を扱っていて、ヒューマンでもあり、コメディもありでワンテーマを深く追求したい方には物足りないかもしれない。
優良コンテンツ
何をさがすのか。
消えたお父さん、連続殺人犯、自殺願望者、お父さんが隠した真実
どれを取っても見つかって良かった事なんて一つもない
絶望の沼に堕ちていく話
俳優陣が物凄い演技を魅せてくれるのですが、特に伊藤蒼さんの存在感が半端なくピンポンの語りシーンは心がずっとざわざわしてしまいました。
内容的には題材が題材なだけに賛否両論あると思いますけど個人的には心に残る映画。
劇場で集中して観て欲しい優良コンテンツだ。
これを「おもしろい」と言えというのか…。
後半のテーマが分からなくなってしまった
カメラ、照明、演技、ロケ地、すべてがうまく絡まっていて、素晴らしい。池田直矢のカメラはいつも素晴らしい。短いけれどチェイスシーンの緊張感は海外の映画と比べても遜色ないというか、日本の都市の地理感ならではの細かい動きでハラハラさせてくれた。
ネットのレビューで中学生がおっぱい見せてというのは、男性的で嫌だったという感想を見たが、私はむしろ中学生でも残酷で相手の足元を見て欲望を満たそうとするのだという演出意図を読み取った。父親が観ていたというのはそのメッセージを分かりやすく説明的にし過ぎだと思っていたが、これでも男性的だという意見があるのは驚いてしまう。私は「17歳の瞳に映る世界」と全く同じテーマを読み取った。
後半で独自の死生観がテーマになるが主人公一家の安楽死は理解できるが、他の人の自殺は全く理解できない。私は自殺をする人に対して一切共感をしないので、申し訳ないけれど、興味のない人を興味のない人が殺しているので楽しめなかった。
振り回される
佐藤二朗って、個人的には苦手な俳優なんだけど、本作はその嫌いな感じが功を奏している。
どうなっていくのか読めない展開に観客は振り回されて、それでもラストはしっかり泣かされる。
人間、決して100%の善人ではあり得ない。それでも、自分にとって「正しきコト」に向かって生きていくしかなくて。でもその正しさとは、決して「法律」や「モラル」ではない。
いろんな意味でキツいシーンも多い作品だが、娘役の伊藤蒼が出てくるとホッとする。
そのくらい映画全体を彼女の存在が支配しているのは間違いない。
特に物語が転がり出す手前。
彼女の周辺で描かれる大人たちの姿が、まさに我々であり、子供たちにとっての世界そのもの。
「悪意なく、子供たちを追い詰め、傷付けていく」
映画のラストシーンのあと、彼女はこの世界で独りで生きていくのだ。
こんなバッドエンドがあるだろうか。
でも、これが大人のしつらえた「ベストエンド」。
「何を探してるの?」
劇場を出ても、心の中で皮肉に繰り返される。
素晴らしかった
座間の事件と市橋の事件を合わせたような犯罪が描かれて、ハラハラする。チャレンジングな姿勢がかっこいい。
特によかったのは、本気で死にたがっている女の子が性格がとても悪くて、本当に死にたい人はこういう人っぽい。主人公である娘も先生の家で子どもが欲しがっているデザートをとって、道に置いて帰る感じが西成っぽくていい。先生が切れるのも、その後謝るところも人間らしくていい。
キャストも演技もストーリーも素晴らしいのだけど、ちょっと気になったのはお父さんが万引きをするようなだらしない人格なのだけど、それにしては自宅の部屋がきれいで床に物が何もない。卓球場ももっと散らかっていてもよさそうだ。娘が掃除をしていたのかもしれないけど、きれいすぎて不自然かな。ゴミ屋敷みたいな自宅だとそれらしすぎてつまらないのかな。
予告も含めて上手い
佐藤二朗主演作。もうこれだけで惹かれます。
しかも、清水尋也と「空白」の伊東蒼が共演。ジャンルはヒューマンサスペンス。その上予告、めちゃくちゃ面白そう。かなり期待値は高め。絶賛の声も多いですし。
案の定、めちゃくちゃ面白かったです。
3人ともええ演技するんですわ。(エセ関西弁)
まずは伊東蒼。空白では事故死してしまう娘の役であまり演技が見られなかったが、今回は長いこと見れて改めて「良い女優さんだなぁ」と思いました。なんだろ、この安定感。楓というキャラクターも良かったし、マッチしていたし。大注目の子役ですね。
そして清水尋也。まぁ、狂ってること狂ってること。幾度となく頭おかしいキャラを演じてきた俳優。「ミスミソウ」や「妖怪人間ベラ」でも気持っち悪い役をやってきましたが、今回もまた気持っち悪かったです。(褒め言葉) ネタバレになるので、このキャラについて深く言うことは出来ませんが、目や唇の動きで優しさと恐ろしさを同時に表す彼の演技に鳥肌が立ちました。
そしてそして、佐藤二朗。最近では彼が脚本と監督を務めた「はるヲうるひと」で役者の新境地を見せていたが、今回はあの作品よりはシリアスではなく、でもいつもの佐藤二朗ではないというなんとも絶妙な位置のキャラで、また新たな一面が見れた。こんな演技を魅せたらコメディ以上にサスペンス映画のオファーが殺到するんじゃない?あの1人でもがくシーン、すごかったなぁ...。
今公開されているコンフィデンスマンJPの新作みたいな作りでしたね。3人の視点に立って物事が描かれ、徐々に徐々に全体像が見えてくる。登場人物全員が何かを求めて探し続ける。様々な「さがす」が出てきて、警察の「君は一体、何を探してんの?」が頭から離れない。もう1回見たくなる作品でしたね。
ラストシーンはうわぁぁぁって感じ笑
ネタバレ出来ないのが歯痒いですが、とにかく後半30分は謎の緊迫感に押し潰されそうになるんです。エンドロールで気付いたよ、ここまで心臓がドキドキしているなんて。その上、あの長回しにビックリしましたね。劇場に音が鳴り響き、ジリジリと観客を追い込む。やられた。鑑賞からしばらく経つと面白さがより感じられます。
ただ、後半までがダルかったかな。
インパクトが足りなかった。後半に差し掛かるまでは、これ大丈夫か?と不安になるくらい見応えが薄かったです。丁寧さが欠けている。伏線が前に出過ぎていて、前半の面白さが伊東蒼に頼りっきり。もっともっと面白い映画にできたはず。
でも、ハードルかなり高かったのに見事乗り越えてくれました。これは、予告の作り方が功を奏してますね。日本映画界に今最も大切な要素ですよこれ。
父の醸し出す底知れぬ人間味
人の弱さと醜さを詰め込んだ、最後までじっとりとした不快感でいっぱいのなかなかキツイ作品でした。
突然失踪した父を探す娘・指名手配中の連続殺人犯・妻を失い鬱病になってしまった父、それぞれの視点で語られることで次第に明らかになっていく真相。冒頭では謎だらけに見えた場面がしっかり後半の展開に繋がっていくのが分かり易く、とても観やすい構成になっていたと思います。
一方で、父の真意をはじめ、含みをもたせたままの部分も多く、あえてハッキリ描かれないので観る人によってら解釈が分かれそう。父はお金が欲しかっただけとは思えず、でもそうとも見える…このあたりの佐藤次郎の演技は素晴らしかったですし、時折見せるコミカルな演技は重い作品の中での息抜きとしても良かったです。
自らの死への選択や安楽死、貧困や異常な思想を持つ人など、重くデリケートなテーマを扱っているけれど、ギリギリ重くなり過ぎないエグみで良かったです。もっと振り切ったものを見てみたい気持ちはありますが、謎解き(伏線回収)要素などなんだかんだ最後まで飽きずに観れました。
佐藤二朗の親父、ヤバい
『岬の兄妹』の片山慎三監督の新作と会って、かなり期待していたので早速見に行った。
またしても、凄まじい映画だった。
佐藤二朗演じる、父親がとてつもない人間で、松浦祐也氏演じた『岬の兄妹』の兄貴以上に、闇が深かった。闇が深いというか、馬鹿なのか、単純なのか、ちょっとよくわからない。こんな人、いない。
でも、人間の心理や環境が底をついた姿はこうなのか、とも思えてしまう。もう本当救いどころがない。
清水尋也も、現代に潜むか弱き者たちに漬け込む異常者(元ネタはあの座間事件ですよね)。
大事件を犯した後、西成に潜んだり、島に行ったり『怒り』の元ネタである彼を彷彿とさせ、自分の立場を巧く使い、人を手玉に取る姿は凶悪犯罪者の常とう手段のよう。
異なる時間軸から終盤になるほど、ここに繋がっているのかと思った。巧く構成されている。
映画自体観てて面白いし、正直人間の底を巧く表現していると思うが、何とも感情の抜けどころのない、何と言ったらいいのか、この佐藤二朗演じる父親に対する感情がちょっと何とも言えないもので、観終わった後はちょっと上手い言葉が見つからない。
悪い映画ではないが、監督の前作ほど心が揺らぐものはなかった。
あと、西成でロケしたのだろうが、周りに映ってくる通行人たちがクセの強い人ばかりで、
あのお父さん失踪のビラ配りシーンはほとんど記憶にない。
ひさびさに
岬の兄妹の監督、父親が失踪する話しと言う予備知識のみで鑑賞したレビュー
大阪の街角を急いで走る少女。焦って向かった先に待つのは万引きで捕まった父親。ダメおやじである。嫌味を言う店長に必死で謝る娘、それに悪びれる様子もなく悪態をつく父親。ダメ親父である。示談となり帰宅、西成のゴチャついた路地裏、警察の懸賞金が手に入るかもしれないと話す父親に真面目に働けと呆れる娘、完全なダメな父親。どうしようも無いな、、、、という第一印象を、昔の彼の姿となぜこうなってしまったのかという事情を描くことで一度180度ひっくり返した後、また180度回転させてやっぱりダメ親父だなとしっかり思わせるストーリー展開は、まさにあの少女あってこそのものであった。笑いと涙と切なさと気まずさと、鑑賞中は感情の渦に巻き込まれた良作であった。
正直なところ、謎解きや多面的視点による事件の真相の見せ方なんかにはさほど目新しさや衝撃は感じなかったが元々そこに期待して観に行っていなかったので、伏線やその回収で驚かされた場面は無かったのだがそのせいでガッカリしたと言うこともなかった。そもそも、この作品はサスペンスとしての評価よりもヒューマンドラマとしての評価をこそされるべきであって、上記の理由で星を落とすのは差し控えたほうがいいのかなとも思う。
では、少女が探し出したものは何だったのか?
当たり前だが、少女は卓球場を経営していた両親も見ているし、病気で動けなくなり気弱になっていく母親も見ているし、介護でどんどん闇に飲まれて行く父親も見ているし、母親の自殺(他殺)のあとダメになった父親も見ている。2人で暮らす描写では父親に向けて放たれる言葉にはトゲはあれどもその奥には親子の愛情が感じられた。愛があり期待もあるからこそ厳しい言葉を向けていたのではないか。失踪した父親を探していた中盤、最終章でキーアイテムとなるスマホを手に入れた後、そこで彼女は何を見つけたのか。あのメールが父からのものでは無い、あるいは父の本心では無いと気が付いただけでは無かったはずである。いつから父親が自殺勧誘のSNSアカウントを持っていることに気がついていたのか。切符があったからという事もあるが、なぜあれほどにまで島に父親が居ると空家の中まで探し回り、パトカーのサイレンを聞いただけで父に何かあったのだと確信できたのか。彼女は劇中描かれている以上に賢い子である。
そして最後の卓球。
通報後の最後の父との会話。
ピンポン球なしでのラリー。
彼女、あるいは父親は、探し物が見つかったのではないか。
生きることの厳しさ、死ぬことの先にあるのは自由なのか、お金のために人を殺める事の虚しさ、少女の誠実さ、同級生の少年やみかん爺の正直な人間臭さ。いろんな人間の感情が描かれた作品。是非観て感想を話し合ってみて欲しい。
満を持して封切られた邦画新時代、片山慎三監督のしぶとさが光る
邦画のこれからを片山慎三監督に託したくなる、そんな今年のベスト。あらゆる角度が浮かび上がらせる人間の渇望が、この3字で帰結する。世界に行く監督の片鱗を観た。
私がミニシアターにハマりたての頃、初めてポレポレ東中野で観た作品が『岬の兄妹』だった。その頃は、嫌なモノを観たのに、不思議と人間の臭みがあることを感じた記憶。我ながら選球眼があるな…と自負。笑 それから。商業デビューとなった今作。更にパワーを蓄えてとんでもないモノを生み出してくれた。
すごく導入はシンプル。何度も劇場で観た予告にある様に、父は懸賞金300万円をかけられた犯人を見つけたと言う。そして、姿をくらました。娘が父の名を聞いて辿り着いたのは、父が見つけた指名手配犯で…。その続きを見ていく度に訪れる衝撃と秘密、そして、その言葉の意味にただ言葉を失う。
片山慎三監督の面白い所は、映画に何層ものカラーを重ね、単なるドラマで片付けない所だ。邦画好きなら聞いたことのある、高田亮と小寺和久が脚本に名を連ね、重層的なプロットに更なる色を加える。その中にいくつもの工夫が施された画が展開されており、作品の太さを上げていく。内容は重くなるはずなのに、関西弁特有のテンポと柔らかさが飽和する。よって、そのドラマのギミックにひとつひとつが衝撃としてガツンとくる。そしてラストまで切らさない。そこが監督の最大の強みであり、邦画の在り来たりを塗り替える強さを兼ねている。
また、西成を中心としたロケーションにも感服する。これまでも格差や個々の生きづらさを街の中に落とした作品はあっただろうが、今作は違う。あくまで因果であり、この構造の問題のみを痛烈に写し出す。あくまでドラマの中で起きた事に終始するが、その色の引き具合が何とも絶妙。作品の面白さを増幅すると共に、本質を突いてくるのだ。
そして何より役者が素晴らしい。佐藤二朗は「パブリックイメージとは違う役」と自らパンフレットで言っていたが、今は彼以外ハマらない。監督が当て書きしたという脚本に、彼が持つユーモアとシリアスさが混じっていて、妥協がない。その鋭さが作品の幹となって価値観を揺らしてくる。また、伊東蒼も見事。『空白』では穴を開けた彼女だが、今作は父が作った穴をさがす役どころ。細かな仕草や表情が台詞の想像を掻き立てる。その中に等身大な姿を浮かばせ、幼さも滲む。次の清原果耶になると言っても過言ではない。更に、清水尋也や森田望智も憑依ぶりが凄い。凄くスタッフ自身も「託した」キャストによって出来たモノだと感じる。単に、「モネ出てた3人」とかで片付けちゃダメなやつ。笑
グルグルと、手を変え品を変え、映画の色を多岐に魅せる。その器用さとブレない強さが今も衝撃と共に回る。ああ、コレは誰かと語りたい…。
さがしてるのは娘だけ。
なかなか凝った話しで面白かったし絵も良かった。
父が突然失踪し、それを娘が探す。
そこに死んだ母と殺人鬼がからんでくる。
1人ずつ別の目線で話を語り、真相を炙り出すやり方は最近の流行だと思うのだが良く言えば同じシーンを別目線で見る「発見」、悪く言えば「また見せられてる感」のバランスかなぁ。「13カ月前」とかデカデカとタイトル出てやれやれと思うのはタイトルの入れ方が悪いのかもね。あと終わり方はもう少しキレ良く出来たんじゃないかと思うが、、きっとこれやりたかったんだよね。
出演者のレベルは高い。とくにトラックに轢かれてた子がこんなに良い役者だと思わなかった、将来が楽しみ。佐藤二郎もこういうの合う。清水、森田も良い。Hビデオに鉄心さん出ててびっくり。
期待しすぎは…
世の中知らない方が良いこともある
※後半で若干ネタバレ含みます。
「お父ちゃんな、今日電車で指名手配犯見たんや。」
その翌日、父・原田智は姿を消した。
母親を亡くし、日雇いで働く父親と2人暮らしの楓は、早速父親を探し始める。
しかし、行方不明の父親を探していくと、知らなかった真相があらわになっていき…
心の奥がモゾモゾした。
『パラサイト』を観た後に近い感覚との口コミを聞いていたが、確かに邦画ながら韓国映画のようだった。
連続殺人鬼を追う父親を追うだけでは終わらない、予測不能な父親探索。
探せば探すほど、見ようとすれば見ようとするほど、見たくなかった真実が見えてくる。
「君はいったい誰を探してんの?」
最初は父親を探していたはずが、観ている側も途中から何を探していたのか分からなくなる。
明らかになる父親失踪事件の真相も、良いか悪いか簡単に判断できない、なんとも言いがたいものだった。
あの境遇と状況で山内照巳にあんなこと言われたら、誰だってそちらへ靡いてしまうよ。
とにかく構成が上手い。
登場人物ごとの視点による章立てと少しずつ過去に遡るやり方は『悪なき殺人』を彷彿とさせる。
ポスタービジュアルから分かるように、それぞれの視点によるすれ違いを意識しているらしい。
原田家の家族の繋がりを表すような卓球も効果的。
会話のキャッチボールならぬ会話のラリーや、踏み潰されるピンポン玉、そしてエンディングの音楽にも取り入れられているピンポン玉の弾む音は、いつまでも耳や目に残る。
伊東蒼という女優さん、最近来てます。
一個一個の表情が本当に良い。
無口な役のイメージだったけど、喋らせるとなお良い。
今年はもしかしたら彼女の年かも。
冒頭で、車道へ飛び出したりスーパーに入ったり『空白』っぽかったのでヒヤヒヤしたけど、万引きしたのは父ちゃんでした…
その父ちゃん役の佐藤二朗もまた良い。
最近は福田組でのあのノリを捨てた、静かな佐藤二朗が見れて嬉しい。
私的にはうるさい佐藤二朗も嫌いじゃないけど、静かな狂気を纏った佐藤二朗は無敵なので。
清水尋也は冗談抜きで怖かった。
「これは人助けです」とか言ってる時の正義に満ち溢れた目も怖いし、人殺しをなんとも思わなくなった時の何かに取り憑かれたような目も恐ろしい。
とりあえず役者みんな良かった。
案外探し物はすぐそばにあるのかもしれない。
父親捜索中に楓のすぐ近くに父親がいたように。
死は思っている以上に隣り合わせなのかもしれない。
指名手配中の“名無し”が楓に深く関わっていたように。
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