「超えてはいけない壁がある」さがす Tokiさんの映画レビュー(感想・評価)
超えてはいけない壁がある
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娘が走る先にはスーパーマーケット。たった20円で万引きをする父親。警察も加わって、父を叱り尻拭いをする娘。このシーンが映画の結末として最後に繰り返される。
救済だと自らを正当化し6万円のために殺人を犯す父親。証拠を掴み父親を観念させる娘。
死にたい人は沢山いるといいつつも、終盤には本当に死にたい人なんて居なかったと暴露する山内。最期に涙目に何かを訴える妻と、それから目を背ける夫。
「死にたい」「死んだ方が良い」という言葉が軽く使われるようになって久しいが、この作品は登場人物が各々の大切なものを探し求めるプロセス通じて、軽々しく捉えられるようになってしまった生と死の境目や、死をもたらすことの罪を、改めて強く描きたかったのだと解釈しました。
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