「難病、介護、安楽死、自殺志願、同意殺人等の重い世相を素材にした軽い推理ドラマ」さがす 徒然草枕さんの映画レビュー(感想・評価)
難病、介護、安楽死、自殺志願、同意殺人等の重い世相を素材にした軽い推理ドラマ
クリックして本文を読む
事前情報なしに見始めた。
だらしない父親にしっかり者の娘。ある日突然、父が失踪してしまい、娘は警察や学校に相談するが何の役にも立たない。
あーこれは社会派ドラマなのか、娘役の子は頑張ってるなと思っていると、シーンは自殺志願の女性と同意殺人屋のカップルの話に移り、殺人屋がたくさん人を殺していることがわかってくる。
おや、今度は自殺願望の話? 自殺を願う人々の多い社会病理の問題に移るのか。これは父親失踪とどうつながっていくのかと思って見ていくと、彼に殺された第一号が初めに出てきた父親の妻であることが判明。難病に冒され死を願う妻の姿から介護問題や安楽死問題に移っていくのか。
ところがところが、である。その後、父親と殺人屋は共謀で同意殺人を繰り返す殺人業に手を染めていき、やがて父親は殺人屋を殺し、責任をすべて彼に押し付ける策略を練る。その計画が完結する寸前、再び娘が登場。あ~こうつながってきて、こうひっくり返すのかw
というわけで、いろいろ振り回されて見てきたが、最後には納まりのよい推理ドラマで決着するのでした。
難病、介護、安楽死、自殺志願、同意殺人等の重っ苦しい話題を次々に重ねて肩が凝りそうだが、それはそれで刺激的で観客の興味をそそるし、あまり深く突っ込まずメリハリのついた場面転換を行うことで重さが後を引かない。それらを全部、最後に軽いタッチの推理モノにまとめる監督の手際の良さが光っている。
コメントする