「人間の闇も映すドラマ」さがす たいちぃさんの映画レビュー(感想・評価)
人間の闇も映すドラマ
大阪の街を舞台に、「指名手配されている男を見た。警察に通報すれば300万円だぞ」と娘に言った父親が、その直後に失踪し、娘が父親を「さがす」映画。
映画の前半はそうした「娘の目線」で描かれているが、後半になると「父親の目線」でいろいろな「真実」というか「闇」が浮かび上がる構成は、なかなか見事であった。
現代の闇サイトを描くような映画とは知らずに観たが、人間の弱さとそこに付け込むダークな人間たちの風景を切り取ったドラマ。
「自分の父親のダークサイドを知った少女は、このあとの人生をどのように生きていくのだろうか?」といった(とても余韻とは言えない)気懸りが尾を引く感が残る。
また、大阪を舞台にしているが、少女がビラ配りをする「新今宮駅」や、工事現場にいた男を「今池駅」で見たという言葉から少女が駅で待ったりするが、これらの駅は出張時には行ったことが無いし、たぶん通ったことも無い場所だと思う。
そうした風景を見た後に、「グリコ看板のある有名な場所」が映った時には、「お~ぉ、ここは行ったことある」と喜んでしまった(笑)
あと、果林島という島も舞台となるが、「実在の島?」と思って検索したら、香川県にある島のようである。
父親と娘の卓球ラリーを延々と捉えたショットは見事!
なかなか見応えのある映画だった。
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