「見ごたえはある。でも少し期待が大きすぎたかな。」さがす スパイクさんの映画レビュー(感想・評価)
見ごたえはある。でも少し期待が大きすぎたかな。
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とにかく佐藤二朗さんのシリアスな演技を見てみたくて映画館に足を運んだ。作品のポスターも深みがあっていい感じだったし。佐藤さん、もっとシリアス系やってほしい。
最後の卓球シーンや清水尋也さん演じる山内がじっとこちらを見つめるシーンなど、印象的で良かった所はあるが、作品全体として府に落ちない感じがするのは、なぜだろう?楓があんなにもいい子に育ったのはお父ちゃんの愛情あってこそのはずなのに、最終的にお父ちゃんは完全に道を誤ってしまってますな。そういうアンバランスさを、お父ちゃんの愛情がゆえだと捉えるべきか、世の中とはそういう不合理なものなのだと受け取るべきか、生活のために人は残酷になれるのだと描きたかったのか、ストーリーが強引だったと考えるべきなのか、フィクションなのだからとただ納得すべきなのか・・・淡々と語られるストーリーの中だけでは自分の心を決められる(解釈できる)だけの判断材料を得られなかった、というのが一つの要因かもしれない。
あと「大阪の街」としてはすごくうまく捉えてる気はしましたが、人の描写になんだか少し物足りない気が・・・。警察にしても先生にしても街行く人々にしてもみんなあまりに冷たすぎやしませんか? 大阪の人って全員じゃないにしても、もちょっと人情味があるというか、 お節介なところがあるというか・・・そういう人が一定数いる場所だと(私は)思ってます。中学生の子があれだけ困ってたり、一人で犯人追いかけて叫んでるのに誰もが見て見ぬふりっていうのが・・・あり得ないというか、なんか、大阪っぽくないなと。物語を進める為とは言え、少し寂しかった。
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