「直走る」さがす ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
直走る
基本的に上映から長い間満席に近い状態が続いていたので少し落ち着いた頃に鑑賞。
確かに衝撃作だなと思いました。物語があらぬ方向へ向かっていくのも興味深かったです。
父の失踪→父の捜捜索→父の発見までが娘の物語で、そこからはまさかの父の物語になるという構造がとても良かったです。父が殺人鬼の犯罪に加担していく、そしてやがて実行まで移してしまう、そしてそのビジネスにのめり込んでしまうというある種の依存についても強く描かれていたなと思いました。
今作、意外にもアクションシーンというかチェイスシーンがとても面白くて、娘が殺人鬼をひたすら追いかけるというのがこだわりのカメラワークと相まって見応え抜群です。途中でまさか殺人鬼のズボンを脱がしてしまうとは…
PG12指定ということもあってちゃんとグロさもありました。目ん玉フォークで突き刺すのはほんと痛そう…。他にも直接的な描写はありませんでしたが日本刀で斬り殺すなんてのも意外性があり好きです。途中で出てきた優しそうな爺さんのHなコレクションが殺人鬼の快楽を生み出したんだと思うと爺さん何見せてんだ笑と思ってしまいました。
復讐とは名ばかりのように最終的には殺人鬼を父親がこの手で撲殺してしまうというのも残酷な終わり方だなと思いました。自殺しようとしても中々上手くいかないというのも妙に怖いですし、その前に死にたがっている女性と既に殺人鬼の巧妙な手口で殺された妻と重なる描写も末恐ろしかったです。
最終的に娘と父親が卓球のラリーをする際に、互いの本当の姿を知り、パトカーのサイレンが鳴る…という苦虫を噛み潰したような終わり方でした。ほんとゾクゾクしました。
ホラーよりも怖い、そんな一本でした。
鑑賞日 2/18
鑑賞時間 16:15〜18:25
座席 G-2