劇場公開日 2022年1月21日

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「彼女がさがしていたものは…」さがす まめもやしさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0彼女がさがしていたものは…

2022年2月17日
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実際に起きたいくつかの事件をベースに作られているが、主軸はエンタメ的面白さが先行している。多面的な視点で事件の輪郭が次第に浮き上がってくる構成が、捉えようのない物語に上手く働き、見るものを飽きさせない。一方で家族の関係性や社会問題に関しては深く描かれることはないため、登場人物に感情移入する余地はない。しかし、重くエッジの効いた物語をここまで成立させているのは間違いなく俳優たちの演技力のたまもの。感情をむき出しにした佐藤二郎のとあるシーン、伊東蒼の等身大でひたむきな姿と強い意志、清水尋也の死んだような眼差しと狂気、森田望智に至ってはとても本人とは思えない。これは俳優が光る映画。卓球の玉を踏み潰すシーンやラストシーンにみられる映像表現の巧さにはしびれた。片山監督の今後がますます楽しみだ。

まめもやし