「見る人によって評価が極端に変わるかなぁ…。」さがす yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
見る人によって評価が極端に変わるかなぁ…。
今年41本目(合計314本目/今月(2022年2月度)13本目)。
ストーリーの筋自体はすでに多くの方が書かれているので大きなところは省略します。
PG12扱いですが、どちらかというとR15に近いところで、その中間点くらいにあると考えたほうが良いです(行為を想定できる表現、残酷な表現など)。
ミニシアター中心のランキングでは2位というとのことですが、そこまでは…という感じです。結局のところ、理由が何であろうと、悪い行為に手を染めた人は罰せられるという、ごく当然のことを描いた、に過ぎないからです。
一見すると、物語後半から登場する、ALSの患者さんへの描写もあるので、いわゆる「安楽死」の論点が絡んできているのかなとも思え、確かにそれを想定できるセリフも出てはきますが、結局のところ、その掘り下げは皆無に近く(ただ、作成協力にALS患者の会、のようなものは出る)、悪く言えば「ALS患者のように安楽死の対象にしやすい対象を物語に出した」ともいえます。ここは正直、「ちょっとまてまて」という人も出てくるのでは…と思います。
さて、さっそく採点に入りましょう。
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(減点0.3) ストーリー序盤、「懸賞金がかかっている怪しい人を見たから探して」という女子中学生(ストーリー上は、中学3年生っぽい。最後に高校受験の話をすることからわかる)に対して、大阪府警の各警察署が「いや、そんな証拠じゃ人なんてよこせない(派遣できない)」といってくるところです。
ここも程度問題で、例えば小学1年生の子が見たというなら、「記憶違いじゃないかな?」ともいえますが、小学1年生と中学3年生では当然、分別の理解にかなり差が出ます(そして、今年(令和4年)から、18歳で成人と民法は変わります)。すると、中学3年生の子の「言い分」を完全に全く無視する大阪府警の描写もどうなのか…というところです。
※ これに関しては、「実際に信じて現場に向かってしまうと映画が30分で終わってしまう」という問題があるため「仕方なし」ともいえますが、かといって、「大阪府警ってこんなに子供のいうことを信じないの?」と思われても困ってしまう。
(減点0.3) ALS患者の方にも当然、生きる権利はあります。そして、ALS患者の方を介護するのが本人(夫)であるなら生活が難しくなることもこれも当然で、当然、行政などに相談してちゃんとした対応をしてもらうべきものです(通常は生活保護費で対応するが、そもそも、難病の患者を夫とはいえ素人が見るのは最初から無理があるので、病院預かりにするのが普通)。この対応がないために「追い詰められた」という点はいなめず(刑を決めるにあたってある程度の考慮事項となりうる)、このことに対する一連のやり取りもないことから、取り方によっては「(地方)行政には地方税は納めてね、でも、何かあっても福祉サービス等は一切考えません」という「意地悪な自治体」が大阪府(←映画の大半は大阪府)なのだろうという取り方は可能です(実際、高齢者の比率が上がっていけば、どこもかしこも、近い未来にそうなるでしょう)。
(減点0.2) 物語中盤あたり。主人公(を誰に取るかは難しいですが、女子中学生の子としておきます)が、親が突然いなくなった時に、担当の先生がそれを心配して、「今日からここにしばらくお世話になると良いですよ」という紹介先は、どうみてもキリスト系の児童福祉施設。
ただ、理由が何であろうと信仰の自由は保障されるので、「親がいない等で児童福祉施設に預けられた子は、その施設の宗教に染まらなきゃいけない」というようなことになると、憲法との関係で間接的にまずいです。
※ 映画内では、「そんなところ探しているんじゃない」って断ってしまうだけでそれ以外の描写は出ませんが、こういう児童福祉施設は、宗教等に関してはできるだけ避けて中立であることが望まれるものです。
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