「「さがす」の意味」さがす kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
「さがす」の意味
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予告編の印象とかなり異なる映画って意外と多い。本作もそう。連続殺人犯を見かけ懸賞金がほしいと言い残して疾走した父親を探す中学生の娘。父親は見つからないが、連続殺人犯には簡単にたどり着いてしまう。あれ、こんな話なの?と思っているうちに視点が変わってしかも3ヶ月前の話に…。
視点が変わって過去から物語ることで真相を描き出すという手法は嫌いじゃない。伏線回収もキッチリ押さえてきた感じだ。ここらへんはなかなか面白いサスペンスだと思う。清水尋也、伊東蒼、森田望智らがとてもいい演技をしていた。彼ら3人の演技だけで結構満足できる。特に伊東蒼は今後も大注目の女優だろう。
ただ、最後はちょっとわかりづらいのと警察の捜査が甘いと思えてしまうのが残念なところだ。山内が亡くなった後も、父親が死にたい人間の死を手伝おうとした理由がハッキリしない。人助けと思っていたのか?人を殺すことに快感を覚えてしまったのか? そして娘が父親を通報しようと思ったキッカケは何だろうか。父親がシリアルキラーとして暴走しないようにしたのか、母親を殺した人間を捕まえようとしたのか。「さがす」というタイトルは娘が疾走した父親を「探す」のではなく、母親を殺した人間を「捜す」ということだったのかもしれない。そこらへんがわかりづらいと思うのは観る側の力量の問題なんだろうか。
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