劇場公開日 2022年1月21日

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「オチのための準備(伏線バラまき)を見せられ続ける映画」さがす 東鳩さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0オチのための準備(伏線バラまき)を見せられ続ける映画

2022年1月21日
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このシーンいらないな、このやりとりいらないな、もっとテンポよく出来そうなのに、なんでわざわざタルい画を撮って、それをことごとく編集で生かしてるんだろう?と思っていたら、全部ラストで見せたいオチのための伏線だったわけですね

例えば、離島行きの切符発見から次はすぐ離島シーンに飛べばいいのに、間に彼氏がおっぱい見せてのシーンを挟むとかね、いらないのに
清水尋也のパートは全部いらないですよね
説明しておかないとあとで伏線にならないから存在してるだけで

難しいところですけど、まぁ並みの映画ですね
オチのドンデン返し、驚きのラストが見せたいがために90分ぐらいはずっと中途半端で面白くない伏線バラまきを見せられ続けたわけですから
例えばユージュアルサスペクツだったら、まず普通に面白くて目が離せないのにラストで騙された!全部伏線だったのか?!って驚きがありますからね
これは伏線蒔きました、伏線回収します、どう?すごいでしょ?ぐらいのものですね
自分が道端に捨てたゴミは自分で拾うのは当然の行為なのに、すごいことしてると勘違いしてるんでしょうね
そもそも佐藤二朗がなんで殺人や教唆してるの?とかね、オチのどんでん返しのために動機とか感情の流れとか全部ムリヤリ繋げているだけですから
タイトルも伏線だったとか、それは誰でも、どんな映画でもやろうと思えば出来ますから
普通の製作者は、宣伝優先でキャッチーなタイトル付けてるだけですしね
伏線にしたいだけのタイトル「さがす」では客が観たいと思わないって失敗しないと気づけないのかな?

監督さんも岬の兄妹で注目されての商業デビューだったから、気負ったんでしょうね
所詮は自主映画界での話だから、一般人は誰も知らないからもっと普通にやれば良かったんですよね
中途半端な脚本家が何人も入ることで、岬の兄妹みたいにゴツゴツしてた部分も丸くなっちゃったし、とても残念な出来でした
でも、次回作も一応見ておこうとは思ってます
それもつまらなければ、多分この監督さんの名前では観ないです

あ、それと、カット割らないように長回しで引きの画ばがりだったから顔のアップが極端に少なかったです
それも役者の感情、葛藤、変化が観客に伝わってこない原因だと思いますね
感情移入して話にのめり込めませんでした

あと疑問だったのが、父親が真犯人だって娘が断定できた決め手って何ですか?
すげえご都合でラスト繋げたなと驚いたんですが、それまでがつまらないから私が伏線を見逃した可能性もあります

それに、母親が絞殺されたのに事件にならなかったの、何でですか?
自由が効かない身体だから自殺に見せかけるのも無理があるので、すぐに殺人と疑われて捜査が始まり警察介入するはずなんですが……

そこら辺を、娘の勘を良くさせて作者に都合よく話を繋げたり、ご都合で警察をバカにして介入を遅らることで話を思い通りに仕向けたり、そういう脚本書かれると本当に醒めますね
この辺の二流脚本家はそれで観客を騙せると思ってるのかな?

監督さんは無理してトリッキーな脚本作ろうとしないで、もう一度シンプルな話を考えたほうがいいと思いました
第3作目はシンプルで強いヤツを期待しています

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東鳩