ライダーズ・オブ・ジャスティスのレビュー・感想・評価
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観客の予想を巧妙にすり抜けていくストーリー
わかりやすい語り口ながら、そこで起こる展開は観客の予想の裏をかくものばかり。その度に「えっ」と声を出して驚いた。主人公は愛する妻を事故で失い、派兵先から帰還を遂げる一人の兵士。フィジカル的、メンタル的に一筋縄ではいかないこの役柄をマッツ・ミケルセンが演じ、何かが爆発しそうな危うさを常に携えて本作は突き進んでいく。さらにここに確率論を研究する数学者や、テクノロジーに秀でた珍妙な仲間たちが合流することで、事態はよくある真相解明や復讐劇へ振り切れそうになりつつ、決してそのような方向へは陥らない。面白いのは一人一人のキャラクターがどれも内面、外面的にとても繊細に描かれていること。だからこそ彼らがぶつかり合うくだりでは各々の想いが痛いほど滲み出し、お互いに心の穴を埋め合おうとする姿や光景にも思わず胸熱くなる。アクション、サスペンス、家族ドラマを巧みに内包した、とても変則的なクリスマス・ストーリーだ。
ありきたりの復讐活劇に見せかけ、良い意味で予想を裏切る
マッツ・ミケルセンが演じるめっぽう強い軍人が、妻を殺され復讐に立ち上がり、犯罪組織の悪人たちをばったばったとやっつけていく……そんな話なら、まあありきたりだ。だがそうした先入観は、途中から「あれれ?」と驚きとともに裏切られることになる。 あちこちに皮肉たっぷりのユーモアが効いている。題名からしてそう。殺人事件の重要証人を殺すために実行したとされる列車事故を仕組んだ犯罪組織の名称が「ライダーズ・オブ・ジャスティス」(正義のバイク乗りたち?)。そしてストーリー上も、犯罪組織そのものの存在感や凶悪さはメインではなく(オートバイの活躍もないし)、あくまでもミケルセンたちにやっつけられる“切られ役”程度の扱いにすぎない。それがなぜ題名に? 物語をユニークなものにしているのは、列車事故で生き残った数学者オットーの存在だろう。統計や確率を専門とする彼は、観察力も優れていて、事故の直前に降りた不審な乗客のことも覚えていた。友人の数学者レナートや顔認識技術に長けたハッカーのエメンタールと協力して、証人が死んだのは偶然ではなくライダーズ・オブ・ジャスティスの仕業だと結論づけ、妻を亡くしたマークス(ミケルセン)にそのことを伝えるのだが…。 マークスの悲壮な復讐を、オットーら3人のオタク組がコミックリリーフ的に緩和する効果は確かにある。だがそれだけではない。オットーが口にする確率や必然、偶然や運命といった言葉が、実は列車事故だけではなく、映画全体の筋に関わっているのだと、冒頭とラストに配置された自転車をめぐるエピソードで示される。 言われてみれば確かに、たいていの大事故も、人的な過失や機械の故障など、確率的にはめったに起こらない出来事の連なりによって発生してしまうものだろう。日々の報道で見聞きする悲劇的な事故の背景にも、どんな偶然の連なりがあったのだろうかと、本作の鑑賞後にはきっと想像してしまうはず。 復讐活劇のようで、ブラックコメディ。喜劇のようで、哲学や運命論に通じる示唆に富んでいる。
人生の不条理を描く、感動バイオレンスコメディ
人生の不条理に直面した時に、人はどうすれば良いのか。どうすれば悲しみと絶望の淵から、少しでも前を向いて生きていくことができるようになるのか。この映画が語るテーマはとても重くて、深くて、まるでカミュの小説のようだ。 それをこの映画はコメディとして、それもバイオレンスコメディとして表現している。そしてそれが見事にハマっている。 突然の事故で、母であり妻であった女性を亡くした父と娘は、癒えることのない悲しみの底に沈んでいる。なぜこんな不幸な目に自分たちは合わなければならないのか、人生はあまりにも不公平だ。 この映画は、そんな父娘が少しずつ立ち直って行く姿を、派手なアクションと大爆笑の中で描いていき、最後は深い感動がある。アクション、コメディ、ヒューマンドラマという調和しそうもない要素が見事に調和した大傑作!
マッツのファンなら観ておきたい
さすがデンマーク映画。 ”特捜部Q”シリーズのニコライ・リー・コスが出てて一瞬分からなかった。 マッツのファンなら観ておきたいよね!
斬新なストーリー
あらすじの紹介文を読むとああいつものねと思ってしまうかもしれませんがこれは違います 統計学と無敵のハッカーと抑えられない暴力衝動を持つ軍人が集まれば・・・ 物語の流れは理屈っぽいセリフが長時間続いたりするので少し我慢も必要ですが 観終われば「ええ~?!」みたいなまあこれもハッピーエンドでいいか?的な結末を迎えます 映画専用チャンネルでヨーロッパ映画が放映されるときは必ず 一目置くべき作品なので見逃せません まさに本作も全く新しいこんなんでいいのかな?という面白さがあります マッツ・ミケルセンは悪役が多く本作も見た目や設定がいつもと違いますが ある意味ふさわしいキャラクターだと思います 観る機会があれば是非お勧めしたい作品です
味わったことの無いテイスト。
人は時として、不確かな真実より信じたい方向のベクトルが強ければ、なびく方向が怪しくなる。 作品のキャッチコピーからは、ハズレ無き「復讐アクション」劇が展開されると思いきや、どうして哲学的・宗教的側面が見える、成り行きを考えずにはいられない作品と思った。
正義の騎士団(ライダーズ・オブ・ジャスティス)
今夜はどうしたものか寝床に入ったものの一向に眠りに落ちていかないので起き出して全く期待せずに適当に見つけたこのオランダ映画「ライダーズ・オブ・ジャスティス」を見始めたら、やめられない止まらない😸 心に深い傷を負ったまま浮かび上がれない男達と突然の災厄で愛妻を奪われた父と目の前で母を失った思春期の娘のそれぞれが光を見出すまでの魂の救済のストーリー タイトルのライダーズ・オブ・ジャスティスとは彼等が立ち向かうことになってゆく冷血非情な犯罪集団のスッとぼけた名乗り名なのだが、現役軍人の父以外の男達は数学者とオタクなハッカー凸凹コンビと悲惨な境遇でも明るく生きようとするウクライナ出身のゲイの美青年がいがみ合いながらも団結し悪魔のような連中に復讐しようと立ち向かってゆく姿をセラピーする場面を挟みながら丹念に描き出す 正義の騎士団の意味とは果たしてなんぞや⁉︎ これ以上は観る人の妨げになるのでここまでにします しかし暴力をベタつかず、こうもカラッとハードボイルドにユーモアを交えテンポ良く描ける脚本と演出は見事としか言いようがない 邦画でそれが出来たのは伊丹十三監督くらいしか今夜は思いつかないなぁ😽
法治国家‥
至るとこで人殺しまくってる割に、普通に暮らしてる。後半には、相手からするとたまったもんではない動機であることが判明。 ただ、『映画なんだから、警察うんぬんは置いといて、父娘の場面に注目してね』的な作り手側のエゴを感じてしまう。 とりあえず、そっちのエンディングじゃなかったのは良かったけど、やっぱ不完全燃焼だった。 評価:3.3
価値観が崩壊する
すげームカつくんだよマッツ・ミケルセン。娘の心情も全然汲んでやらないし。でも妻の仇は討ちたいと思ったのかな、多少人間味もあり。なんだけどその方法がことごとく間違ってる。カウンセリングは固辞するのに得たいのしれないオタクたちは受け入れちゃう。悪人なんだから良いじゃないとばかりにじゃんじゃん殺しちゃう。そして何だかハッピーエンド、謎の映画だ面白かったけど。
デンマーク版、オタクvsヤンキーの戦いの話? 髭面のマッツ・ミケル...
デンマーク版、オタクvsヤンキーの戦いの話? 髭面のマッツ・ミケルセン。ただひたすらワイルドで、007や、インディアナ・ジョーンズとも違うイメージで、誰?まぁ、それも良し。 因果関係と言うか、世の中色々な出来事の因果の繋がりと言う事か?
いろんなものがギュッと詰め込まれた不思議な作品
まず冒頭のマッツの風貌にびっくりでした でもそんなマッツも好き いろんな偶然が重なってあんな事に...と思わせながら真相は...と、面白かったです ストーリーは全然退屈せず楽しめましたが、それだけじゃなく余韻も心地良かったです ただ、「赤い自転車で良いじゃんか」が消えません デンマーク作品では普通なのかもしれないけど、そのシーンはいったい何?というのもあったり、ハリウッド作品とは違うデンマーク作品でした 後からじわじわくる良さがデンマーク作品にはあるような 父娘愛、激しい銃撃戦、真相は何だったのかというサスペンス要素、人生の再生、新たな仲間との出会い、なんかもういろんなものが詰め込まれたクリスマスムービーでした ラストの皆のセーターが可愛くて、その中でもエメンタールのセーターがほんと可愛かったです
過去より今そしてその先
よくある復讐ものかと思いきや、 え?どうなるの?と言う展開があり、 これは復讐が縦軸じゃなくて再生の物語なのだなと 知る。 デンマークの風土なのか、かなりダークコメディで 笑いどころがあるはずなんだけど、 音楽とセリフのテンションが低いため 笑って良いのか?と言う感じでした。 登場人物みんながエリートになり得たはずなのに、 過去になんらかの傷を負い、 それを克服出来ず引きずっていると言うのがポイントで、 その傷を克服するのではなく、みんなで補いながら生きて行こうぜ。と言うのがテーマなのかなとは思いました。 ただ前に進む過程は強烈過ぎたけど。 娘が何故事故に遭って母親を亡くしたのか、 その原因の付箋を壁に貼ってるところを、 それは何の意味はないよ。と言ってあげるシーンは 印象的だった。 自分も何故こうなってしまったのかを考えてしまう時は あるけど、それは意味ないんだよな。 分かってるけどやっちゃうのだけど。 変なキャラがたくさん集まってるけど、 確かにと思える事もたくさんある変な映画でした。
はぐれもの逹の饗宴
まず、風貌からマッツ・ミケルセンだと認識できなかったのが、びっくりでした。 社会からはみ出したもの逹が、共闘していく姿は、面白くおウェインんしたくなる存在でした。 ただ、それが正しかったかは、劇中なんともいえないですが、ラストの結果から見ればみんな救えただのと、私なりにはいい解釈をしました。
感情移入をさせない、お父さん
マッツ・ミケルセン演じるマークスが強すぎる。 規格外。すごすぎ! なのに、どこか安心して観られない。 強さ感でいうと、スティーブン・セガール的なのだが セガールほどの安定感がない。 おそらく、お父さんの葛藤がじわりじわりと滲み出ているからなのだと。 だがしかし、同じ父親として言わせてもらうなら 「なぜだ、マークス!感情移入ができない。」 おそらく、その葛藤ってやつは、 ・人をしばいて解決してきた自分 VS ・いいお父さんになりたい自分 という構造なのだけど、僕には「人をしばいて解決する」 という手法を持ち合わせていないからだ。 ま、だから映画って面白んだよねっ、と納得させておく。 デンマーク語の流麗な語感が、心地よく、つい寝てしまった。。。 3人の理系マンたちも必然のキャラだったなと。 効果音が痛いっ!
驚きの展開
まさかの流れにびっくりしました。 軍人さん(マッツ・ミケルセン)の奥様と娘さんが列車事故に巻き込まれ、奥様が亡くなります。その時、数学者さんに席を譲られ、数学者は助かります。そして数学者は事故が起こる直前に怪しい動きをする男を見つけ、これは事故ではなく事件だ、と確信し警察に訴えますが相手にされません。そしてその列車事故では裁判での証言を控えた愚連隊のメンバーが乗っていたのです。 感想を一言でまとめると、悲劇と喜劇は表裏一体であり理不尽から生まれる。かなあ。 確かにフラグはバシバシ落ちていて、数字的な確率だったり状況証拠だったり、きれいに回収していくのだけれど、結末が意外すぎてびっくりしました。でも、事故(事件)の発生状況をよく観察すると結論に思い至ることに気付いたりと、いや、事故発生の描写をみて疑問が起こったんですがその疑問が正しかったとか、ラストできれいにオセロで大逆転したような感覚でスッキリしました。そういうところでのストーリーの組み立ては良かったんじゃないかと思います。 あと、マッツ・ミケルセンのアクションがきれい過ぎて唖然とするぐらい見事でした。そうだよなあ、いざ、動き出したら四の五のやってる場合じゃないよね。やるかやられるかなのに。というか、やり慣れてるよな?疑惑。 デンマーク映画は何本か観てますけど一筋縄ではない、捻ったことを差し込んでくるんで自分は好きです。これもその一本でした。 ありがとうございました。
いろんなものがギュッと詰め込まれた不思議な作品
まず冒頭でのマッツの風貌にびっくりでした でもあんなマッツもとっても良かったです いろんな偶然が重なってあんな事に…と思わせながら真相は…と、面白かったです ストーリーは全然退屈せず楽しめましたが、それだけじゃなく余韻も心地良かったです デンマーク作品では普通なのかもしれないけど、そのシーンはいったい何?というのもあったり、今作もハリウッド作品とは違うデンマーク作品でした 後からじわじわくる良さがデンマーク作品にはあるような 父娘愛、激しい銃撃戦、真相は何だったのかというサスペンス要素、人生の再生、新たな仲間との出会い、なんかもういろんなものが詰め込まれたクリスマスムービーでした ラストの皆のそれぞれのセーターが可愛くて、その中でもエメンタールのセーターがほんと可愛かったです
全85件中、1~20件目を表示