劇場公開日 2023年5月12日

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「着想は秀逸だが、フリークスに対する差別や迫害が描かれていないのは物足りない」フリークスアウト tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5着想は秀逸だが、フリークスに対する差別や迫害が描かれていないのは物足りない

2023年5月16日
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見世物小屋の異形の者たち、いわゆるフリークスが、実は本物の超能力者で、それぞれの特技を活かしてナチスと戦うという発想は、とても面白い。
たが、話は、そんなに単純に進む訳ではなく、4人の超能力者たちは2つのグループに別れてしまい、バッタバッタとナチスを倒していくという展開にはならない。
電撃の能力を持つ主人公の少女が出会うパルチザンの面々も、手や脚を失っていたり、背骨が曲がっていたりして、フリークスという括りに入るのだろうが、かと言って、彼らはそういう理由で戦っている訳でもなさそうだ。
ナチスの元帥が観覧するベルリン・サーカスの公演で、いよいよ「イングロリアス・バスターズ」みたいにナチスを血祭りにあげるのだろうと期待していると、見事にはぐらかされる。
少女と団長の親子のような絆は、それなりに感動的ではあるのだが、あの列車に団長が乗っていることをどうやって知り得たのか?パルチザンは、なぜ、あの場所で、おあつらえ向きに列車を襲撃したのか?列車よりもサーカスを襲撃した方が、明らかに大きな戦果を期待できたのではないか?など、腑に落ちない点も多い。
ラストで、ようやく4人が揃ってナチスと戦う場面が訪れるのだが、パルチザンとナチスとの戦闘が激し過ぎて、超能力者たちの活躍が霞んでしまうし、その一方で、覚醒した少女の能力は「AKIRA」や「炎の少女チャーリー」みたいに強力過ぎるしで、もう少し超能力の発揮の仕方をバランス良く描けなかったものだろうか?
何よりも、フリークスたちに対する差別や偏見、あるいは迫害のようなものが殆ど描かれていないのは物足りなく、それだけに、彼らが居場所を見つけるエンディングにも感動することができなかったのは残念だった。

tomato
tomatoさんのコメント
2023年5月18日

敵の予知能力についても、「光の中に立つ4人のイメージ」が、なぜ「ナチスの救世主になる」という解釈になるのかがよく分かりませんでしたね。
自分が死ぬことは予知できないというのは、いつもながらの「お約束」でした。

tomato
YOUさんのコメント
2023年5月17日

戦いは続く
的な感じが欲しかったところ。

スマホは未来人(黒幕)が転送してきているもんだとばかり思ってました。

で、決着編として続編を…(笑)

YOU