劇場公開日 2021年11月19日

「誰にも感情移入ができず、疲労感だけが残る」パワー・オブ・ザ・ドッグ tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0誰にも感情移入ができず、疲労感だけが残る

2022年3月19日
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こういう、「観るものに行間を読ませることを強要する映画」は苦手である。
主人公と、彼の弟、弟の妻、そして妻の連れ子とのギスギスとした人間関係が、緊張感をもって描かれていくが、「いったい何の話なのか」ということがなかなか見えてこない。
登場人物たちが何を考え、何を目的にして行動しているのかが良く分からないため、誰にも感情移入することができない。
そのため、人には言えない秘密を抱えて生きている主人公の孤独や苦悩が、胸に迫ることはないし、主人公が、人に対してようやく心を開いたと思った矢先に訪れる悲劇と、そのからくりに、心が動かされることもない。
「何を描きたかったのか」が分からないまま、疲労感だけが残った映画であった。

tomato