ある男のレビュー・感想・評価
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自己って何、自己ってどうやって作られるの?ってことでしょうけど~~~
まず、
「安藤サクラの声を出さずに泣く姿」を冒頭から乱発乱打!!!!!
「万引き家族」でこの演技が絶賛されたからって・・・・・・。
こんなに出します???監督さん・・・。
で、
内容は
自己ってなんだろ、
自己ってどうやって形成されるのかな、
氏素性、育ち?
名前というレッテル?
ってことなんだろうけど、
ズシリと深く心に響く感じではありませんでした。
ふーんって感じでした。
なんでだろ。
柄本明の怪演!
怖かったーーー。
清野菜名はどんな役をやっていても
根底に流れる意地の悪さ、鬱屈を感じるなあ~。
素晴らしいストーリーと出演者の演技が堪能出来た
里枝(安藤サクラ)は離婚後に息子を連れて故郷へ帰り、やがて出会った大祐(窪田正孝)と再婚し、新たに生まれた娘と4人で幸せな家庭を築いていた。だが、大祐は仕事中の事故で亡くなってしまった。その一周忌に、長年疎遠になっていた大祐の兄に来てもらったところ、遺影に写っているのは大祐ではないと言われ、愛したはずの夫が全くの別人だったことが判明したのだった。そのため、里枝は以前離婚の際世話になった弁護士の城戸(妻夫木聡)に大佑の身元調査を依頼した。城戸は男の正体を調べていく中で様々な人物と出会い、真実をみつけていく、という話。
大佑は誰なんだろうという疑問に城戸の調査の面白さ、過去を調べるにつれわかってくる真実に深みが有って良かった。
調査の中に出会う清野菜名、河合優実も良かったし、詐欺師で服役中の柄本明のいやらしさ、もさすがだった。
弁護士の城戸もルーツに公にしたくない秘密が有ったり、妻にも秘密が有ったりするのも面白かった。
もちろん、妻夫木聡、安藤サクラ、窪田正孝の3人は素晴らしかったし、特に窪田のボクサー姿は体の鍛え方も凄かった。
里枝が前夫との息子と真剣に話をするシーンはグッと引き込まれた。あんなお母さん、いいなぁ、って思う。
人それぞれ、事情や人に言えない秘密があり、その葛藤を堪能できる素晴らしい作品です。
「ある男」というタイトルをずっと回収し続ける映画
上映開始から観終わった今も、ずっとどきどきしているんですよ。私は映画が大好き過ぎて、どれだけ大好きかと言うと、映画を擬人化するとして、映画が恋人だとしたら、私の愛が重た過ぎて多分半年も経たないうちにフられるでしょうなというぐらい、とても重たい愛が出て来てしまうぐらい好きで…。でもそれは勿論、例えば男好きな人が、男なら誰でも好き〜という訳じゃないのと一緒で、映画の中でも、好き・嫌いが勿論あります。
で、本題に入りますと、「ある男」はもう、それは本当にもう、がっつり好きでした。大好きです。多分初めて知ったばっかりなのにもう重た愛が発動しております。で、今どきどきしているという訳です。(何じゃそりゃと思う人いるかもしれませんが、人が、好きになる人それぞれ好みがあるように、映画も人それぞれなのでご了承を)
石川慶監督始めとした製作陣&俳優陣の方たち…全ての人が素晴らしい一本の作品を作ってる事に、脱帽しかないのですが、そんな敬意を忘れてしまうぐらい没頭して観てたなあ。映画っつーのはこうも丁寧に作れるものなんですね…作った事は無いので分からないけど、なんか丁寧な伝統芸能の技を観てる感覚と近いぐらいの作品だったよ。丁寧の種別で言うと、凄腕の料理人が、人間が食べる為に殺した生き物を、死を無駄にしない為にも骨から毛から余すとこなく美味しく料理する、あの丁寧さに酷似しています。
予告編を観ている人は何となくのストーリーが分かると思いますが、愛していたはずの夫が、亡くなった後、違う人間の名を名乗っていた事が発覚して、弁護士に調べてもらう…というお話です。私はこの手のストーリーは正直あまりそそられないっちゃそそられないのですがね、上映開始直前まで、まだ終わってない仕事を置いて会社を後にしたのを若干そわそわ負い目を感じてたのですが、始まった瞬間一目惚れした時みたいに没頭も没頭してしまいましたよ。いやあ…丁寧だなあ…とても丁寧に作られているし、開始数秒で心掴んでくるよね。一人一人の人間が、登場人物が、嘘が無いというか…演技って所謂虚構のはずなのに、この作品に出て来る人達は全員その登場人物の生い立ちを生きてて、まじで感動した。職人技ってこの事なのかな。
妻夫木聡…優しい人間を演じたら右に出る者がいないくらいピカイチなのに、優しさの中にある自己嫌悪やトラウマや罪悪感を垣間見せるのを演じさせてもピカイチですね。かっこ良い。
安藤サクラ…安藤サクラが流してる涙と同じ分量の涙を、劇場で流しました。母として強く生きる姿も、子供も含めた周りの人に少し寄りかかる(頼りにする)姿も、全てが愛おしかった。抱きしめたくなる人を演じていた。かっこ良い。
窪田正孝…元々、影のある人間やストイックな人間を演じるのがとても上手い俳優さんだとは思っていたし、「ふがいない僕は空を見た」で初めて観てからずっと我々を裏切らず真っ直ぐな演技と如実に年々凄く良くなる繊細な演技を見せてくれて…。かっこ良い。
清野菜々…相変わらずこの人も嘘が無い演技が上手いなあ。笑っているのに、笑顔を随時見せるのに、興味深々にチャレンジしたりするのに、心の奥底で本当は、寂しい、悲しい、逢いたい、という気持ちをひた隠しにしている役。顔いっぱいの笑顔なのにふいに見せる、隠している部分が見えてしまう時、こちらは彼女の何倍も泣いてしまったよ。涙を溜める瞳が多分一生心から離れないと思う。かっこ良い。
仲野太賀…数秒でこちらに色んな過去や想いを伝えてくれる演技をするのは神の領域だよ…。さすが石井裕也監督に、日本では数少ない、「その人自体がもう映画」と言わしめた人だね。かっこ良い。
柄本明…ここ最近の柄本明の中でいちばん好きでした。勿論ベテランもベテランなんだからそりゃ上手いよ。しかしこの作品の柄本明は誰もが惚れ直す柄本明だった。妻夫木演じる弁護士との掛け合いのシーン最高。掛け合い方…数秒の狂いも無いのに一切わざとらしさ無しのやつ。これも職人技なのか、それとも映画の神降臨なのか…。かっこ良い。
一人一人への想いを書いていると多分今日眠れなくなってしまうので自分の健康面を考えて一人一人への想いは一旦終わりにして…。
この作品のいいなと思うところは、俳優陣の演技力をひたすらに信じているところだけじゃなく、ちゃんと見た目や中身を取り入れた、言わばもはや当てがきなんじゃ?と思われるような脚本なところ。簡単に言えば、映画は、現実を描いているようで、普通の生活じゃ考えられないとても綺麗な男性女性が揃えられて観せてくる作品物なんだから、観ているこっち側としては【登場人物達はストーリー内容を真剣な顔で演じてはいるけどさ…その前に、「わーイケメンだな!」「うお美少女きた」とか、一発目でまず思うよね…?人間なんだから…】という違和感を抱えて観ることには多からず少なからずあるんだけど、この作品は大袈裟ではないがそれをきちんと出してくれててそこも無茶苦茶魅力的だなと思った。そこ凄く好きなポイント。観たら分かるのでそれを是非感じて欲しいです。
そして、人が生きてく中で、日々の生活やニュース番組や記事を読んで感じる、差別・偏見などの嫌〜な気持ちになる事を練り込んで、生々しい「人間の嫌な部分」とそこから生まれる「違和感」「事件」「展開」から、すーっと心に響く「感動」「涙」「人間愛」を、余す事無く、かと言って押し付けがましくも無く自然な感じに私の心に届けてくれるところもかなり好きでした。
あともうひとつ、アートとかアート系な何かと言うものは私が言えた筋合い無いのですが…冒頭と終わり方、最高過ぎでしょう。鳥肌立っちゃったよ。ある種冒頭から最後の最後まで、ずっとこの作品名の「ある男」というタイトルを回収して回収して、ある男を表現し続けているんだね、この作品は映画は。ストーリーも何もかも感動に次ぐ感動なんですが、ここもですか…(帽子で換算すれば約5000くらい脱帽してるはず)ってもう、感動に対して感動疲労(造語)した困憊な私でした。
これ観た後、色んな場面を思い出すだけで思い出し泣きします。というか、タイトルを思うだけで思い出し泣きします。
あーほんと面白かったな。出来るなら、劇場内で一緒に観ていた人達全員とハイタッチして劇場を後にしたかったぐらい面白かったな。最高の夜ってのはこの事ですよ。今夜も自分の激重な愛に自分でひいております…。感想終わり。
暗い原作。もっと明るい作品が見たい。ラストのどんでん返し。妻夫木...
暗い原作。もっと明るい作品が見たい。ラストのどんでん返し。妻夫木のキャスティングでわかっていたはず、はまり役。サクラさんは今回は幅のない役。世間体に殺される国。だから作品の枠組みがつまらない。平野は病気かと思った。ただ、別人になることを描きたかったのかとも思った。その点では、ラストは面白い。でも、在日の使い方も記号的。アイデア自体は面白い。
見応えあり
意外と
分人の一評価だよ
小説は未見
平野啓一郎さんの書く社会時評は好きなので、観るべき作品とおもいました。
結果
各出演者は的確だし、石川監督の歯切れのいい展開はいいと思いました。
特に良かったのは子役はさておき、やっぱり安藤サクラさんでした。人生の一断面を演じるのに、その前日譚や愛する人の複雑な心境を思いやったラストのシーン等彼女無くしてはありえない演技構成で唸りました。
文頭にあるように原作は未見なので、谷口大祐(太賀くん)の入れ替わる前、入れ替わった後の人生がどうも消化不良で、もう一方のXに主題を絞った結果に主題はわかりやすいのですが、映画的なカタルシスが減じられたような気がします。
純文学の映画化であり、最後の弁護士のシーン等いくらでも深読みができる象徴的な表現は素晴らしいのですが・・
映画としてはどうなのだろう?
見応えありです。
堂々
微妙
心の深淵で繋がり向き合う中で
結末に迫る時の流れを引き延ばしたくなる様な、不思議な魔力に満ちていた。丁寧な心理描写で結ぶ演者の感情表現が素晴らしく、惹き込ませ心を離さなかった。溢れるヘイト、止まない憎しみ、隣人への不信感…生き直す真っ白な台本に希望を託しても、人は別人には成り得なく。社会の病理とは、付き纏うレッテルと抗えない血筋などではなく、それを掘り起こさせる情報網なのだ。ただ、それすらを払拭できること、それは過ごした時間で抱いた愛情であり、事実そのもの“真心で交わした経験”なのだ。だから、冷ややかな選択によるミステリアスな結末は、その温もりを沈静化するに値した。探り、知り、生きる為に捨てる。人は、苦悩の解放を渇望する旅を続けていくのだろう。
自分の素性を隠して生きる人生
ある男の正体を追及していくが
思ったほどミステリーではなかった
引き込まれる迄に時間がかかった
…どうしてだろう
登場人物が多数いて分かりにくい
ところにきて
…ある男
に余り興味が湧かないところかな
もう少し…演出に面白味が欲しかった
妻夫木の最後は
謎めいていて…よかった
…もしかすると
・・・素性隠して生きるのだろうか
追記。
[2024.3.4]配信にて
亡くなった男…ある男
ある男が何者なのか素性を
調べていく弁護士の城戸(妻夫木聡)
…ある男の正体は偽名を使っていた
事がわかった(谷口大祐)のなりすまし
何故に偽名だったのか
調べていく内に彼の生い立ちに…
『名前』の意図するものは
という問いかけのように感じた
名前はその人を現す名
すなわち。名前を変えれば
違う人物になり得る
…犯罪者の息子
というレッテルから逃れたかった
自分の出生を知られない様に
生きたかった
このある男は新たな自分に
なり新たな人生を送りたかった
弁護士の城戸にとっても
在日三世というコンプレックスに
生き辛さを感じていた
…偏見…差別にさらされる社会
生まれた環境は
変えることはできない
…自分は。と
日本人として生まれたかった
まさか、ある男の調査で
自分と対峙することになるとは。
後ろ向きの男の絵画
顔が見えないので何者なのか
わからない
…誰にでもなり得る
"自分の人生は自分のもの”
そうですね~この人生は手放したくない
ですね~ 城戸の言葉
これって…谷口大祐の人生を
なりすましちゃったの
何となくだけど。城戸が言おうとした
…名前は
ミステリーではなくヒューマンドラマ
あまり深掘りしていない感じというか、分かったことをそのまま表す、今いる人たちが紡ぐ言葉や表情からストーリーを味わう、そんな感じの映画でした。
物足りなく感じる方もいると思いますが、私は逆にそれが良かった。
ミステリーとしても、人間ドラマとしても、描き込みが足りず、物足りない
「嘘を愛する女」のように、「自分が愛した男性はいったい誰だったのか?」と悩む女性の話なのかと思っていると、男性の正体を調査する弁護士の話がメインになっていく。
ただ、その割に、謎を解く手掛かりが偶然によってもたらされるなど、ミステリーとしては、緻密さに欠けていると言わざるを得ない。
物語の核心部分となる、男性が他人に成りすました理由にしても、同情はできるものの、「やむにやまれず」といった切羽詰まった必然性は感じられない。
作品を通して度々提起される「差別」に対する問題意識も、ストーリーにうまくマッチしているとは思えないし、心にもあまり刺さらない。
何よりも残念なのは、柄本明演じる戸籍交換ブローカーの扱いで、せっかくインパクトのあるキャラクターだったのに、もっと物語の展開に活かすことはできなかったのかと、もったいなく思ってしまった。
「自分とは違う人間になって、別の人生を送ってみたい」という思いは、今の人生に対する不満の裏返しなのだろうが、誰もがそうした願望を持っているということを描いたラストシーンには、少なからず共感することができた。
全392件中、361~380件目を表示