ある男のレビュー・感想・評価
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単なる真実の追究ではなく、社会問題の提起
弁護士の城戸は、かつての依頼者・里枝から、亡くなった夫・大祐の身元調査をして欲しいという奇妙な相談を受ける。
里枝は離婚を経験後に子どもを連れて故郷へ帰り、やがて出会った大祐と再婚、新たに生まれた子どもと4人で幸せな家庭を築いていたが、大祐は不慮の事故で帰らぬ人となった。
ところが、長年疎遠になっていた大祐の兄が、遺影に写っているのは大祐ではないと話したことから、愛したはずの夫が全くの別人だったことが判明したのだ。
城戸は男の正体を追う中で様々な人物と出会い、驚くべき真実に近づいていく。(解説より)
再婚した相手が全くの別人で、その正体を探るというだけでもストーリー的におもしろみがあるが、なかなかに問題が複雑であった。
死刑制度、人種差別等数々の社会問題が裏で絡み合う。
さまざまな問題で、人生白紙からやり直したいと思う方もいるのだろう。
最後、里枝が「全てを知る必要があったのですかね」というようなニュアンスの発言をしていたが、答えは人それぞれかなと思う。
ただ間違いなく大祐が最期過ごしたひとときは、真実であったと思う。
何が言いたいんだろうな
小難しい話だったな
人は知らず知らずのうちに人を色眼鏡で見る
肩書きが乗っかれば目が曇る
本質を見ることはなかなかないし、
人と接する時に本当の自身を曝け出すことはない
演じるのだ
親に、友に、同僚に、対する人によって演じ分ける
本当の自分?そんなものは分かりはしない
本人にさえわからないのだから
周りから色眼鏡で見られたくない!
全く違う自分として人生をやり直したい!
戸籍を変えたところで人間の本質は変わらない
逃げ出した先に楽園などありはしないのだ
人種差別も失敗した人を蔑むことも本質は変わらない
人は異物を嫌う
「嫌うな、違いを受け入れて認めてこそ寛容である」
なんて傲慢な考えだろう
受け入れない自由も尊重するべきだ
本質的な解決なんかないんだろうな
やはり折り合いをつけて生きてくしかないのだろう
そんな話ではないけどそんな話の映画
3.37 良作ではある
ヘイトスピーチや偏見がテーマになっており、現代にぴったりな映画だった。
ただ映画全体としてみると、ややパンチが薄く、よくある邦画という枠を出なかった印象。
人は孤独の世界が安住の地なのか
自分とはなんなのか
愛した夫がある日事故で亡くなる。
その後、彼が名乗っていた人物は別の誰かであることが判明。。。じゃぁ、彼の本名は?彼は一体どこの誰?
を探っていく、ヒューマンミステリー。
たくさんの賞を獲った、話題作でしたね。
主演も助演も監督賞もなんだかんだ全部獲った印象でしたが、2年越しにようやく観賞できました。
主演の妻夫木くんの演技。ブッキーの演技好きやなぁ〜って、改めて思いました。顔が可愛すぎるので、なかなかキャラクター選ぶかなと思いましたが、良い俳優さんに成長されて(え?私誰?) 今作では弁護士という硬い役職で、人柄は落ち着いていて、温かい。
でも、ストーリーが進むにつれ、不安定だったり、急に感情的になったり。
↑てか、そうですよね。人間ですから。
いろんな面があって当然なのに。これもまた自分の中にある思い込み?とかかな。
助演のお二方。安藤サクラさんに、窪田くん。素晴らしかったです。
安定の演技力。 窪田くん、役作りで相当体絞られたんだろうけど、出来上がりパーフェクト。表情鬼気迫り過ぎて怖かった。すんごいです。
そして、さすがの柄本明さんですね。
怪演でした。。。
話の途中でスパイス効きすぎやし、もちろんジワジワくるし。。。あ〜、もうこの人出てくるだけで、間違いないと思える安心感。大好きっ。
清野菜名ちゃんや、太賀くんも、いい味でてた。太賀くん一瞬やのに、何あの存在感。この2人のシーンは、重いストーリーの中で、フッと光が差したシーンでしたね。
自分自身はこんなにも、本来の自分を消してしまいたいと思っているのに、その自分を受け止めてくれる人がいるって事が、無条件で心に突っ張りを緩めてくれる。
内なる自分と、社会で区別されラベルを貼られて、何かに属したり評価されたりする自分。どちらもとても不安定で、確定なものでないと思う。
自分の力ではどないもできないこと(犯罪者の親の血とか、もともとの国籍とか)があって、そこに雁字搦めになってる人がいるってこと。想像しないと気が付かず、ましてや、差別したり、誤った表現をしてしまったりしてしまう事もきっと私もある。
だからこそ、こういう作品を見て、もっと考えたい、もっと知りたい、もっとフラットな人になりたいと思わされる。なので、見てよかった。
未だに人種差別とかしてる人おるんやな、なんてそんな呑気なことは思わないけど、出来るならそういう人の周りには行かないように気をつけたい。間違いなく気分を害されるから。。。頼むから、他人があーじゃこーじゃ言わんでって思う。
ユウトくんが、亡くなった父親について、妹には話すのどうしよっか?と母に聞かれた際、「僕が話す。どんなお父さんだったか。」てセリフ。グッときたよ。それよそれなんよ。とテレビの前でつい声が出ました。
あの台詞が聞けて、それだけでこの映画みてモヤッとしてた部分が晴れました。ありがと。
演技に引き込まれた
引き込まれた
最後まで展開が気になる
25点
映画評価:25点
なんか良作風に作られてますが、
実際は小難しくて、陰鬱で退屈。
たぶん原作があると思うので、
そちらをオススメしたいです
(見たことないですが)
まず『大祐』が死ぬまでの流れが
急展開の連続でついていけない。
それを、何とか飲み込んで
その後の本題(大祐は何者なのか?)に入る訳ですが
これに関して「どうでもいい」ですよ。
だって、
私自身がまだ大祐に感情移入してないんだから。
どこかの他人が、実は別人で、
どこかで氏名の交換をして、
ひっそりと生きていただけなんですから。
安藤サクラさん家族からしたら、
とても大事ですし、この作品の様な展開に繋がっていくのも解りますが。
でも私にとっては、
大祐と心を通わせる前に
どんどん展開していくので
本当にどうでもいい話しでした。
この劇場版の最大の失敗は、
その一番重要な感情移入させる工程を
省略した事なんだと思います。
[2025.2.20観賞]
❇️『真木よう子さんの一人勝ち!』 ★彡抑えた演技が凄い。
自分が見ている世界が全てでないことはわかっているけれど、自分の都...
属していないという事
自分自身ではどうにもできない背負わされた人生の辛さと偏見への葛藤、成り替わりの不気味さ、味わい深い。
目の前にいてよく知っている人なのに、その人の人生の人となり、その人間の枠がなくなるとなぜこんなに不安になるのか。所属する事のチカラの強さが見えてくる映画。
正体が分かってしまうと、個人の善意や不安定さも含めてその人を受け入れられるのに、「ただの男」という極限にシンプルな何も無い状態というのは人の心を落ち着かなくさせ逆に受け入れられないものになるのだなあと感じました。
きっと「あなたがどこの誰でもかまわない」という状態は何処の誰かが前提で無ければ発生しないのかもしれない。何も知らない人という前提で始まる出会いでさえ、「謎の男」というミステリアスに見える設定に所属している様な気がしてくる。ましてや世間や仕事には枠が見えない人間は受け入れられない。
この映画では人の正体というのは、その人の所属してる環境こそが人間の正体のようで生きづらさの実感がしみてきて良かった。
犯罪者の息子だから何かしたんじゃないかという先入観をただただ生き直したかった人の物語として昇華していく工程を前半の窪田くんの控えめで温かい演技が支えているのが見事でした。
⭐︎3.5 / 5.0
血のつながり
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