ある男のレビュー・感想・評価
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❇️『真木よう子さんの一人勝ち!』 ★彡抑えた演技が凄い。
自分が見ている世界が全てでないことはわかっているけれど、自分の都...
属していないという事
自分自身ではどうにもできない背負わされた人生の辛さと偏見への葛藤、成り替わりの不気味さ、味わい深い。
目の前にいてよく知っている人なのに、その人の人生の人となり、その人間の枠がなくなるとなぜこんなに不安になるのか。所属する事のチカラの強さが見えてくる映画。
正体が分かってしまうと、個人の善意や不安定さも含めてその人を受け入れられるのに、「ただの男」という極限にシンプルな何も無い状態というのは人の心を落ち着かなくさせ逆に受け入れられないものになるのだなあと感じました。
きっと「あなたがどこの誰でもかまわない」という状態は何処の誰かが前提で無ければ発生しないのかもしれない。何も知らない人という前提で始まる出会いでさえ、「謎の男」というミステリアスに見える設定に所属している様な気がしてくる。ましてや世間や仕事には枠が見えない人間は受け入れられない。
この映画では人の正体というのは、その人の所属してる環境こそが人間の正体のようで生きづらさの実感がしみてきて良かった。
犯罪者の息子だから何かしたんじゃないかという先入観をただただ生き直したかった人の物語として昇華していく工程を前半の窪田くんの控えめで温かい演技が支えているのが見事でした。
⭐︎3.5 / 5.0
血のつながり
タイトルなし(ネタバレ)
平野啓一郎先生の作品のテーマだと思う。
実存主義 と
アイデンティティ
をテーマにした血の繋がり。と
そして
ナショナリズムかなぁ
この作品は恥ずかしながらある高校図書館に選書しておきながら、自分では読んでいない。
同じ家族をテーマにした『決壊』とかに似ていて、ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』からの影響があるのかなぁって思っている。
この原作本を読んだ他の方の映画と原作の関係を参考にさせていただければ、この映画は原作を元にうまく脚本を仕上げていると感じた。但し、会話でのカットと入れ方を小津安二郎監督の手法を取れば、より緊迫感が出たように感じる。
昨日見た『三度目の殺人』と全く同じ様なテーマで相対する解釈と感じる。
僕は平野啓一郎先生をノ◯ベル文学賞に推薦したいね。
そのくらいのファンなんだけど、『マチネ』読んてから彼から遠ざかっていた。原作本読んでみるか。
事実
すごくテンポが良くて観やすい作品でした。
過去は変えられない。
自分の力ではどうにもできないことだって起こる。間違いだって起こす。
そんな過去を、どうしようも無い今を捨てたいと思ったことない人はいるのかな。
過去なんてどうでもいい。
そう言ってくれる人がそばに居たらそう思えるのかもしれない。
でも記憶にも、記録にも過去はついてくる。
人種差別だって、過去を見てるから起こること。
今だけを見られることができたら、色んな問題が解決するのに。
でもそういう訳にはいかない。
大切な家族がもし殺されたら、私は犯人が生きることは望めない。
事実はその人にとってひとつだけど、人の数だけ事実があって、過去を変えたいと願う人は、人になりすまさないと人生を変えられない人が、今この世界にいる。
お芝居の技術が素晴らしかったです。
その人としてそこにあること、それはどんなに難しいだろう。
ドキュメンタリーを見ている感じ?
在日3世、殺人犯の息子、何気なくレッテル貼りされ、本人にとっては息のつまる生活の中で、個人のアイデンティティや本当の幸せとは?という映画だったと思う。テーマはしっかりしていてカメラワークも良いし、全体的には悪くはないのだが、あまり抑揚がなく、のめり込むという感じよりは少々眠くなった。深いテーマで書かれている原作を真正面から映画化すると、どうしてもこんな感じになってしまうのかもしれない。ドキュメンタリーを観ている感じかな。原作のつくり自体が映画化しにくいのかもしれない。
6-72
タイトルなし(ネタバレ)
①誰って思って調べてそれ紐とくのなら、2人目ももう少し内容あってもよかったかなって思います。②ボクシングジムで正直に言えたんならどうして結婚するとき嫁に言わなかったのか・・・。③安藤さくらさん、申し訳ないけどそんな店頭で声かけるほど可愛らしさもセクシーさもなく、だったら2人が惹かれた詳細ももうちょっと細かくあってもよかったのかなって思いました。お兄さんがこれは弟じゃないって言った時も執拗に言いかえしてたのも…好みじゃないのかなあ演技が(汗)
タイトルなし(ネタバレ)
自分の過去を消したくて、何度も別の人生を上書きしようとする。他人の傷を背負ったふりをしなければ生きていけない人
そんな彼がはじめて自分の居場所をみつけたが、どんな名前で生きていたって、その人が選んだ人生だったら、目の前の大祐だけみて、消したかった過去、里枝には絶対に知られたくなかっただろうことを、無理に暴き出す必要なんて無かったのかもしれない、、
里枝と大祐の実の兄が、この遺影は別人だ、と遺影の前でやり取りするシーンは笑えた
谷口視点で見たかった
「自分じゃない誰かになりたい」、自分も凄く同じことを思うから、凄く引き込まれて見てしまった
残酷な世界で儚くも強く生きようとしてる谷口の姿が魅力的だった
弁護士の城戸が彼の生い立ちを紐解いていく物語なので、仕方がないが、谷口視点で見てみたかった
最後の「全てがわかった後に知らなくてもよかったんじゃないか」(安藤サクラ)というセリフが愛に過去も生い立ちも本当の名前も関係がないことを物語っていて素敵だった✨
不許複製 / Not To Be Reproduced
不許複製 / Not To Be Reproduced
エドワード・ジェームズの肖像
映画で重要な意味を持つアイコンから始まる映画
全般的に、好きなトーンである
が、内容が身近なだけに、少し引いた目で見てしまったかもしれないし、そうはならんやろ感はあったものの、役者たち、特に安藤サクラ演じる里枝の息子役の悠人くんの好演に引き込まれて、よくまとまっていた。
戸籍を売買してまで、自分の過去を打ち消したい男たちの話。
そこに存在している自分が自分であり、自分の過去なんて変えられないのにね。
その点には里枝が言及するのに、城戸(妻夫木聡)は、他の人の過去を自分の物語として語ってしまう。
うーん。その辺りは、原作そのものが甘いのでしょうか。。。。。それとも男は形式にとらわれる生き物だと主張しているでしょうか???
在日に対するヘイトを描くなら、そのテーマだけにしてほしい。上っ面で描くなんて、勘弁。
城戸が在日であることを恥じていて自分を、reproduceしたのだ、みたいなのって、わかってないなぁ、と社会の無知も痛感できる、まぁ勉強になる映画でした。
良い流れ
小説を読んだ上で鑑賞。
画の作り、演技も良かった。ただ映画では表現出来ない部分が多いので小説も読むとよりよい体験になると思う。「花ちゃんこーおもうよ」があったら良かったのに....それだけが残念。
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