ある男のレビュー・感想・評価
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あまりにも退屈なお話
ここまでつまらない話で退屈なまま終わり。
枝葉まで言葉で語らないのは良いと思うけど、映画館で観ていたらお金返せと思ったでしょう。
ひとつ確かなことはこの監督の作品は二度と見ないだろうということ。
なかなか重いテーマでした
こちらは公開当時、観に行くか迷った作品。
結局、好きな俳優さんが出演していなかったので、観に行かなかった。
重いテーマだったが、気持ちがズシリと来ることもなく、良い作品だった。
それは息子ちゃんがとても良い子だったから。
これがぐれて手がつけられない息子だと
つらいものがある。
さて、この息子ちゃん、どこかで観たことがあるなぁと。
調べたら、
不適切にもほどかある
のツッパリお兄ちゃんじゃありませんか。
河合優実ちゃんも出演していましたね。
はなちゃんとお兄ちゃんとお母さんに幸あれ
驚きがない
在日 死刑囚の息子
その生き方にフォーカスするのはよかったと思うが
正体がわかってからは退屈な時間だった。
この男はもっと別の顔があるのではと期待して
最後まで見たが説明されている通りの男。
ルーツに着眼するのはいいがその人がどんな苦しみを負って生きたかが
劇中ではそこまで触れられていないので
見た人の想像に委ねられている。
ある程度非難されて生きたり苦しい経験をしていたのは
思いつくがもっとそこに具体性があったら良かった。
窪田正孝がスケッチに描いた絵は何を思って書いたのか
父の呪縛から逃げられないことをあらわしたにしても
あそこまで嫌ってる親の絵を真似する心境が分からない。
死刑囚の息子だと観てる側に気付かせる為だとしたら短絡的すぎる。
原作は読んでいないのでもしかしたらもっと深い話なのかと。
普通の生き方をすることはとても難しいと考えさせられるが
その境遇に入り込めなかった。
全体的にだらだらと進んでいく感じがして時間が長く感じた一本でした。
ピオトル・ニエミイスキじゃない
石川慶監督の映画で、日本映画にはない空気感を出していたカメラマンのピオトル・ニエミイスキですが、今作は参加せず。
ちょっとその影響は大きかったかな。コロナの影響とかだろうか。
安藤サクラの板についた薄幸ぶりや、窪田正孝の背負う影はなかなかよかったけど、画のパワーは石川監督の過去3作に比べてダウン。
ピオトル・ニエミイスキの撮影は、画面外でもいろいろなことが起こっているような、謎の説得力や広がりがあるんです。それがない分、普通の映画になってしまった感じ。
ストーリーはそつなく楽しめますが、それがちょっと残念でした。
映画としては楽しめたけど、
成りすましまでして代えたい人生
窪田正孝扮する谷口大祐は度々安藤サクラ扮する武本里枝が行う文房具店に立ち寄っていたが林業を始めた。ふたりは友だちからと付き合い始め家庭を築いた。しかし大祐は木の下敷きになって倒れ亡くなった。ただ亡くなったのは本当の大祐とは違っていた。妻夫木聡扮する弁護士城戸章良は里枝から大祐は誰だったのか調査してもらう事にした。
何とも奇妙な展開で始まった。戸籍交換という得体の知れない犯罪なのか。成りすましまでして代えたい人生。柄本明の怪演が目立ったね。
未だ余韻の中
「どんな境遇でもいいから、今の自分を捨てて新しい自分になりたい。
そうでもしないと生きられない人がいるんです。」
城戸の言葉に胸を打たれた。
人の人生を追いかけていると気が紛れると言った城戸も、原誠や谷口と同じく自分のルーツや人生をどこか受け入れきれずに過ごしてきたのだろう。里枝の言葉「本当のことを知る必要はなかったのかもしれない。一緒にすごした時間ははっきりとした事実」という言葉でやっと、自分のこと、自分の選んだ妻、築いた家庭を受け入れ、向き合っていこうと思えたのではないだろうか。谷口大祐の調査を経て、彼もまた救われたのかもしれない。
そう思った矢先に、奥さまの浮気発覚。最後バーで谷口大祐の人生を語ったのは逃避だろうか。「人の人生を追いかけていると気が紛れる」という言葉の通りになってしまった。
最後にマグリットの絵「複製禁止」を映したのは、彼が自分自身を直視出来ない、受け入れられないということを表しているのだろうか。谷口や原誠がそうであったように。
妻夫木聡の、感情を押し殺した絶妙な表情の変化が素晴らしかった。激しく怒ったり泣いたりしなくても、こんなに心の内を表現出来るものなのかと。
安藤サクラの自然な演技も大好きだし、窪田正孝も可愛くて応援したくなってしまった。
亡くなった子供を思って名前を呼んでくれるシーンはぐっと来た。
柄本明怖すぎ。
最近は洋画ばかり観ていたけれど、邦画の力、役者の力を見たような気持ち。
自分の人生を捨てて、人の人生を生き直したい、そう思うほどの境遇に自分は居ないはずなのに、すごく共感できて、感情移入してしまった。
谷口大祐として生きた数年間は、原誠にとってどれだけ幸せな時間であっただろうか。
相手の名前やルーツではなく、今自分が見ている相手、一緒に過ごしてきた時間が大事だと改めて思うことが出来た。
見終わったあともしばらく余韻が残るような、素晴らしい映画だった。
違う誰かになりたいと思う。
不慮の事故で亡くした夫が実は全くの別人だと分かって、本物の男と夫が一体誰なのかを調べる話。
人は職場や学校、家庭などのそれぞれで違った顔を持つ。
周りの環境・社会に合わせるために、状況に応じて使分ける人格のことをペルソナというそう。
どの人格だって全部その人自身。
名前を変える前の鬱屈した人生も本当の夫の姿。
名前を変えて生まれ変わった夫が家族の前だけに見せる顔は本当の夫の姿。
名前を使い分けただけでそこら辺の人とやってることは同じ。
息子の「父さん優しかった」が全て。
環境や過去を潰したい人はたくさんいると思う。
家族といえども知らなくて良い真実もある。
引き寄せられる社会派エンタメ
社会派エンタメ、ミステリーとしてどんどん先が気になる映画だった。
血縁、人種だけを理由にしたレッテル貼り、迫害は絶対にあってはならないし、それから逃れたいと望む人は悪なのか?その人同士が望むなら良いのではないか?
最後妻夫木聡は窪田正孝の最後の人生を自分ごととして語る。
あるいは、妻夫木聡と仲野太賀の同意のもと名前を変え、安藤サクラと結ばれ、中学生の息子は名前を変えずに済んだのかもしれない。
蜜蜂と遠雷と比較すると、衝撃的な映像みたいなものは少なかった。
少しセリフ回しが不自然な印象はあった。
傑作。窪田正孝と安藤サクラは好演。なぞがいくつか残ったが。柄本明じ...
傑作。窪田正孝と安藤サクラは好演。なぞがいくつか残ったが。柄本明じゃなく、関西弁ネイティブの高齢者役ができる役者がいくらでもいると思う。関西弁に違和感がある。キャストで引っかかったのはそこぐらいかな。
演技は上手い
原作未読。
役者は子役含め、みんな上手い人で揃えている。ただ、この役をこの人?って言うのが幾つか有った。
それと、妻夫木の在日三世設定って要るのかなぁ。原作でもそうなんだろうし、テーマ的に必要なのは分かるんだけど、小説ならその話題の時の妻夫木演じる弁護士の内面がハッキリと出るだろうけど、映画で見ている限り、それ程かなぁと。それより、本物の谷口が消える理由(原作ではどれ位触れているのか?)をもっと出して欲しかったかなぁ。
見終わった後、ググって妻夫木が妻の浮気をLINEで知った時にスルーした理由は分かったけど、映画だけだと「えっ?スルー?」ってなってしまう。
面白かった。ミステリーとしても、演出も。
原作未読で、上映時も観そびれていたが、妹が面白かったとラインしてきて、ようやくアマゾンで観た。安藤サクラ、妻夫木聡、窪田正孝は名演で、河合優美もさすがの存在感。名前でなく、各人の存在と相手との関係性が重要というメッセージを感じた。最後のオチがおおっと思った。
アマン
2024年5月12日
映画 #ある男 (2021年)鑑賞
夫が素性を偽っていたことを死後に知った女性からの依頼で身元調査に乗り出した弁護士が、少しずつ男の正体と理由に迫る
#ふてほど の #坂元愛登 と #河合優実 が出てる!共演はしてないけど
#安藤サクラ の演技はいつ見ても素晴らしい。見入ってしまう
血と戸籍と家族
多かれ少なかれ誰もが何かを抱えていそうなテーマに共感せずにはいられない、家族と血筋にまつわる物語。失踪、戸籍の交換による入れ替わり、在日など幾重にも登場人物たちの物語を重ね、人生の何たるかを考えさせる群像劇をみせてくれる。
TVの2時間サスペンスドラマ風かと思って観てしまったが全然違った。妻夫木聡と安藤サクラが上手い。
ふと訪れる、胸にひんやり忍び寄る不幸の予感。台詞にならない心象風景をみせる演出が絶妙である。何とも日本映画らしい。
柄本明が良いスパイスになっていて退屈させない。
何か緻密に計算されたものを感じる脚本。
黄昏 ≒ 誰そ彼?
夕暮れ時の暗がりでは、人の顔が判別できず誰そ彼?と聞くことから「黄昏」という言葉ができたらしい。
人間には皆それぞれに名前があるからこそ、その存在が認められるのか?
それとも名前などなくてもそこに「在る」と言えるのか?
なら名前のない野良猫や、意志がないと考えられている植物は存在しないのか?
などと色々考えさせてくれるとても興味深い映画でした。ようするに哲学的ミステリー映画だね。
否、哲学的ミステリー映画と抽象化してしまうことでこの映画の「存在」が捨象されてしまう???★
役者が良い
Amazonプライムで観た。
展開が重い。全部が重い。
のちに戸籍を偽る事になるある男の子どもの時
家族ぐるみの付き合いがある友達を誘いに来たら、そこで自分の父親が友達一家殺してて血塗れのお金くれる
原誠がまず変えるべきは戸籍じゃなく顔だったのでは?って思った
殺人を犯したことで自分の人生すら狂わせた憎い父にそっくりな容姿がつらいのが理由だから。
そのあとに戸籍も変えたらもっと人生楽に生きれたのかなと思った
殺人犯の息子、在日だとか、そういう差別をする人達の中で必死で生きて、戸籍を変えてでも必死に生きる強い人だなと思った
どうしたって自分に流れる血から逃れることができない。
だからもういっそ戸籍を変えて、
自分を象る名前を捨てて、
血のつながりから目を背け続けた。
そして新たに自分を創り始めた。
城戸(弁護士)も
在日であることに、自分に流れる血液から目を背けられなかった。
自分をどんなに創り続けても、
貼られるレッテルから逃れられない。
それは自分でなく他人でさえもその人に流れる血液に目を向けるから。
自分が必死に自分を創っても、
他人は人を認識する時、その人に流れる血液や障害がある等を知った途端、以降その人を細胞レベルで認識し始め、その見方をなかなか曲げないし曲げる気も起こさない。
今の自分を捨てて生き直したい
その気持ちは痛い程分かる。
人を見る時に大事なのは
その人が自分にとってどんな存在だったか。
相手と自分との関係性はどうか
表面上では無く、
その人が行ってきた事実に目を向けて、愛してくれる人はかなり貴重な人
彼の血縁など、全てを知った上でも関係なく愛してくれる人に出会えたある男は報われたと思う。
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