ノー・ウェイ・アウトのレビュー・感想・評価
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造形美
ここから生きて出ることは出来ない……
メキシコから不法入国した女性が借りたアパート内で 不穏な出来事が続いている。
偽のIDを手に入れる為に、日中は工場で働いているけれど、そんな彼女の精神を追い詰めるように 悪夢が襲いかかる。
この…不法入国故に警察を呼べない…所持金もないからアパートから出ていくことも出来ない…
そのうち、管理人の凶暴な兄弟も登場して八方塞がりになってしまう。
詰まるところ、このアパートに来た者は 生贄にしれてしまうと。
弱みを握られた生贄共は、その儀式によってここから(このアパートから)出られなくなる……。
ってことなんだ。
でも、そこはさすがのヒロイン!
変な酒飲まされてワケ解かんなくても、悪い奴は成敗してくれるッ(笑)!!!
結構、ドキドキワクワクする様な展開もあり、まぁ面白かったかな。
モンスターに注力
ホラー映画の主人公は執心やわだかまりを持っている。ことが多い。そして、敵となるモンスターが、彼/彼女のなかにあるその執心そのもの──を投影していることが、よくある。
本作の主人公も母親が亡くなったことと、メキシコからクリーヴランドに移住したこと──強迫観念がかのじょをバインドしている。そのhorribleなふんいきはいい。とりわけ移民の立場が、きょうみ深かった。
あなたは他国へ移民を希望していますか?
幸福なことだが、日本人はおそらく移民の気持ちについて、この惑星でもっとも縁遠い人種だと思う。
くわえてダイバーシティ(人種に対する多様性)が欠如している日本人としては、この主人公が負う移民の境遇が、とてもわかりづらい。
(世界を知らない日本人の感覚としては)陽の当たらない地階で洋裁をして雇い主に搾取される──なんてのはアジア圏の低層階級が負う境遇である*。
映画とはいえモデルのようなCristina Rodloが隷属的労働者をやっているのは違和感があった。
*ちなみにこれはある種の差別意識もある視点だが、ほとんどの(日本人の)視聴者がそうかんじたはず──という自信にもとづいて、あえて書いた。
horribleふんいきはいいけれど見どころはすくない。すくない──というかモンスターの造形にすべての焦点がきている。本作の監督Santiago Menghini(の情報を)を見たらVisual effectsをやってきたひとで長編はデビューになっていた。よってVisual effectsの専門家としての矜持というか──たしかにモンスターのできはすごかった。
わたしが思い浮かべたのは(もののけ姫の)シシ神。強さと気持ち悪さと、わけのわかんなさをかねそなえた、いい感じのモンスターだった。
そのモンスターが主人公アンバーが負っている母親の死の強迫観念と重なるところにホラー映画の素地が据わっていた。及第なできだったが、わかっているひとがつくっていると思った。
巨大幼虫の姿が独特
主人公が変な家の住人に巻き込まれる話。
前半は全くホラーと関係無い身の上話がダラダラ続いて不要に感じた。
お金の為に仕事を頑張るけど要領が悪く、友達と思った人にはお金を騙し取られ、前金を払ってもらえるはずが払ってくれない、みたいな本当にどうでもいいシーンだった。ヒューマンドラマじゃないんだから。
後半は一気に展開が進んでホラーらしくなるものの、結局あの巨大幼虫が何だったのか分からずに終わった。
どうやらイカれた兄弟がとある目的のため、巨大幼虫に定期的に生贄を捧げているらしい。そして食われた人はその家に幽霊となって暮らす。
主人公はその兄弟に捕まってしまい、最後は脱出したつもりが実はもう幽霊になっていた?という、もう途中から見るのが億劫になってきたので間違っているかもしれないが、そんなオチだった。
巨大幼虫の見た目はサイレントヒルのような程よい不気味さがあったので、
そのシーンを楽しむだけの映画だった。
90分でも長く感じる
魔物のデザインだけはよかった。
それだけの映画。
状況説明がなさ過ぎて何がしたいのかわからん。
アンバーが不法入国者でお金に苦労している状況を説明するより
もっと重要な状況説明がいるのではないかと思う。
アパートの住人が日毎居なくなるとか、怪しげな生贄の儀式を目撃するとか
少しずつ危険な雰囲気を盛り上げるとかの演出が足りない。
なんだか唐突に管理人兄弟が襲って来るし。
魔物に生贄を捧げるとどうなるのか具体的な説明もないし。
せっかく不気味な化物をデザインしたんだから出し惜しみせず
こんなんと戦わないと行けないのか?みたいな絶望感醸し出すとかさ。
90分という短い時間中でどうでもいい演出に力を入れる余裕はないはず。
なんなんだよあのガの演出は。ガの妖怪なの?意味ありげにガがいっぱい
出てきたけどタダの雰囲気作り?
90分だったけど長く感じて眠くなった映画だった。
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