劇場公開日 2022年5月6日

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「どんでん返しオチのために伏線ばら撒きを優先してつまらない展開が続く映画」死刑にいたる病 東鳩さんの映画レビュー(感想・評価)

1.5どんでん返しオチのために伏線ばら撒きを優先してつまらない展開が続く映画

2022年5月9日
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原作者の改変オッケーもらえて映画製作者の意地を見せたくなったのか、映画は原作とは違ったオチが待ってました
ただ、そのオチに向かってストーリーの軌道を持っていくために阿部と岩田のやりとりが結局正しくは何だったのかが最後まで意味不明です
意味は分かるんですけど、辻褄が合ってない気がして何か引っかかります
手紙があるだけで岩田の証言が正しいとは限らないし、そもそも岩田はそこまで阿部の思い通りで言いなりになるものなのか……
しかも、この結末だったら阿部も17、18歳以外のターゲットも殺すことになるし、だとしたらこのストーリーの語り手としてウソをついていることになるから、結局主人公が犯人だった的な信頼できない語り手のクソ創作ジャンルに収まる駄作だと思いました
映画製作者はどんでん返しを見せたいから複雑な展開をさせますが、阿部を実在する人間だと考えた時にこんな複雑な手口を決行する必然性が全く感じられないし
そこまで殺したいなら主人公が17、18歳の時に殺しておけばいいのに
殺せなかった理由も描かれてないし
あの同級生も安部の手紙だけで主人公を殺すように行動する理由が分からないです

白石和彌監督は孤狼の血が素晴らしかったですけど、結局は脚本家の手柄ですね
孤狼の血の脚本家は優秀で、今作の脚本家は無能で、そもそも脚本がダメなら白石和彌監督がホンを直してクオリティを上げることは出来ないレベルの監督なんだとハッキリしました

安部と主人公の面会シーンがどう考えても単調なカットバックになりやすいんですが、それを色んな撮り方して飽きないように頑張って演出したのは伝わって来ました
ですが、本来は脚本の段階で冗長な面会シーンを短く短くしないとダメなんですよ
主人公が関係者に会いに行って新たな証言を得る、回想で観客に説明する、その繰り返しで伏線撒いて脚本家のご都合で結末に向かっていきますが、その構成からしてダメな刑事ドラマと一緒で最低なんですよね
一時間の刑事ドラマを薄めて二時間の映画にしたみたいな内容でメチャクチャ退屈でした
あと、主人公が阿部の言いなりになって事件を捜査し直す動機が、秘密が明らかになる途中までありません
主人公にモチベーションが無いまま、脚本家のご都合で捜査して情報がばら撒かれるだけなので途中までストーリーとドラマが無いですよね
本当に酷い脚本でした
この脚本家は映画界では売れっ子のようですが、本当にレベルが低いです
これからこの名前が脚本にある映画は見ないようにします

東鳩
ヒロキさんのコメント
2022年5月25日

わたしもそう思います。

ヒロキ