「劇場にいたる病」死刑にいたる病 alphaさんの映画レビュー(感想・評価)
劇場にいたる病
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櫛木理宇の原作小説を白石和彌が実写化。
期待値は最初から高かったし、案の定観賞して満足した。
ちなみに、原作は未読のため、比較は出来ない。
映画として文句ない。
スプラッタ系が苦手な人には一部見るに耐えないかもしれないが、サイコサスペンスとしては良作。
ストーリー、撮影、演出、演技、音楽どれも文句なく調和しており、これが映画だなぁ、としみじみ感じた。
始めのシーンで阿部サダヲが河に撒いている「ソレ」の意味に終盤で気づかせる演出はホラーとして秀逸。
岡田健史と阿部サダヲの演技も秀逸で、現状に鬱屈した大学生と、マインドコントロールに長けた猟奇殺人犯を見事に体現している。
岩田剛典も演技はそこそこだが、彼である必要があったのかは謎。正直、終わりまで、どこに出てたのか気がつかなかった。
あえて個人的な願望を言うとすれば、重厚感のある作品ではあるものの、あくまでもホラーエンタメ作品で終わっている点がもったいないか。
観客に訴えかける何かしらのメッセージがあっても良かっし、ソレだけの説得力を備えている映画だと思った。ただのリアリティのあるエンタメという括りに収まるのはもったいないと感じた。
エンタメ映画が悪いものでもないのだけれど。
最近のジャンクな映画に飽きた方は、劇場にいたる病に罹って、観賞することをおすすめします。
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