「精神的かつ猟奇的な恐怖の時間でした…」死刑にいたる病 さくらんさんの映画レビュー(感想・評価)
精神的かつ猟奇的な恐怖の時間でした…
こちらの作品の原作読んでませんが、きっと相当怖いでしょうね。それを白石和彌監督が丁寧にお料理されまして、また酷たらしい描写がお得意ですから、目を背けたくなるような恐ろしさが最初から最後まで、途切れる事なく続きます。全くウトウトなんてありませんでした。
まるで観ている私達までがどこまで、榛村の仕組んだ巧妙な計画や根回しなのか、途中でここが伏線繋がったと思ってもあら、違ったんだと騙されたりでストーリー展開が見事ですね。
そして、何より怖いのは阿部サダヲの感情の映らない目。人に近づこうと距離を狭めてくる時の優しい話し方とそういう時の目とまるで違う。岡田くんも大人になったし、立派になりました。拘置所で榛村と対峙してたラストの方は、目に鋭さと絶対にコントロールされないという意志の強さを感じました。
あと、岩ちゃん、イケメンが汚れ役をやるのは大いに賛成です。役の振り幅どんどん広げてほしいです。それと、雅也の母役の中山美穂さん、あのお母さんの口癖が彼女の人生を表してますよね。不幸そうな雰囲気もよく出てました。
それでラストであっ、ここまで彼の手は来てたかと最後に震えました。ってなことで、大変恐怖を感じた興味深い作品でした。
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