余命10年のレビュー・感想・評価
全336件中、261~280件目を表示
20代という人生の輝くべきときを死と隣り合わせで過ごした原作者の想いを、感性豊かにくみ取り、繊細に表現した作品
まず、何度も繰り返される満開の桜のシーンが、
藤井道人監督の原作者を優しく見守る眼差しのように感じられ、印象的だった。
圧倒的な美しさで咲きほこる桜の力強さと、
はらはらと風に散るはかなさが、茉莉に重なる。
そして、茉莉の時間が止まっても、
桜は春がくると同じように満開に咲き、時を刻み続ける…
主演の小松菜奈と坂口健太郎もよかった。
最初、二十代の女の子がこんなにも達観したように
過酷な運命を受け入れられるものかと思ったが、
終盤、こらえきれず「死にたくない」と母親に泣きじゃくって押し殺してきた感情をぶつけるシーンには、泣いた。
小松菜奈の繊細な演技は素晴らしかった。
坂口健太郎も10年という時間とともに人間として成長してゆく和人をうまく表現していた。
RADWIMPSの野田洋次郎も、彼の鋭い感受性で、見事にこのストーリーを1つの曲として表現していた。
エンディングが沁みたー
余命を知らずに生きることを許された者たちは、だからこそ、1日1日を大切に生きる責任があるのかもしれない。
美しい映画だった。
二人の人生の差異が化学反応を生む名作!
この二人のポジションが全く違います。ヒロインは生きたくても10年しか生きられません。坂口は人生に生きることを放棄したいと自殺未遂をします。逆の境涯がぶつかり合って、人間らしい化学変化を起こしていきます。まさに成長物語の典型です。ヒロインは20歳で100万人に一人しかかからない難病に見舞われます。過去映画の「10万の一」に似たシェチューションです。そして余命10年ですから、その悲壮感はズシリと迫ってきました。それでも、私たちの人生を考えれば、健康であっても若い人は余命60年と言えるし、高齢者だったら余命20年かもしれません。ですので、作品を見る方は、自分に置き換えられる部分もあると感じました。ただ、10年は人生を凝縮しているという意味では、より濃密で美しいのかもしれません。いつも思うのは早死にする人は、80年生きる人よりメンタルが強く生まれているということです。でなければ、早死の人生に耐えられるわけがありません。スタートは鮮やかな桜が見える病室から始まり、ラストも桜のシーンでエンドします。まさに桜の艶やかさを、人生とクロスさせているような気がしました。登場する役者さんたち、全員が見事に顔だけで演技しているのが、この映画の見どころでしょう。一番泣けたのは、ヒロインが「生きたい。もっと生きたい」と叫ぶシーンです。小松の真骨頂でした。
心疾患の当事者です。
どうしてもレビューが書きたくて登録しました。
原作は以前読んでいて、原作よりもさらにリアリティあふれる作品になったように思いました。特に主人公の気持ちや表情はそれ相応の病への知見がないとあそこまで表現できないと思います。時々主人公が漏らす嘆き以外に心の声がないため、曖昧な部分や登場人物たちの感情の揺れが理解し難いところがあると思いますが、逆に10年をスッキリと2時間に収め、それでいて考え深く纏めていると思います。現実に近づけた結果なのではないでしょうか。また、時の経過を1人一役でやり遂げるメイク、映像の技法も素晴らしいです。薬や病院の器具も主人公の病で実際に使用される物で、それを知っている身としてはゾワゾワしました。
私もまだ20代ですが長くは生きられないようです。命の宣告はされていなくても、情報にあふれる世の中で自分の病を調べ、落胆しすぎるわけでもなく、終わりが見える人生をただ必要最低限の人との繋がりで完結させようとしていました。色々あって結婚も就労もしていますが、術痕さえ見えない服を着てしまえばまだ社会に溶け込めるので、病のことは本当に必要な人にしか告知していません。映画がただのフィクションではなく、現実にこのような人もいるんだなと、この作品がいろんな人の心に少しでも残ってもらえたら嬉しいです。
これも連ドラの様にじっくり観たい作品
普通の人生がどれほど幸せか
新海誠かよ
不治の病という、ありがちなテーマだが、期待をはるかに超える、美しい作品に仕上がっている。
とっても共感しました
泣きました
そんなのずるいよ
4回くらい泣いた、笑
ストーリーとしては想定内だけど、なんかもうせつないですなぁ。。亡くなることがわかってる中で頑張って強く生きる姿と、それを周りで見守らなければいけない家族、そんな子を愛した男。みんなの気持ちが苦しくてせつない。
10年の中で描かれる色々な小松菜奈と、さまざまな日本の四季を感じさせてくれる映像がとても綺麗でした。
安心感抜群のキャストでしたね。誰もが主役はれるメンバーばかりで素敵だった。小松菜奈はもちろん、坂口健太郎の子犬っぽいかわいさからの男らしい成長。黒木華や奈緒とかの涙もろもろ安定感抜群でしたー。山田裕貴にもうちょい活躍の場を与えて欲しかったなぁ。原日出子、松重豊、リリーフランキーなどの世代もほんとにあったかい雰囲気でみんな素敵でした。
ちゃんと生きないとな。
新記録達成
一人一人の言葉が響くハンカチ必須の物語
綺麗
当事者か、残される側かどちらが幸せなのか
原作とは似て非なり。
3年ほど前本屋でふと目に入ってなんとなく買って読んでみた。結果、視界が歪むほど大号泣した。絶対映像化されるだろうと思った。そしていよいよキャストも発表になり、小松菜奈のコスプレや坂口健太郎の和装に期待しながら公開を迎えた。これはヴィジュアル的に見たいというのもあるけど、原作においては2人の設定上大切なポイントです。でもそんなシーンなかった。印象的だった場面や出来事がことごとくなくて、もはや原作とは別物のように感じた。
だいたい2人のキャラがだいぶイメージと違う。これは茉莉と和人の物語なのに和人の要素が薄過ぎる。家との確執とかすっ飛ばしてるやん。いや、いや。商業化し過ぎで正直残念。リリーフランキーありきなのか焼き鳥屋とかいらんかったわ。
RADのファンってこともあり、音楽は最高でした。20代の女性が余命10年を宣告されるなんて残酷ですよ。たまんないです。「死ぬ準備はできた」と言えるようになるまでどれ程の絶望や葛藤があったのか到底計り知れない。精一杯生と死に向き合った小坂流加さんの魂を込めた大切な作品なのでもっと原作に寄り添ってほしかったな。
全然もう一回見に行ける
全336件中、261~280件目を表示