リスペクトのレビュー・感想・評価
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アレサ・フランクリン氏を知らなくてもパワフルな歌とドラマで十分楽しめる
アレサ・フランクリン氏のことはまったく知らず、映画を見てバラエティ番組で使われている音楽はこの人の曲だったんだというぐらいの知識でした。「ドリームガールズ」のジェニファー・ハドソン氏主演の音楽映画ということで期待度があがりますが、ドラマ部分も歌も十分楽しめ、期待以上に楽しめます。いい意味でずるい最後のくだりにはホロッとさせられました。
男たちの支配への反旗のうた。
どんな伝記映画もそうだが、ひとりの人間の人生を2時間から3時間に収めることなんて不可能だ。しかしエッセンスを抽出して、その人にとって重要な一面を、ひとつの物語にすことならできる。この映画も、アレサ・フランクリンの波乱万丈な人生を、とりわけ古い家父長制や男尊女卑への反抗と反骨を軸にして脚色している。
最大の見どころは中盤の、マッスル・ショールズの白人ミュージシャンたちとのセッションから曲が生まれていく過程だと思うが、それも音楽を奏でる喜びだけでなく、男たちに突きつけるNO!が形になっていく過程とシンクロする。
しかし一度成功を収めると、一家を支える者として、アレサ自身が家父長制の権力者のようになっていく。この映画の物語ではアレサ自身が道を見失っていると気づいて、奇跡の復活劇へとつながっていくわけだが、映画としては停滞気味になる後半をちゃんと描いていることは、本作にとってとても重要だったのではなかろうか。
あと伝説のシンガーを演じきり、歌いきろうとするジェニファー・ハドソンの気迫と覚悟も素晴らしいです。ブラボー。
アレサの生きざまと、ジェニファー・ハドソンの歌心。二人の縁もドラマティック
日本の映画ファンがジェニファー・ハドソンの存在を知ったのは2006年の「ドリームガールズ」だったが、2004年にオーディション番組「アメリカン・アイドル」に出演したことが彼女のキャリアの始まりになったようだ。その後ジェニファーは公演旅行中のアレサ・フランクリンを訪ね、アレサがそれまでコメディアンしか使わなかった前座で歌うことを認められたとか。ジェニファーの才能を早くから見抜いていたアレサが、自身の伝記映画の企画が立ち上がるとジェニファーに直接会って「自分を演じてほしい」と伝えたというから、なんともドラマティックではないか。
さて映画では、もちろんアレサの代表曲をジェニファーが素晴らしいパフォーマンスと魂のこもった歌で聴かせてくれるのだが、10代での出産(かなりぼかしてはいるが)や夫からのDVなど、アレサの人生における“影”の部分も踏み込んで描いている。
著名な牧師だった父親との複雑な関係性や、キング牧師との特別な絆など、本作で初めて知ったことも多かった。今年5月にドキュメンタリー映画「アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン」が日本公開されたが、「リスペクト」の鑑賞後にあの教会ライブを観るとまた違う感慨がありそうだ。
Feminist Music Tale Impactful on the Big Screen
From the look of the trailer, Respect might seem easy to write off as another musician's biographical film that if not familiar with the music won't digest well. But the struggle in Franklin's life makes the film a suitable piece for this age. Haunted by a pregnancy in adolescence, she battles an abusive marriage and alcoholism as an adult. It's funereal in tone, but her battle is inspirational.
☆☆☆★★(ちょい甘) 映画本編が始まると、画面に登場するのは黒人...
☆☆☆★★(ちょい甘)
映画本編が始まると、画面に登場するのは黒人俳優ばかり。
一瞬、多くの黒人専用ミュージカル映画の『ストーミー・ウェザー』や、『キャビン・イン・ザ・スカイ』といった名作タイトルを思い出す。
そんな快調に進んで行くオール黒人ドラマの前半。
序盤からちょこちょこと親子の関係に不穏な匂いを漂わせながら、やがてその確執が表沙汰になる。
しかしながら、、、
「女王様の歌を女王様の前で歌うのかい!」
まるでプロレス社会での《御法度》を思わせる場面や。その後なかなか芽が出ない辺りは、まるで団体を渡り歩くレスラーあるあるを彷彿とさせ、観ていて面白かった。
ここで始めて白人のミュージシャン達が登場。
正確な譜面を奏で、完璧に決まったリズムで歌わざるを得ない状況から。アドリブを重視したレコーディング。彼女の内にある魂の解放を促す演奏で、本来の彼女の姿が浮き彫りになる辺りが(個人的にはですけども)この作品のピークだったかなあ〜と思います。
その後の栄光の日々を挟んでのアルコール依存等のドラマは、伝記作品として描かざるを得ないとは言え、特にどうこう言うモノでも無かった様な…と言ってしまっては元も子もないか。
この辺りの後半部分が、作品としては1番盛り上がるところではあるのですが、観ていて今ひとつと言ったところでした。それでも、ドキュメンタリー映画『アメイジング・グレイス 』のレコーディング風景を描いた部分は見応え充分でした。
作品のエンディングでご本人の姿が。勿論、伝記作品としての本質があるので、当然って言えば当然なんですけども。
でも、、、
ご本人が画面に映ったその瞬間、一瞬でスクリーンには後光が射した。
その人間的な魅力が溢れ出る表情に魅入られてしまう。
作品中には感じなかったその思い。決して主演のジェニファー・ハドソンに罪はない。自身のプロデュース作品でもあるし、何よりも伝説と言っても差し支えない、アレサを演じるにあたっての体当たりの演技。
申し訳ないのですが。エンディングに映るご本人を眼にしてしまうと、「こりゃもうYouTubeを漁るしかないぞ!」…と。
それを言っちゃ〜お終いよ…ではありますが💧
2021年11月7日 TOHOシネマズ錦糸町楽天地/スクリーン12
アレサ・フランクリン好き
学生の頃からなぜかアレサ・フランクリンの歌が好きで、良く聴いていた。彼女の生い立ちなど全く知らなかったけれども、伸びやかな高音の奥にある少しハスキーで影のある声が好きだった。
この映画を観て、その成り立ちを理解することができたと思う。素晴らしい映画です。
悪い虫
才能ある女性を支配しようとする能ない男がしゃしゃり出て潰そうとする。こういう伝記ものではよくある。腹立たしい場面だが、そういうのが無いと映画として成り立たないのかな?女性同士の支え合いは反目しながらも力強く頼もしかった。歌唱は素晴らしかったし、エンドロールは圧巻。フォレスト・ウィテカーさんの最後の表情が良かった。
驚くべき恵み(Amazing Grace)
大好きなアリーサ・フランクリン("アレサ"じゃねえだろ。リーって呼ばれてるんだし)の伝記映画。
楽しみましたが、やっぱり歌が本物には全然かなわないのだ。音源は本人の歌唱にしてそれに当てるという風に作れなかったものか。エンドクレジットで本人歌唱が出てくるが圧倒的な差に驚く。(2015年のキャロル・キングトリビュートコンサートの映像らしい。晩年なのに凄い歌唱だ)
”リーリーリーリー(アリーサの愛称:RespectのReと語呂合わせ)”とか”Just a little bit”とか、妹たちと一緒に合いの手を考えていく、名曲"Respect"誕生のシーンは最高に楽しかったですね。私は彼女の栄光しか知らなかったが、生い立ちとか旦那のDVとか父親との確執とか酒に溺れていたこととか結構暗い部分もあったんですね。公民権運動に力を入れていたのは知っていましたが、キング牧師とも昔から本当に近しい関係だったのも初めて知りました。勉強になりました。
有名な、教会での「Amazing Graceライヴ」制作の裏側が知れたのもとても良かった。
クラプトンの伝記映画に「アリーサ・フランクリンにブルースギタリストとして認められた」ってシーンがあって、白人なのにクラプトンはさすが凄いんだなあって思っていたが、そのころアリーサは白人のバンドを従えて歌っていたんですね。これも私には新発見。この白人バンドと曲をブラッシュアップして完成度を上げていくシーンも素晴らしい。音楽家の映画のこういうところが好きだ。
主演のジェニファー・ハドソンの歌唱力が素晴らしい
マッスルショールズでのレコーディングセッションの場面で、Duane Allmanと共演したThe Weight演奏がなかったのが心残り。アレサの生涯を知ることが出来てよかった。
リスペクトしているのだが…
個人的には、かなり期待してた作品。そもそもアレサ・フランクリンが好きだし、「ドリームガールズ」でジェニファーハドソンの歌声も素晴らしかったので。ただ蓋を開けてみると、ただただ年表をなぞったような、薄さ。同じ伝記ものでも「ロケットマン」や「ジャージボーイズ」と違い硬派に描きすぎてるのかも。黒人差別の問題を描くならそちらに重きを、エンタメに特化するなら歌を。両方あってアレサだというのはわかるのだがそのせいで薄くなっては意味がないと思う。
R-E-S-P-E-C-T
黒人女性から叩きつける理不尽へのソウルな叫び。心の底に溜まった沈殿物が音に誘発され、体から声を介して吐きでてくる。周りはその生理を見ているしかない。製作過程を見せることで音楽への理解が進む。実に手際がよい。
記憶からも消してしまうトラウマとの葛藤。映像的にも記憶を消し、そしてバックフラッシュをかける巧みさ。技巧的にも感じるが、これも女性が置かれた境遇。彼女の父を現代的に読み解くのは困難であるし、1人ならばいざ知らず、2人もとなれば、その闇は深い。
公民権、巡回説教、地方と都市、FAMEスタジオの白人ミュージシャンなど情報多数。本筋である彼女のアメイジンググレースに行き着くストーリーは外していないが、拾いすぎて集中力は欠いた感じがあった。
ジェニファーハドソンは、アレサに似せるよりも自身を通したかな。そうしてくれた方が気にならないが、歌い手としての二人の違いは明確になったかな。
素晴らしい歌唱
アメリカの国民的歌手アレサ・フランクリンの自伝的映画で、アレサ本人から指名されたジェニファー・ハドソンが演じている。
公民権運動の闇、父親や夫との確執、スターの孤独等々、アレサが歩んできた人生はなかなか厳しく、スターの自伝的映画を観る度に、天才って大変なんだな~と思う。
ジェニファーの歌も音楽も素晴らしく、これがアレサ本人だったのだから多くの人々が引き込まれること間違いなしなんだろうと感じた。
けど、宗教的な色合いの濃い映画を観る度に、無宗教の私には「信仰と人生のリンク」はほぼ理解不能。
素晴らしい歌唱を堪能し、アメリカの人種差別に思いを馳せただけだった気がする。
それでも立ち上がり、私は歌う!
アリサ・フランクリンの半生を描いた映画です。
声量のある美しい高音。
ヒット曲「リスペクト」では
…………もっと私(女性)を尊敬して敬って…………
と、歌い、
また「ナチュラル・ウーマン」では、
…………あなたは感じさせてくれる、私が自然な女性のように……………
と、歌う。
アリサの、女性の生の心を、素直に歌った曲には共感しました。
(今でも彼女の楽曲は、女性解放運動のシンボルとして有名だそうです)
アリサ・フランクリン(1942年~2018年)
演じるのは美しい声と歌唱力で定評のあるジェニファー・ハドソン。
数々の名曲を熱唱しているのも嬉しいです。
トップ・シンガーになるまでの苦労話や、
夫でマネージャーのテッドのDVに苦しんだ結婚生活と、
アルコール依存症に苦しんだり、
私生活では苦労が多かったアリサの半生。
牧師の娘に生まれたから、信心深くて、神は隣にいつもいました。
父親(フォレスト・ウィテカー=存在感たっぷりの好演)も「黄金の声」と呼ばれたシンガー。
マーティン・ルーサー・キング牧師の後援者でした。
アリサもキング牧師の支持者だったので、彼の暗殺には深く悲しみました。
公民権運動にも関心が高かったし支援もしました。
本当にアリサは強くて明るい女性。
(12歳で出産した4人の息子のいるシングルマザーです)
(この間の事情、映画では詳しく触れず、匂わす程度に留めています)
そんな波瀾万丈なアリサの、
前向きな歌声を聞くと、本当に励まされます。
だからいつまでも愛され聴かれ、歌い継がれているのでしょうね。
ゴスペル・ソングは彼女のルーツ。
彼女の歌う「アメイジングレイス」
力強く伸びやかで素晴らしかったです。
FREEDOM〜!!
好きな映画の一つ「ブルースブラザーズ(1980)」に彼女が出演しており、“Think”を披露していた、名曲。
(続編のブルースブラザーズ2000にも出演)
その時は彼女がビッグアーティストとは知らず、粋な姐さんぐらいにしか感じなかった。
(実際映画公開当時は彼女は落ち目時期だった)
絶頂期の教会ライブ(1972)で終わっているので、ブルースブラザーズに出演する経緯なども知りたかった。
アレサ・フランクリン(1942〜2018)には4人の子があり、全て父親が違う。
長男クラランス・フランクリン(1955〜)
次男エドワード・フランクリン(1957〜)
三男テディ・リチャーズ(1964〜)
四男ケカルフ・カニングハム(1970〜)
長男の生年を見ればわかるが、彼女が12歳の時に出来た子である。早熟だったのだろう。若い頃の写真を見ると割とグラマラスなので、男好きする身体なのかもしれない。(その点では演じたジェニファーハドソンにどことなく似ているかも)
妊娠時や出産時それなりに苦悩や葛藤があったかと思われるが、あの父親の反応とかも見てみたかった。(映画ではぼかしてはいるが)
育児の苦労など強い母親としての面も描いてほしかった。
4人の子達の現在も追ってもらえたら★プラス1だった。
2022年 86本目
この人のことはすみません。よく知りませんがそれでもジェニファーの歌唱力や演技は素晴らしい。
フォレストの父親役も◎
成功をおさめた人でも過去大変な思いをされてる方多く栄光と挫折などの映画も多く観てきましたが
この作品も観て損はありません
タイトルなし
父親が牧師で母親もゴスペル歌手で、歌うのには幼少の頃から慣れ親しんだ方だったんですね マーティンルーサーキングとも親交あったとは!デトロイトで黒人、なんて思ってたらやっぱりモータウンレーベルちらっと出てました しかしなぜかコロンビアからデビュー マネジメント、音楽の方向性で揉めるのはどうやらスーパースターの必ず通る道らしい R&Bならアトランティック、アリスタだってば、そりゃ上手くいかんがな
教会でも、セッションでも即興?で演ってるのが凄い 自分はフリーダムみたいなノリの曲が好きなのですが、最後のアメイジンググレイスは感動的でした。最後の教会でのライブ収録映画も有るので是非セットで
ソウルのうた
“ソウルの女王”アレサ・フランクリン。
ドキュメンタリー映画にもなり名前くらいは聞いた事あるが、知ってるのはそれくらい。またまた自分の無知をさらけ出すようだが。
代表曲は?…と問われても、曲名が出てこない。しかし、劇中で披露した歌を聞いたら、知ってる知ってる! 『ベスト・フレンズ・ウェディング』やバラエティー『スカッとジャパン』で聞いた事ある。
アメリカ音楽史上、最も偉大な黒人女性シンガー。
圧倒的な歌声とそれを通じて、自由への道を切り拓いた波乱に満ちた人生。
その渦中で誕生した名曲の数々。
2018年に亡くなるまで多大な功績を記した。
アレサを演じるには、演技が出来、歌が歌えなければならない。
その条件をクリアしたのが、『ドリームガールズ』のオスカー女優であり、グラミー賞受賞シンガーでもあるジェニファー・ハドソン。
彼女自身もアレサを“リスペクト”し、生前中も交流あり、アレサ本人から自身の役に直々に指名。
『ドリームガールズ』後、正直役者としてはスランプが続いていたが、新たな代表作誕生と言っていいパフォーマンス。
入魂の熱演、さすがと言うべき圧巻の歌声。
それらが心を揺さぶる。
オスカーにノミネートされなかったのは残念。(今回の主演女優賞レースは強力ライバル多かったからね~)
幼い頃から歌う事が好きだったアレサ。
その原動力は、“ブルースの女王”ダイナ・ワシントンと、ゴスペル・シンガーであった母。
牧師で公民権運動活動家の父の教会でゴスペルを歌い、天才少女として注目を浴びる。
父の下で歌い続けていたが、束縛する厳格さと活動に利用される事に疑問を抱き、父との間に溝が…。
父の下を離れ、マネージャーのテッドと結婚。
が、彼はDV夫で、彼もまたアレサの名声を利用するようになり…。
その歌声は人々を魅了し、彼女の名声もうなぎ登り。その背景で…、
父との確執。
DV夫と決別。
プライベートは苦難続き…。
歌手としても当初は五里霧中。
自分は何を歌いたいのか、何の為に歌うのか。
体現し、そこから生まれた名曲たち…。
大切な人々との死別。
幼い頃の突然の母の死。
父を通じ交流のあったキング牧師。彼の暗殺。
(父も1979年に凶弾に倒れ1984年に亡くなるが、本作は1972年のゴスペル・アルバム製作とコンサートまでで、そこまで描かれない)
光の部分は氷山の一角。陰の部分にこそ、“アレサ・フランクリン”の本当のドラマがある。
一本の映画としても豊富なエピソードばかり。
とてもとても2時間半に収まり切れないくらい。
そうなのだ。
数々の逸話をただ並べ語った、残念ながらよくあるレジェンド・シンガーのステレオタイプの伝記映画の域を出ていない。
アレサ・フランクリンを知らない人には教科書として見易いが、これまたそう、教科書通りのような作り。
お行儀よく作り、あっと驚く趣向や斬新さは感じられない。
アレサ自身のエピソード、ハドソンの熱演はいいのに、演出や脚本が平凡過ぎて、名作になり損ねた。
だが、アレサが歌を通じて歩み闘った真実は胸に迫る。
黒人たちへの差別や偏見。虐げられる同胞たちへ。
女性たちへのエール。まだまだ男性上位の社会の中で立ち上がる。
そして、自由を求める者たちへ。
魂(ソウル)の歌を捧げる。
差別は続くよ‼️❓どこまでも‼️❓
実話ですが、ドラマチックでないのはそのままですから、ある意味、好感が持てます。
才能は差別を超える、感服しましたが、今ひとつわたしにはあまり入り込めませんでした。
歌にしろ、演技にしろ、かなり念入りにつくられていることにはリスペクトを感じました。
感動は🥺あまり無いのは、自分に才能が無いからでしょうか。
でも、良い映画、良い音楽を作ることには、常にリスペクトを持ちたい、そう思いました。
地味ですが、高品質の映画を🎞🎟🎬🎦是非。
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