「【1941年、圧倒的戦力差の中、モスクワに向かうナチスに立ち向かった若き士官候補生、看護師達の決死の姿を、友情、愛を絡めて描いた作品。彼らの”ロシア魂”を描いた、決して戦意高揚映画ではない作品。】」1941 モスクワ攻防戦80年目の真実 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【1941年、圧倒的戦力差の中、モスクワに向かうナチスに立ち向かった若き士官候補生、看護師達の決死の姿を、友情、愛を絡めて描いた作品。彼らの”ロシア魂”を描いた、決して戦意高揚映画ではない作品。】
ー 1941年10月、ナチスドイツのモスクワ進行を食い止めるために、旧ソ連が敷いたイリンスコエ防衛ライン。
圧倒的劣勢の中、送り込まれた若き士官候補生、看護師3500人のうち、2500人が、尊き命を落とした激烈な戦闘を描いた作品。
序盤の、士官候補生ラブロフと看護師マーシャの恋。マーシャの幼馴染で、ラブロフとも友人のディミトリの士官学校で、楽し気な青春を送る姿と、後半の苛烈なシーンの対比が、”戦争は絶対に行ってはいけない”と言う、当たり前のことを再認識させてくれる作品でもある。ー
◆感想
・序盤は、やや凡庸である。
登場人物も多く、上記3人以外は掘り下げが浅い為、作品に深みが出て来ない。
だが、ラブロフと看護師マーシャ、ディミトリの関係はキチンと描かれている。
・物語が動き出すのは、彼らが、ナチスドイツとの闘いの最前線に駆り出される所から、一気に引き込まれる。
- 只、今作では只管ソ連軍目線で描かれる。
ナチスは、圧倒的武力を持つ悪役(実際に絶対悪なのであるが、)今作とほぼ同テーマを取り扱った傑作「T-34 レジェンド・オブ・ウォー」では、ドイツ将校を気概ある男として描いていた。
あの映画を3度観たモノにとっては、どうしても比較してしまったのである。-
・イリンスコエ付近での、空爆や、戦車戦、塹壕戦などは、凄い迫力である。そして、次々に斃れていくソ連の未来を担うはずの若者達の姿。
- ロシアだから、火薬をバンバン使用したのではないか・・、と邪推してしまう程の迫力である。ー
□激戦の中、ディミトリが銃撃され、必死に手当てをする看護師マーシャとの幼い頃の思い出を語り合うシーン。
その横では、向かって来るドイツの戦車に対し、大砲で対抗するラブロフと、出征前に息子と別れを告げた中佐が、決死の一発を打ち込むシーン。
ここは、沁みたなあ・・。
<ロシア国防省が、当時の各種文書を開示し、イリンスコエの戦いを再現した、”ロシア魂”溢れる作品。
しかし、”独ソ戦”で、多大なる死者を出したのは、ソ連である。
現在、ロシアを統べる不老の男には、その事実をキチンと理解し、二度と戦争を起こさないで貰いたいモノである。
この作品が、ロシア国内で、”戦意高揚”映画にならない事を、願うばかりである。>
こんばんは。
私もT34と比べてしまいました。
あのソ連兵は強靭な忍耐力持ってましたから。それとあっちはドイツ兵もちゃんと顔が出てたけど、この作品は絶対悪でしたね。
そこはちょっと不満でしたが。
ではまた。
NOBUさんへ
リアルタイムでフルネームは出て来ませんけど、分かりますw
ラブロフたちがドイツ軍を迎え撃った火砲は、M-1937 45mm対戦車砲(53K)。ドイツ軍野営地を壊滅させたロケットは、BM-13カチューシャ。これは滅多に見れないので萌えポイントでした!