「天才を世に送り出した後に、親は何をする冪なのか。」信虎 YAS!さんの映画レビュー(感想・評価)
天才を世に送り出した後に、親は何をする冪なのか。
前半はあり得ない位に 何もかも、最下級に値する”酷い愚策D級映画”として始まる。
撮影も酷い。特にスロー画の扱い等においては、本作を鑑賞している すべての者の瞳孔が開いてしまうのではないかと思う程だ。
しかし中盤になるにつれ、主演:寺田農さんの存在感ある名演技に助けられ、作品としては持ち直す。
撮影は”準どり”だったのでしょう。LOL
時代映画ではいつも気に成る”わだち”
今回もしっかり 気を使わずに見事映り込んでいました。
公開後でもいいからCGで消修正してほしい。
題名から、この映画は 甲斐を統一した日々を描くのか?
それとも 家督を奪われた事変を中心に親子の葛藤を描くのか? と予想していたが、
信玄なき後の信虎の苦労を題材に描くとは
素晴しい目の付け所です。
日本そして世界の”老齢化社会”を迎えるにあたって、
隠居ではなく、第二の現役として
自分の人生をどう迎えるかというテーマに切り込んだ良い映画となった。
和菓子・ようかんで日本一著名である「株式会社 虎屋」が信虎の末裔の会社と匂わせるのはすごい落ちだった。
概ねの考証はよく、信繁公の母衣がでてきたのは嬉しかった。
裏側ではなく、表では何が起きていたのかを考える意味でも、黒沢監督の「影武者」をまた観たくなった。
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