「清々しいまでのバカバカしさ」翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて 泣き虫オヤジさんの映画レビュー(感想・評価)
清々しいまでのバカバカしさ
前作、バカバカしくも結構面白かったので今回も観賞。
【物語】
麻実麗(GACKT)や壇ノ浦百美(二階堂ふみ)をはじめとする埼玉解放戦線の奮闘によって通行手形制度が廃止され、東京都民からの迫害から解放されて3年。 埼玉は求めていた自由で平和な日常を手に入れたはずだったが、埼玉県民の心はバラバラで、埼玉県内の分裂が見られ始めていた。
麻実麗は埼玉の心を再び一つにするための策を考え、「埼玉に海を作る」という壮大な計画をぶち上げる。 そのために、和歌山の白浜から美しい砂を手に入れるべく盟友千葉から船を借り、埼玉解放戦線の部下達を連れて和歌山を目指して出航するも、和歌山沖でひどい嵐に見舞われる。
幸運にも彼らは和歌山の白浜に打ち上げられたのだが、そこは大阪に占領されていた。かつて関東全域が東京・神奈川に支配されていたように、近畿地方は、大阪を中心とする大阪・京都・神戸連合に支配されていたのだった。麻美麗の部下達は大阪に捉えられてしまう。
近畿の現状を知った麻実麗は白浜で出会った滋賀解放戦線リーダーの桔梗(杏)と共に打倒大阪に立ち上がる。
【感想】
本当にクダラナイ。
爆笑の連続か、というとそこまで笑えない。
ただただバカバカしい。
しかし、中盤まで観ていると、段々感心して来る。
バカバカしさに手を抜いてない!
どこまでもやり抜いている。
例えば、中盤にとある物を秘密裡に製造している大阪の秘密施設で、とんでも無く変で、無意味な踊りが披露される。 これなんか正に
「そこまでやる!?」
吹き出しはしなかったが、思わずにやけてしまう。
俺が映画を観ていて、一番腹が立つのは「面白い」「面白くない」以前に手抜きの作品だ。いかにも「俺こんな作品やりたくなかってけど、クライアントから言われたので、テキトーにやっときました」を感じる作品。「こっちは金払って観てるんだから真面目に創れ!」
となる。
それに比べて本作は、手抜き無し! どこまでもバカばかしさを追求している。作品愛すら感じる(笑)
作品が進むにつれて不思議と「おお、良くやった!」という気持ちが高まってしまった。
ここまでやれば拍手である。
一応「バカバカしさ」以外の感想。
役者では、GACKTは前作に引き続き、作風とのミスマッチがなんとも言えず良いが、今作のMVPは大阪知事役の片岡愛之助。 伝統の歌舞伎界の役者が良くぞこのバカ演劇につき合いました!(笑) 最高でした。
一方残念だったのは、前作は現代パートの親子キャストが変わってしまったこと。前回はこの3人(ブラザートム, 麻生久美子, 島崎遥香)も奮っていたのだが、新キャストは前作の3人が醸した空気に及ばず。
念には念を入れて最後のひと言。
この作品はどこまで行ってもバカバカしさしかありません!
くれぐれもそれを踏まえてご鑑賞あれ!(笑)