劇場公開日 2021年10月16日

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「軽い気持ちで動画配信するリスク。」プリテンダーズ 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0軽い気持ちで動画配信するリスク。

2025年5月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

2023年に起きた回転寿司チェーン店で
客の高校生が醤油差しや湯呑みを舐めて、どの動画が拡散した事件を
思い出しました。
高校生は店に訴えられて6700万円の賠償金を請求された。
この額は見せしめのものだったらしく、実際には100万円程度を
高校生側は支払って治ったようだ。

引きこもり高校生のカリン(小野花梨)は、
「ゴッホ」になりたい・・・、自分を世界から認めてほしい、
などの承認欲求が肥大して行く。
コロナ禍の鬱屈した状況を打開すべく、憂さ晴らしに
手取りは早く、他人を欺いて、親切に接する人の好意を撮影した
動画に取りそれは拡散する。
徐々に動画はエスカレートして、
血を吐いて倒れる人物を模倣したり、
その男が起き上がってゾンビに変わったり、
徐々に愉快犯のようになっていき、
再生回数が増えることが生きがいになっていく。
実際に「プリテンダーズ」の動画は有名になっていく。
しかしカリンのスポンサーとも言える親友のフーコ(見上愛)が
良心の呵責に耐えられず、週刊誌記者にカリンの個人情報を
リークしたことにより、カリンは絶体絶命のピンチに陥り、
今まで騙した男からリンチを受けることになる。

軽い気持ちで配信する動画の怖さが、身に染みる結果となる。
まあ、菓子折りを持って父親(古舘寛治)とフーコの三人で
頭を下げることで、一応収まるのだが、妹のアカネが幼稚園で
仲間はずれにされたことにカリンは心を痛める。
“なんとかせにゃならん“
と、打った手は、ゾンビの幼稚園児襲撃作戦。
賑やかに元気な画面からは、もう引きこもりのカリンの面影は無い。

小野花梨は脇役から良く観ていたが、主役を張っているのは
初めて観ました。
お盆に目鼻みたいな、平べったい顔。
美人女優とは一線を画す存在感と熱量。
重宝されるのがよくわかりました。
ネット社会では、プロもアマチュアも同じ土俵に上がります。
リスクもアマだからと、許されるわけでは無い。
その点では厳しい世界だとも言えると思いました。

琥珀糖
bloodtrailさんのコメント
2025年5月3日

ご覧になったんですね!これを見て以来、小野花梨さんを見る目が変わりました。彼女はすげーw

bloodtrail