「韓国版『土用の丑の日』」スープとイデオロギー いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
韓国版『土用の丑の日』
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参鶏湯(通常"サムゲタン"だが、発音として"サンゲタン"としか聞こえないのはドイツ語の"ウムラウト"みたいなものか)は正月料理かと思っていたが、どうも表題の通りらしい、夏に食べるものだから今作品もなぜわざわざ暑いときに食べてるのか分らなかった。勿論、祝い事に振る舞われる料理とすれば正しいのだけど・・・
監督の特異な家族環境故の聞えは悪いが『豊庫なネタ』を映画化していることは決して否定されることではなく、
寧ろそのプライバシーを潔く作品化していることに尊敬の念を禁じ得ない。
在日の人達はその人口数だけドラマがある。もはやファンタジーと言っても過言じゃない。日本人にとっても戦中戦後は今と比較すればかなりの"異世界"だろうが、彼等彼女の運命はその乗数が計り知れない。
今作品の、原因と結果をきちんと演出できてるドキュメンタリーは、まるでこれはモキュメンタリーと見間違う程、腑に落ちる出来映えになっている。命からがら日本に逃げてきた"アブジ""オモニ""ハーべ""ハンメ""サンチュン""コム""スンモ"達を、日本人は冷たくあしらい、差別してきた。逆の立場だった場合というイマジネーションはこの民族にはあるのか、そんな質問を投げ掛ける作品である
只一つ、作り方に疑問があるのが、キチンとした撮影日のアナウンスが欠如してること。勿論監督の意図なんだろうけど、場面転換が曖昧な編集のつなぎで、旦那さんの結婚挨拶と、その後のサンゲタンを旦那さん自身が調理する件が、もう少し分かり易かったら親切だったろうと思ったのだが、之も又意図があるのだろう。読み取れない自分の愚かさを恥じるのみである
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