劇場公開日 2022年1月14日

  • 予告編を見る

「異国で収監された娘を助けようと狂ったように奔走する父親!!」スティルウォーター 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0異国で収監された娘を助けようと狂ったように奔走する父親!!

2022年8月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

中身の濃い秀作だと思います。
2021年作品です。
監督は「スポットライト世紀のスクープ」のトム・マッカーシー。

娘の無実を晴らそうとする父親のビル(マット・デイモン)。
弁護士に頼っても助けにならず、遂には違法な手段で、
娘を救おうと躍起になります。
アメリカから英語の通じないフランス語圏のマルセイユ。
協力者を見つけたとは言え、ビルの困難な奮闘は胸を打ちます。

無罪を覆すための方法は遵法精神と程遠いもの。
でもそれほどの荒技を使わなければ、
無罪とは、勝ち取れないもの。
《これがひとつの現実(悪しき現実)》

《ストーリー》
マルセイユの刑務所に9年の刑(殺人罪)で、
もう5年も収監されている娘のアリソン(アビゲイル・ブレスリン)。
アラバマ州のスティルウォーター(題名になっています)で、
石油会社の作業員として働く学問もない上に
前科のある父親のビル。
稼ぎを工面してマルセイユに度々面会に行っています。

娘の罪は、レズ関係にあったガールフレンドを殺した疑い。
そして5年経たある面会日に、娘は有罪を翻すような
新証言が出たと言い、弁護士に告げてと、ビルに頼みます。

しかし弁護士にまったく相手にされず、ビルはその日から
マルセイユに住み着きます。
親切な舞台女優のヴィルジニーと娘のマヤの家に仮住まいして、
アリソンの無実を晴らそうと躍起になっていきます。

ビルのアリソンへの愛と無実を勝ちとるために
手段を選ばない執念。
敬虔なキリスト教徒のビルと、
無法者のビル。
とても優しいのに、何処か危なっかしいビル。

《事件の真相》を、実行犯に接触したビルは、
(アリソンは本当に罪に加担していないのか?)
ビルは知ってしまうのです。

真相・・・真相って本当に何なんだろう?

この玉虫色のラストこそ、現実。
派手ではないけれど、人間が正しい行動をすることの難しさ、
そして真実というものの危うさ・・・
歯切れが悪いけれど、すっきりしないけれど、
とても現実を写した秀作だと思います。

異国で犯罪や事故に巻き込まれる被害の多い昨今。
どこまであなたは《愛する人》のために頑張れますか?
そう問われてる気がします。
また平凡な地名の題名かと思った、
スティルウォーター。
実は二重の意味が隠されていて、その辺も、
ネーミングが技アリです。

琥珀糖
caduceusさんのコメント
2023年4月15日

娘は無実だったのか?冒頭からの緊張感に引き込まれてしまいましたね。これも印象に残る映画です。

caduceus
iwaozさんのコメント
2022年11月15日

いや〜これはめちゃくちゃ良かったですよ。マット・デイモン見直しました!マヤ役の子もほんま良かったですよね。^ ^

iwaoz
NOBUさんのコメント
2022年10月3日

今晩は。。
 今作、トム・マッカーシー脚本という事で、車を一時間ぶっ飛ばして鑑賞した作品です。個人的にはとても面白かったのですが、世間的には余り評価されず・・。
 ええ、良いんですけどね・・。では。返信は不要です。

NOBU