「面白かったー!」グリーン・ナイト Raspberryさんの映画レビュー(感想・評価)
面白かったー!
世界一美しい「ケルズの書」の丸みを帯びたハーフアンシャル字体。動物、紐、円環の十字架。精霊も死者も動物も永遠に循環する存在だ。人間が朽ち果てようが、緑の新芽が地球を覆う。人間の存在などものともしないケルトの森林、地球の力強さに救われるような思いがする。
ロウリー監督は、魔法とスピリチュアルな中世の騎士物語を、見事に現代の若者に巻き直してみせた。最高過ぎる映像で!
ガウェインには栄誉や偉大さが「ない」。今の時代で言えば、立派な仕事や夢だろうか。
これには自分が一番がっかりしてしまう。しかし、いつまでもがっかりしているのは、まずい。こんなとき、人生には何かが向こうからやってくるときがある。これが「やってくる偶然」だ。
ある日グリーンナイトがやって来た。「やってくる偶然」は自分の意思じゃない。向こうからやってくる。
グリーンナイトは1年後のクリスマスに迎えに来るように約束をさせる。そこで自分はどんな展開が望むのか。「迎えにいく偶然」には自分の意思がいる。
1年間、自分が何を求めているのかを試行錯誤しておくという準備が必要だが、若者にとって時間はあっと言う間に過ぎ、冒険の旅が始まる。
「やってくる偶然」と「迎えにいく偶然」が鍵と鍵穴のようにピタリとハマったとき、人は何かを察知し覚悟するようだ。
このまま帰って、死んだような表情で王座に座っている自分を察知したとき「傷つかない紐」を自分の意思で手放した。自分が求めていたもの。それは人生を自分て決めることだった。
グリーンナイトは死と再生。怖いけど、とっても有難い精霊なのだ。
ひょっとして、ボヤっとした息子に、魔法使いのママが遣わした?
今晩は。
”世界一美しい「ケルズの書」の丸みを帯びたハーフアンシャル字体。動物、紐、円環の十字架。
精霊も死者も動物も永遠に循環する存在だ。
人間が朽ち果てようが、緑の新芽が地球を覆う。人間の存在などものともしないケルトの森林、地球の力強さに救われるような思いがする。”
お書きなったこのレビュー、素晴らしいですね。
私もハーフアンシャル体には気付きましたが、それを含めてこの作品の唯一無比な世界観を表した作品だと思いながら観ていましたよ。
まさか、ここに言及されるレビュアーがいらっしゃるとは・・。感服です。
これからも宜しくお願いいたします。あ、返信は不要ですよ。