最後の決闘裁判のレビュー・感想・評価
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88点
時代のリアル感が伝わった。
俳優陣、セットがすごくてのめりこめた。
見せ方も好きでした。
面白いのが各々【真実】を述べていて
全員自分が嘘偽りない本当の事だと思っているので
少しずつ見え方が変わってしまっている。
僕は「そんな強い言い方をしていない」
私は「そう感じた、そう捉えた」なんて
会話は誰もが経験済みで今回はそれを
考えさせられた。
ずっと願っていたのはどうでもいいから負けないでくれ。と。
レイプはされるは決闘で負けたら夫は死ぬは、焼かれるは、子が可哀想な思いをするはで最悪のバットエンディングは嫌だと。
真に願いました。
奥さんが1番可哀想。そして「頂点を知らないのかもしれない」の時に伏線やーー、フラグやーー嫌やーーと思いました。
実際どうだったのだろうか。
最後の決闘裁判
興味深い作品だった。同じ出来事でも話し手の置かれている状況や聞き手の受け取り方で受け止め方が変わる点は現代社会においても考えさせられる。2時間越えの作品だが、構成の良さと決闘シーンの手に汗握る緊張感で最後まで飽きることのない良作。
マルグリットが求めたのは
長いし私の苦手分野の作品かなと思いながら観ましたが全然そんな事はなく、多くの方々の高評価通りとても良かったです
マルグリットの告発はあの頃の男尊女卑のひどさに立ち向かうためのものなのか、でもそれを自分の名誉のための戦いとする夫に任せる事に、子供の事を思うとあの戦いを望んではいなかったのでは
戦い後のマルグリットの表情から、どんな結末を望んでいたのかと思いました
でもラストシーンで、やっと望んでいたものを手に入れたように思えて、観終わった後はホッとしたように心が落ち着きました
あまり優しさを感じられないカルージュだけど、領主に媚びない不器用な男で、私は断然カルージュ派でした
その真逆の領主に媚びまくって出世する世渡り上手のル・グリがほんとイヤで、またそれを演じるアダム・ドライバーもあまり好きじゃないし、その上ル・グリはイケメン設定でそこにも違和感があって、ル・グリがとにかく嫌でした
ラストの決闘シーンは観応えあって、リドリー・スコット作品はやっぱり好きです
3者の視点で描かれる歴史心理ミステリー
14世紀半ばから後半の映画ですが、地味に見えてどうして、
新鮮な切り口で面白い歴史史実を描いた見応えある良作でした。
(それにしても女性には受難の歴史でした)
内容は題名の通りそのまんま。
原作はノンフィクションで、1386年のフランス王国のパリにおける
最後の決闘裁判の顛末を描いたエリック・ジェイガー作の
ノンフィクション「決闘裁判 世界を変えた法廷スキャンダル」を
基にしている。
簡単に言えば、夫の留守に家に押し入った旧友(ル・グリ)に
レイプされた妻。
妻と自分の名誉のために命を懸けた死ぬまで戦う「決闘」が描かれる。
第一章
ジャン・ド・カルージュ(マット・デイモン)の真実
第二章
ジャック・ル・グリ(アダム・ドライバー)の真実
第三章
マルグリット・ド・カルージュ(ジョディ・カマー)の真実
3人の視点で1370から1377年そして1380年、
決闘の行われた1386年までを同じシーンで、
3者がどう感じていたか?
そして如何にして「決闘」に至ったのか?
それを描いている。
とても良心的作りなのだが、それ程3者の言い分に大きな違いはない。
新事実も限定的。
嘘つきが1人もいないのですから。
だから同じ場面を3回観たりします。
カルージュが妻と初対面のル・グリに、
「親愛の印に口づけを!!」と促すシーンは3回あります。
(その時ル・グリはマルゴットに一目惚れしたらしい)
重要なシーンなのですが、ナレーションが入る訳でもないから、
マルグリットの瞳がチラッと輝いたり、
ル・グリが怪訝そうに自分の心を覗くように視線を落とす・・・
私には「あら、案外いい感じで、2人はお似合い!!」
・・・みたいに見えるだけです。
違う視点から見える新事実も少しはあるし、
ル・グリから見るとカルージュは変わった男で、
客間的に見て、カルージュが今で言うところの“クレーマー的男“で、
領地の取り分のことを、シャルル国王に申し立てて、
主君ピエール(ベン・アフレック)のメンツを潰したり、
まわりがよく見えない考えの浅いお騒がせ男で、
カルージュの欠点が目立って来るのです。
ル・グリは女たらしの自信家のプレーボーイで、
「多分マルゴットは、夫に不満で自分が迫れば喜んで応じる」
そう思ってたんでしょうね。
ところがカルージュ夫妻は予想外に「戦う意志が満々」
ピエールの仕切る裁判では勝ち目が無いと思うと、
シャルル王に訴えて、カルージュは命を懸けた「決闘」を選ぶのです。
中世ヨーロッパの常識が面白いです。
マルグリットはカルージュとの子宝に恵まれず悩んでいたのですが、
夫婦生活で絶頂を感じたその時に子どもを授かる・・・
のだそうで、レイプされたマルグリットはなんと半年後には、
妊娠して大きなお腹で、裁判の事情聴取を受けている。
運命のいたずらなのか?
性染色体の相性が良かったのか?
まったく皮肉な結果です。
冒頭のシーンは決闘の準備をしてるカルージュとル・グリ。
イザ、スタート!!
と身構えたら、
突然場面が過去に切り替わったのですが、
2時間、決闘に至る諸々の事情を語り、
お待ちかねの決闘の場面が始まります。
「死をもって決着をつける」
その凄まじいこと!!
見物人たちは目が爛々と輝かせて、
「殺せ!殺せ!!」の大合唱。
カルージュが負けた場合マルグリットは裸で引き摺り回されて、
生きたまま火で焼かれる・・・決まりだったんです。
それを知って、さすがに動揺するマルグリット。
まぁ当然、私はカルージュを応援してます。
男と男がメンツを懸けて死に物狂いで戦う。
(マット・デイモン、格好よかった!!)
「決闘」の勝利者が「正しい行為者」
変な理屈です。
この決闘が歴史的に最後になった!!
その理由は、何だったのでしょう?
(日本の江戸時代も不義密通罪は、市中引回しで打首・・・)
でしたね。
やはり、あまりにも野蛮・・・
ということでしょうか。
事実はひとつ。でも主観により内容は異なる。
夫の旧友に乱暴されたと妻が訴えるが、目撃者もおらず、旧友は無実を主張。真実の行方は、夫と旧友による生死を懸けた「決闘裁判」に委ねられる。事実を3人の目線から描きながら、最後のクライマックスへと導く手法は秀逸に感じたが、同じシーンを3回見ることになりやや冗長な感も否めない。人は真実を見たいのではなく、真実としてみたいものを事実と思いこむ生き物だと思う。そうした矛盾が描かれた重厚な作品でした。
演技合戦の映画
153分と長い映画ですが、そこまで長く感じませんでした。
3人の視点によるストーリー展開も面白かった。
アダム・ドライバーとマット・デイモンの激しい演技合戦。
二人の俳優に負けじとジョディ・カマーの演技も良かった。
昔、本当にこんなことが行われていたとは
恐ろしいですなあ。
あまり主張のない映画
14世紀のフランスで起きた騎士かルージュの妻マルグリットを騎士の旧友ル・グリがレイプしたという事件が発生。旧友と妻の言い分の違いのために決闘で決着をつけるという話。騎士、妻、旧友の三者からの視点での描写は14世紀フランスの社会事情を知るためには有用でしたが、肝心の事実があったかなかったかについてはほぼ不要で冗長です。個人的感想としては気持ちはどうあれ、妻がレイプされたというのはまぎれもない事実としか思えないです。
この映画、愛情深いなあ、善良だなと思える登場人物がいないのも残念なところで、どの登場人物にも共感できなかったです。解説には「人々はカルージュとル・グリ、どちらが裁かれるべきかをめぐり真っ二つに分かれる」と書いてありましたが、私が見たところでは人々は他人事として見ているにすぎません。正義もへったくれもなく娯楽のように決闘を楽しんでいるだけに見えました。
最後は妻のマルグリットが愛のない暮らしから息子との暮らしになって、その後もまあ長生きしたようで、彼女にとっては良かったかなというところですが、映画全体としては何が伝えたいのか、よくわからないなあと感じました。男はバカで女はしたたかとでも言いたかったのでしょうか。
単純じゃない!見方を変えると壮大な復讐劇に
観てすぐは、映画の言う通りマルグリッドの証言を真実として単純に受け取り、中世が舞台のme too映画のように感じていた。
けれど、一緒に観た家族は、マルグリッドの復讐劇だと言ったのでその角度で見ると全く違うストーリとなり非常に面白いと感じた。
父親から土地を奪った時からル・グリに復讐しようと決めていたとしたら?
全て彼女の長い長い計画通りだったとしたら?
マルグリッドの視点ははっきりと真実と提示されていたが、それは裁判によって決定された真実はこれだと言うだけの話。事実は他の視点にもきっと混ざっている。
本当は全てあの才女の掌の上で行われた出来事だったのかもしれない。全てに勝利し、欲しいものも手に入れた。
映画として色々と考えてみると見方が変わる。そのままマルグリッド視点が真実だと受け取っても成り立つし、もし違ったらと考えても辻褄が合うように出来ている。ちゃんと描写が用意されている。
最後彼女が幸せになったというテロップで終わるのも、全く意味が変わってくる。観た人によってせめて幸せになってよかったと思ったり、マルグリッドは全てを手に入れたなぁと凄みを感じたり。単純じゃなくて面白い。
人は真実を語らない
カルージュとその妻マグリット、そしてル・グリの語る「真実」はどれも微妙に異なっている。裁判のマグリットの証言もおそらく完全な真実ではないだろう。
語らないのではなく語れないでもある。マグリットが語るように、「この子にとって母がいることのほうが真実より大事だ」も一つの事実であるように。
真実より優先されることは山のようにあり、そして封じられたけして聞くことができない真実、歪められて隠される真実も同じく山のように。
決闘シーンは鬼気迫る迫力。でも最初どっちがどっちかわからなくて困惑してしまった。
ラストシーンだけが救い。
評価が高すぎるのではと思ってしまう
マット・デイモンが好きで観たが、評価が高すぎるのではと思ってしまった。史実に基づいているのでその意味の価値はあるのかもしれない。
この時代に女性が男を訴えると言うことがいかに大変なことだったかはわかる。その意味で勇気のある女性でもあるし、持ち物である妻を汚されて決闘に挑む男も愛のためとは言えない。
結果的に女性は幸せになったようなので良かったとは思うが、正直、何を知らせたかったのかよくわからない映画だった。
でも、セットや映画の規模など映画館で見たらかなりの迫力だとは思う。
迫力ある決闘シーン
カルージュとグリの友情物語かと思いきや、処世術にたけたグリと純粋な騎士気質のカルージュのプライドをかけた戦い。
3人の視点からドラマは描かれているが見る者は色んな思いが交差する。
たぶんこうだろうと思っても絶対か?といわれると言い切れない。
とにかくマルグリットの美貌は群を抜いていて、今ならこんな綺麗な嫁をもらえただけでも幸せと思えるのにこの時代は女性の扱いはひどいものだ。領主ぐらいできそうな才能があったのに・・・
決闘裁判ではひどい結末を迎え、最後にでるマルグリッドの表情はこの結果を望んでいたのかどうかわからず、見る者に委ねられる。
夫を亡くしたあとは子供と二人で生きていくが、その子供は誰の子なのかわからずじまい。誰を思って生きていったのであろう。
決闘はえげつなかったがグリには申し訳ないがカルーシュが勝って正直ホッとした。
それにしても女性を犯すシーンが何度も出てくるのにディズニー配給とはびっくりだ。
色んな目線が入っている映画
妻も泣き寝入りは望んでいなかったが、負けたらどうなるか隠して己が名誉のため決闘裁判に挑む夫。
決闘後の妻の表情は、もう付き合ってられんわ...と語っているように見えた。
夫と決闘することになる友人もなかなかどぎついコミュニティーに所属してらっしゃる。
ただ、女性が男性を値踏・支配したがる傲慢な感じも出ており、色んな目線が入っている。
女性目線で物申しますと
夫と友人は、女性も同じ筋力持ってると思ってんのか?逃げられへんし、強く拒んでるのに、相対的に弱い拒絶と捉えられてしまう恐怖。胸糞。
家で見ていたので、ドア閉めるところは巻き戻し検証してしまった。一生懸命締めてるのに非力だから招き入れてると解釈されてるのほんと恐い。
ボタンの掛け違い
1人の主観は他者から見るとこうも違うもの。
異なる意見を聞き、感情的にならず、議論を通して最も合理的なオプションを選択する。
相手の立場に立って考える。
視点の違いを反映してか、3回繰り返されるストーリーのディテールが少しづつ異なる。
こういった多視点の映画が増えているのは、社会が少しマシになりつつある証左と考えたい。
「多くの人たちは、見たいと欲する現実しか見ていない」ユリウス・カエサル
タイトルなし
私たちが通史として享受してきた男性視点の歴史を女性の視点から見直すと、男性的ストーリーの滑稽さがあらわれてくる。それぞれの立場でなにを省いて、なにを見せるかに、その人にとってはとるにたりないこと、無意識にふるまっていること、誇りとしていることが、他の立場の人を傷つけたりしいたげたりしていることが見えてくる。男性の視点では家のためにつくす影の薄く頭が悪そうな存在、または男性をたぶらかす小悪魔的存在として見られていた女性が、女性の立場から見ると自立的で知的でユーモアがあり一番生活感があり、一番まっとうな人にみえた。
馬
アダムドライバーは男前だと思った事がないのでそういうセリフが出ると本当にー?となってしまう。話としては「藪の中」なのだけれど、この映画だとどうみてもルグリがアウトです。夫も夫ですが、ルグリはもう全然駄目です。最後まで罪を認めないのは男のアホな考えに他なりません。現在でも対して変わらないかもしれないこういう事件の数々。声を上げらない女性の悲しみ。裁判でも辱めを受ける。
妻がキリングイヴのヴィラネルになって襲い掛かって行きそうでしたが。
選べぬ時代…
女性は結婚相手を。美男だがレイプ魔はもっての外だが、騎士としては優秀だが、どんぶり勘定だったり、聞く耳を持たなかったり、領主としては才能がない夫。妻を子供を生む道具としか考えず、妻一人、幸せにできない男が民の心も魅了できるわけもなく、粗野な男。夫の母親もこれまた最低でこの時代あるあるなのか。嫁姑は未だにそうかも。それぞれの事実が3者の視点で描かれ、所々異なる点が面白い。ジョディ・カマーが完全に他の演者を食っていて、ラスト子供といる映画唯一の幸せそうなシーンが母なる美しさを感じた。旦那がその後早く死んでくれて良かったなあ。再婚なんてもうこりごりだったのだろう。エンディングで実話ベースというのに驚くと共に、決闘裁判で負けたら火炙りということが何とも恐ろしい。他の映画と同様に得てして国王はアホっぽく描かれるが決闘裁判を命じた点は救い。心残りはベン・アフレックのもう少し悪役ぶりが見たかった。
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