最後の決闘裁判のレビュー・感想・評価
全278件中、221~240件目を表示
豪華でゲスなエンタメ
1.冒頭、史実に基づくと出るが、14世紀の史実なんてどこまでアテになるのかな?
2.決闘シーンよりも第1から第3章のレイプシーンから裁判シーンが長い。違いはわりと分かりやすかったが、重複する部分が多いので、ゲスい内容に辟易。
3.お姑さんが出掛けてる間の出来事なので、手引きしたのは姑ではないか。姑の嫁イビりにしてはえげつなさ過ぎ。
4.現代風に同意の有無の不確かさを匂わしたり、結婚して5年経つのに一回も妊娠しなかったのに、今回妊娠したのは旦那との交接では得られなかった絶頂感があったからではないのかとか、女性がエクスタシーに達しないと妊娠しないとかの程度の低いクドい裁判内容が女性に対する蔑視・偏見に溢れていて、かなり不愉快に感じた。
5.この時代の貞操帯の必要性は実感できた。
6.どちらも負傷し戦闘不能になる可能性が高いと思った。そしたらどうジャッジするの?その場合、妻の処遇はどうなるの?と考えてしまった。
7.王様カールⅥ世がアホで、お妃も不細工なのが唯一のギャグ要素だった。
8.吊り下げられたアダムドライバーのあれはリアルちん○なのか?
9.馬の交尾シーンもこの映画のゲス感を増した。断末魔の馬のカカト落としシーンはなかなかよかった。
10.美女が裸で生きたまま焼かれる魔女裁判みたいなシーンもどうせなら見たかった。
11.訴えてもどうせピエールが握り潰すから、国王の耳に入るまで皆に言いふらすみたいな発想はSNS時代ならともかくね~と思ってしまった。
徐々に徐々に高まってMAXで終わるような
【「史上初の女性の訴え」】
レイプを取り上げたら、中世ヨーロッパも現代の日本もさほど変わらないなと思ったりする。
これは、最後の決闘ということになっているが、実は、「史上初の女性の訴え」でもある。
14世紀はヨーロッパにペストが蔓延し、人口の3分の一から3分のニが命を落としたと言われており、多くの農奴の死で労働力不足が顕在化し、穀物の収量が極端に落ちたことが記録されている。
また、100年戦争は14世紀の終盤がやっと折り返し地点で、ペストと戦争で多くのヨーロッパの国が疲弊する一方、イタリアではルネサンスが始まろうとしていた。今僕たちが考えているより当時のヨーロッパの国境は曖昧で、争いにより更に不安定化していて、権威を求めた国がローマ・カトリック教皇との結びつきを一層求めるようになっていく。
こうしたなか、女性の人権など認められる状況にはなく、それは現代になるまで大きな変化はなかった。アメリカでさえ、女性解放運動は、1960年代の話だ。
戦いにはめっぽう強いが愚鈍な夫ジャン。妻マルグリットの持参金が頼りだったりする。
魅力的で読み書きもでき、実務も優れて、男の能力や見識を見抜いてしまうマルグリット。いくつかの会話で明らかなように、女性には必要ないとされていた教養を身につけていたことが判る。
策略家で実務に優れるが、狡猾で自制が効かない色好みのライバル・ジャック。
同じく色好みで自制が効かず、良いところなどない無能な領主ピエール。
これだけで何かが起こりそうな予感だが、中世ヨーロッパでは前述の通り、女性の権利など認められてはおらず、法や権威の後ろ盾もなかった。
ただ、僕たちの国の伊藤詩織さんのケースのほか、女性がレイプ被害を訴えようとするムーブメントの#MeTooでも、子供に性的虐待をした事件でも、明確な抵抗意思を示したのかが争点になって、うやむやになってしまうことが多いことを考えると、現代もマルグリットの時代もじつは大差ないなと思ったりする。
途方に暮れそうになると思うが、女性も、右寄りのパターナリズムの連中からフェミと誹謗されようと、差別を許さない男性も、声を上げ続けなくてはならないのだ。
マルグリットのように一時的で終わるのではなく、継続して声を上げ続けなくてはならないのだ。
3回ループは辛かった
主人公、主人公旦那、友達で同じ日時を3人それぞれの立ち位置で描いているのですが、そのシーンの尺が長くて見ていて苦痛でした。
主人公がレイプされた日の3人の行動を別々に見てから、ようやく決闘裁判へ。
最後は馬上から剣術の格闘戦が楽しめます。
個人的には面白いけど、ほぼ同じ1日を3人立ち位置ごとに分けて見せる部分が長くて疲れました。ほぼ同じシーンが3回繰り返される映画は初めてでした。
ジョディ・カマーファン以外はおすすめできないかも?
強く生きようとする女性の物語
中世ヨーロッパ、男尊女卑の顕著だった時代に強く生きようとする女性の物語。
何かのインタビュー記事で監督が言ってた様に「羅生門」を意識する物語になってることからも、どの視点から描くかにより凄く印象が変わる物語の様に思いました。そのための3幕構成だったように思えます。
権力がなく負い目を持つ家系の子として成長した聡明な女性が、この時代にどの様に生きる選択をするのか?
その女性が愚直で世当たりが下手で感情の激しい男に嫁ぐことに。その中で起こる事件。
この時代に彼女の起こした行為は、この後の社会をかえるため一石を投じたことは間違いない様に思えます。
それにより今の社会が出来てるのだから。
もう一つ裁判により命を賭けて闘う2人の気迫が凄まじく高揚感を覚え、またその後の扱いの違いに考え深いものを感じました。
真実は人の数だけある
様々な対立
ジョディ・カマーが美しい
1386年のフランスで、騎士カルージュの妻マルグリットが、夫の旧友ル・グリに強姦されたと訴えるが、ル・グリは無実を主張した。結論は、カルージュとル・グリによる死を懸けた「決闘裁判」に委ねられることになった。勝者は正義と栄光を手に入れ、敗者は罪人として死罪になり、カルージュが負ければ、妻のマルグリットも偽証の罪で火あぶりの刑を受けることになるというルール。さてどうなる、という話。
実話に基づく作品なので、結論は出ているが、カルージュの見方、ル・グリの見方、マルグリットからの見方とそれぞれの思いがわかり、入り込めて素晴らしかった。
ピエール伯が1番の悪者かな。
騎士の話なので、槍を使った戦いシーンが多いし、人数も多くて迫力有った。
なんといってもマルグリット役のジョディ・カマーが可愛くて美しかった。
中世史が好きな人は見るべし
ヨーロッパ中世史が好きなので、あの時代の雰囲気、服装、髪型、甲冑、町並みなどが見られて大満足。シャルル六世のおかしな精神性やジャンが文盲らしい事も描かれていた。
中世の女性は気の毒だ。持参金が多くあったとしても、本人の気持ちなど全くと言っていいほど尊重されず 人権もなく子孫繁栄の為のモノ扱い。そんな時代の女性が、公の場で凌辱されたと申し出たのだから、大スキャンダルだし、マルグリットは気丈過ぎる。
この映画は、その事に焦点を当て、三者三様の真実のあり方、つまり自分の都合の良い解釈現象を三度描き出す手法をとっている。
それは、その人の虚栄心だったり、名誉だったり、復讐だったりする。その結果としての馬上槍試合のシーンがメインで、それが素晴らしい。まさにリドリー・スコット監督❗️ ほぼほぼそれに尽きる。槍を持っての一騎討ち、ものすごい迫力で いったいどうなることやらとハラハラした。「決闘の結果は神の審判」「レイプによっては子どもは出来ない」など、今の時代からすると [何言ってんだか😫]と呆れてしまうが、14世紀に居なくて良かったと思う他ない。
マット・ディモンは、闘いに明け暮れ、女性は自分の所有物とした粗野な人物を好演、ジョディ・カマーは、従順でありながらもしっかりとした意志を持つ女性を好演していた。
余談ながら、後のアンリ二世って、あんなような馬上槍試合して 余興なのに、槍が目に刺さったんだと思ってしまった。
色々な見え方
それぞれの章で、各人物からの視点で描かれていて、自分を美化しているのが面白い。
キャラクターの見え方が全く違っていて、話の流れは大きく違わないんだけど、ここまで印象変わるか、という感じ。
それを実演している役者さんがまた凄い。
男の見栄だったり、女性側の葛藤だったり、演技と話と演出のバランスも相まって、良く見えたな。
見応えがある作品でした。
勘違い自惚れ野郎アダム・ドライバーがもはやかわいい。
中世フランスを舞台に夫の旧友にレイプされた妻に代わり夫が決闘裁判に挑む話。事件があってから裁判までをじっくり描くのでは無く、事件前から事件後にかけての出来事を夫ジャン、レイプをした夫の旧友ル・グリ、妻マルグリットそれぞれの視点で、3章で描く構成。
なので、同じ場面がそれぞれの視点で出てきて、その都度演出がちょっと変わるのが面白い。まず、全員の章で出てくるル・グリとマルグリットが初めて会い、ジャンとル・グリが一見和解するかのようなシーン。
ジャンの視点では、完全に自分のプライドのことしか頭に無いので妻を道具のようにル・グリとキスをさせ、それが妻の視点では戸惑って動揺している顔がずっと映されている。その一方でル・グリの視点では、マルグリットがキスした後にちょっとル・グリの方をチラッと見るのがわざとらしく映ってる。
さらに、レイプのシーン(これを2回見せるリドリーはハードだ)では、ル・グリの視点ではあんまり抵抗してないように見えるけど、マルグリットの視点ではめっちゃ助けを呼んでるし泣いてる。さらにドアの音がより大きくなっててル・グリの威圧感が強調されてたり。
『羅生門』のような真実はどれか分からないと言っている方多いけど、ル・グリはそもそも女性に対して自分はイケメンなんだから相手も喜んでいると思い込んでいる節があるので、あれは完全に同意のない行為。女性達と戯れている所で同じような構図のベットシーンがあるんだけど、あれだって女性の方は喜んでたかは微妙だねえ。え?って顔してたし。
極めつけは、ジャンの視点では出てこなかったレイプされた妻へのジャンの対応がもう最悪なんだけど、ここが男性が女性のことを無意識に抑圧していることの象徴的なシーンで良かった。ジャンの視点では、ジャンが重要だと思っていることしか出てこないということは、あの対応はそこまで重要じゃない(それを含め妻とのやり取りはほぼ出てこない)と思ってるからだと思うんだよね。
まぁなんか2人のアホな男の話を見せられた後に、マルグリットの視点になるので「いやっ、ですよね?そうですよね?」っていうシーンの連続で楽しかった(笑)それに2人のアホな男、現代の男性もだいたいこのどっちかのタイプの方多いですよ?(笑)
さらに女性の受難あるあるも詰め込まれていて素晴らしい。私的に1番印象に残ったのは、「美男」と言ってたからレイプではなく望んだと裁判で問われていたシーン。「美女」だからヤリたいのはそっちの話でこっちと一緒にすなだった。ここら辺男性中心社会が女性にとって如何に不利かってのも読み取れるし良かった。
ここまで女性映画っぽく書いたけど、最後の決闘シーンはめっちゃ手に汗握って見応えあるし、ジャンの話は出世競走に負けた悲しき男の話でもあるし、男性同士の友情が世情に揉まれて歪んでいく話でもあり、2/3は男の話だから見てください(笑)
何がいいたかったのか
さすがリドリースコット。飽きちゃう様な内容を最後まで見てしまう所がすごい。もしかすると、主役の3人の演技力が凄かったのかも!
ジャン目線はまあ、その時代ならそうなるよなあという感じで、実直だけど女性に対しては旧態然とした振る舞いの男。ジャックは悪いやつじゃ無さそうだけど、確かに喰えない感じで、マルグリッドの事になると理性が働かなくなるのか。マルグリッドにとってはレイプの偽証に利があるのか?
ラストはこれでジャンが負けたら哀れな愚直な男って感じでそれはないだろ!?って見ていたが、どうも史実では映画では描かれていない話があるようで、確かにその方が辻褄は合うと思った。
リドリーは今作で何を言いたかったのか?MeToo?ジャンの母の言葉は昔の女性の心の叫びとして印象深かった。
ラストの決闘後のマルグリッドの表情と、ジャンがいなくなってからの表情が忘れられない。
西洋ではアダム ドライバーはハンサムなのか?が最大の謎。
法に守られない被害者
それぞれの真実とは?——14世紀の話でありながら現代にも通じるテーマ
百年戦争のさなか、だらだらと散発的な戦いが続いていた14世紀末のフランス。マルグリットは夫の短期出征中にたまたま一人になった日に、夫の旧友の男にレイプされてしまいます。
相手は伯爵の信頼も厚く人望がある男、一方夫は愚直で世渡りが下手、戦績は挙げるものの周りから疎んじられる存在です。
女性にも人権があるとは誰も思っていなかった時代です。マルグリットは勇気を出して夫に告白し、直情的な夫は相手を訴え、証拠が無いため決闘裁判で決着をつけることに。勝者には名誉が、敗者には罪人として残酷な死が待っているのです。
本作は3部構成になっていて、①夫カルージュ、②夫の旧友ル・グリ、③マルグリットの視点で描かれますが、それぞれの視点で事件の見え方が微妙に違い、それが戦友であった男たちの間に軋轢を生み、やがて夫婦を追い詰めていく緊迫した様子を丹念に描写しています。
男たちは双方の正当性を主張しますが、自分に都合のいい解釈をしていて、女性の気持ちを考えてはいません。
マルグリットは美しく聡明で、自分の考えをはっきり述べる女性です。夫の母や友人はそんなマルグリットを快く思いません。現代に比べるとこの時代の女性の方がはるかに尊厳を踏みにじられているのですが、現代の私達にも共感できる内容です。
明度を抑えた映像は重厚で美しく、戦闘シーンは甲冑や剣のぶつかる音や息遣いが迫力があってとても見ごたえがあります。
私は興味深く飽きずに観られましたが、内容が単調だと思う人は長く感じるかもしれません。
決闘に運命を委ねるジョディ・カマーに萌えた
何のひねりもなく終わった
全278件中、221~240件目を表示