「立場ごとに微妙に変えたマルチ視点の妙」最後の決闘裁判 zem_movie_reviewさんの映画レビュー(感想・評価)
立場ごとに微妙に変えたマルチ視点の妙
史実をベースに作った映画なので現在の価値観とは合わないところ満載なのは承知の上で鑑賞。そこにグダグダ文句言う輩はなんなんだろ?
実質、4部構成だったことにびっくり。ひょっとしてサブスク前提なのか?意識してのことなのかは分からないけど、マルチ展開は容易だろうし、何より、同じ状況でも主観が違えば結構な違いになるんだと改めて感じました。
導入:シャルル6世を前にしての決闘裁判の開始
1部:ジョン・ド・カルージュ(マット・デイモン)の視点
2部:ジャック・ル・グリ(アダム・ドライバー)の視点
3部:マルグリット(ジョディ・カマー)の視点
結論:決闘~終幕
大体が、同じ出来事で同じシーンの使いまわしですが、決して手抜きでもなく、それぞれの心情に合わせて演出を変えているやり方には関心しました。逆にストーリーがストンと落ちてくる爽快さが得られ、やられたなあという思いです。
ですが、事実というか記録がそんなに深い話でもない、ということで、牛の反芻よろしくな作りで間を保たせているとも言えるかもしれません。
中世の封建時代の科学も論理も薄弱でただただ盲信的な道徳?に支配された時代を改めて理解できました。胸糞悪いところも結構あり、観ていて辛いとも感じました。でも、その時代でも人間は人間として生きていたんです。その時代を経て現在があるんだ、ということは忘れちゃならんなと。
そういう理由で良作だと思います。
コメントする