劇場公開日 2021年10月15日

「中世ヨーロッパはお好きですか?」最後の決闘裁判 ごーるどとまとさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5中世ヨーロッパはお好きですか?

2021年11月23日
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わかるよ、わかるのよ、映画的な面白さは。
いわゆる“羅生門スタイル”は嫌いじゃないし、三者の視点から繰り返される映像には見入ってたし尺の長さは全く感じませんでした。

でもねぇ、あまりの男尊女卑!女性をモノとして扱い、妻に人権は無く、騎士たちの粗野というよりむしろ野蛮な振る舞い。女性が感じれば妊娠し無理矢理(レイプ)なら妊娠はしない、という意味のわからない論理。勝てば真実、釈放、英雄。負ければ処刑、偽証、火あぶりという決闘裁判の酷さ。中世という時代とは言えストーリーの胸糞悪さに霹靂。

そう、人は自分に都合良く記憶するし三者のどの視点もまた真実なのでしょう。そして現代社会も本質は何も変わってないよね、っていう監督の意図もすごく響きました。

だけどそもそも中世ヨーロッパがダメだったんだわ私。
まぁ世界史全般苦手でしたけど特に中世の貴族や王の人名のややこしさに教科書放り投げてました。

あの時代が好きかどうかもこの作品評価に多少は影響ありそうですね。あとはリドリー監督との相性かな。
ともあれ高齢になってもこんな大作を作っちゃう巨匠の凄まじいエネルギーと、マット・デイモン&ベン・アフレックの久々共同脚本ということで二人の変わらぬ友情に敬意を。

ごーるどとまと