「全男性に観て欲しい映画」最後の決闘裁判 Ishikawa Peroさんの映画レビュー(感想・評価)
全男性に観て欲しい映画
「最後の決闘裁判」
リドリー・スコット監督の女性像は「テルマ&ルイーズ」から一貫している。
それは黙らない女だ。
ではナゼ彼女たちは声をあげるのか?
それは我慢の限界だから。
この作品は主人公マルグリットが我慢の限界に至る過程が丁寧に描かれる。
まずはマルグリットの夫カルージュの視点の物語、次にマルグリットをレイプするル・グリの視点の物語、そして最後にマルグリットの視点の真実。
変わる視点に、見ているものの違い、男性には不快かもしれない。
けれど女なら誰しも知っている不条理。
600年前の話で、今は男女同権になっているとのファンタジーを語る人にこそ観て欲しい。
結婚したら別姓もできず、合格点を取っていても入試で落とされる女の世界を少しでも感じてほしい。
ウディ・アレンの話でもしたけれど、レイプで嘘の報告があるのは全体の2〜8%。
しかも中世では偽証は死刑だ。
言わない方がいい。
けれどマルグリットは命をかけても言わずにはいられなかった。
女はか弱く、時に性的で守らなきゃいけない存在ではなく、知性も感情もあり自立して生きていける存在だという証明のために。
私はこの映画を理解する男性と付き合いたい。
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