「ジェイソン・ボーンvs.カイロ・レン」最後の決闘裁判 シネマディクトさんの映画レビュー(感想・評価)
ジェイソン・ボーンvs.カイロ・レン
中世ヨーロッパの歴史物と言えば、リドリー・スコットの得意分野だけに、なかなか骨太で見応えのある作品でした。彼は、低迷が続いていたのでファンとしては嬉しい限りです。冒頭から騎馬による決闘が始まり、テンションが上がります。その後、貴族の奥方が乱暴されるスキャンダルから決闘裁判に至る過程を、貴族とその奥方、貴族の旧友の視点で順番に描いていくのが面白い所です。一見、黒澤明の『羅生門』のようですが、裁判での証言の食い違いではなく、視点を変えることで事件やその背景、登場人物のキャラを浮き彫りにしていく感じです。当然ながら同じ画面が続くけど、微妙な視線のやり取りやセリフを言う人物を変えるなど、色々工夫があって面白いです。最後の決闘シーンは、リドリー・スコットらしい迫力あるアクションで見せてくれるし、敗者への情け容赦ない扱いも凄いです。役者では、マット・デイモンもアダム・ドライバーも自己チューでイヤな奴を見事に演じています。でも、何よりも奥方役のジョディ・カマーの硬質な毅然とした美貌には参りました。
コメントする