「胸が抉られる。」最後の決闘裁判 HirosHiさんの映画レビュー(感想・評価)
胸が抉られる。
クリックして本文を読む
深傷を負いながら闘いに勝利し、民衆の熱烈な歓迎を受け、妻を勲章のように扱うマット・デイモンが哀れだった。
自分の価値観でしか生きられない男の愚かさが積み重なり、なんだか悲しくなり打ち震えた。
ジョディ・カマーは今作の演技でアカデミー賞を獲るんじゃなかろうか。
3章の描き方が見事。『羅生門』と同じ。まったく長さを感じさせないテンポの良さ。同じシーンを繰り返し見せると思いきや、微妙にセリフや演技、カメラアングルが変わったり、はたまた全く違う新情報が出てくる。『グラディエーター』を小学3年生の頃映画館で観た小生にとってリドリースコット御大の戦闘シーンは格別です。
社会性とエンタメ性を圧倒的な重厚感で描く語り口は黒澤明のようだ。
貴族の衣装や城のセット、馬や甲冑、剣、盾、斧、槍などの小道具、泥や血に塗れた汚しも素晴らしい。これくらいのクオリティの時代劇を日本で作れたらいいんだが。
コメントする