Pure Japaneseのレビュー・感想・評価
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poorちゃいまんねんpureでんねん
主演のディーン・フジオカが企画プロデュース
監督は『ハナレイベイ』の松永大司
脚本は『リボルバー•リリー』の小林達夫
ドス黒いバイオレンスアクション
アメリカの撮影現場で起きた死亡事故のトラウマで帰国後も顔に光が当たると動けなくなるためアクションができなくなったアクション俳優立石大輔
地元のスナックで親しくなった立石とアユミ
アユミの祖父隆三が所有している土地は温泉が出るらしく地元県議と地元のヤクザと中国人ブローカーが結託しその土地を狙っていた
頑として土地を売らない隆三やアユミは日々ヤクザから嫌がらせを受けていた
立石はアユミを庇いヤクザらと対立するようになる
立石は虚言癖
アメリカでの撮影現場の事故は立石の故意だと当時俳優として現場にいた千田が証言
立石がバイクを発進した直後に後ろに乗せていた泥酔の隆三が転落しそれが原因なのか数日後亡くなる
龍三は黒崎に毒を飲まされたと嘘をついた立石はアユミを連れて黒崎の事務所に乗り込み大暴れ
主人公は模範的ヒーローとはいえない
彼もまた悪人だ
ダークヒーローだ
しかし敵がヤクザなら正義になる
敵がナチスなら誰でもヒーローになるハリウッド映画のような設定
ディーン・フジオカは福島県生まれの千葉県育ち
純粋の日本人
妹が勝手にジュノンスーパーボーイに応募したことがきっかけで芸能界入り
斉藤由貴は弟が勝手にミスマガジンに応募して
嘘のようだがありがちな話である
本人と周りとでは売り込み方に見解の不一致が出てくるものだ
映画に何を求めるかで評価は変わる
それは人それぞれだ
みんな同じなわけがない
好みなんて様々
違って当たり前なんだ
世の中は賛否両論がとても自然なことなんだよ
みんな同じなんてむしろ気持ち悪い
みんながみんな映画福田村事件を称賛していたら気持ち悪いしみんながみんなジャニーズを叩いていたら気持ち悪い
ところがいい歳してそうは思わない大人がネットでは多く見かける
たしかに自分も自分が低評価した映画を大多数の人に高評価されたなら多少は腹が立つ
たしかに自分も自分が高評価した映画を大多数の人に低評価されたなら多少は腹が立つ
だがそれはいけないことなんだ
世の中一色に塗り潰せるものか
全体主義クソ喰らえ
仮にサクラだとしてそれがなんだ
いくらカネを積まれたって糞を食わされて美味いと褒めれるわけがない
なるほど成金の自主制作映画みたいだという比喩は面白い
たしかにそれは的を得ているかもしれない
だが娯楽映画としては及第点に達していると強く感じた
変身しない仮面ライダーにも思えた
結局チャンバラだけど
血吹雪もしっかり出る
本格的だ
アユミは『セーラー服と機関銃』と『野性の証明』を彷彿させた
最後の最後は総合格闘技
何事にも教訓とか社会的テーマを求めがちなのは日本の国語教育の悪影響だろう
映画は本来そういうものではない
あえて苦言を呈するなら本編の映画音楽にもう少し拘りが欲しかった
『キルビル』のような効果的な
そこが物足りない
当時仙台でも劇場公開されたが観れば良かったと後悔してるくらいだ
たしかフォーラム仙台だ
また上映しないかな
あと劇中のテレビ番組の『日本語人論』を他の国に置き換えたら完全に暴論になるね
国会議員なら辞職勧告決議だよ
口が裂けてもあんなことは自分は言えない
配役
アメリカから帰国後は日光大江戸村で音響係と剣戟の指導役を務めるアクション俳優の立石大輔にディーン・フジオカ
年齢を誤魔化して地元のスナックで働く高校生のアユミに蒔田彩珠
アユミの祖父の隆三に渡辺哲
地元のヤクザと結託している県議の黒崎誠実に別所哲也
日光大江戸村で剣劇の役者をしている二宮に金子大地
日光大江戸村で剣劇の役者をしている松本に黒岩司
日光大江戸村の村長の鈴木に嶋田久作
日光大江戸村の剣劇の座長に大北晋平
黒崎と結託している中国人土地ブローカーのハタに水間ロン
地元のヤクザ長山組の幹部クラスの陣内に坂口征夫
地元のヤクザ長山組組員の佐伯に二ノ宮隆太郎
座長の知り合いの千田に村上淳
アユミが働くスナックの中国人ママに呉城久美
ディーンフジオカカッコイイ
ディーン・フジオカはカッコイイ♪ 顔もいい声もいいシリアスな演技もとぼけた感じもいい♪
蒔田彩珠も不幸を背負った演技させたら、もうたまらなくいい♪
お話は土地絡みの抗争でバッタバッタとなぎ倒すだけ。 なんか最後の15分を演りたいだけで作った感が見えたり見えなかったり…。
面白かったですよ。
江戸村
日本人のルーツをたどるようなタイトルに惹かれて鑑賞、劇中での答えは日本語にありとそっけない。まあ、ひとことで言えば狂気に彩られた現代風任侠映画と言ったところでしょうか。
日本史を振り返れば大半は段平振り回す斬殺の歴史とも言えなくはないので西洋からみれば野蛮人、ただ、武士道という死生観、哲学も加味すれば生粋の軍人たちには共感を得られるかも知れません。
そんなさむらい文化を現代で具現化するには日光江戸村のチャンバラショーと言うのも滑稽ですが出演陣はいたって真面目。
単なる殺戮劇では観客が引いてしまうから悪徳政治家や地上げ屋のやくざをからめて少女を助ける任侠の男として脚色してはいるが主人公のキャラクターは明らかに異常。
暴力性は子供の頃のいじめの反動とみることもできますが虚言癖は何なのでしょう。単にミステリアスに描くことで観客のテンションを保とうとするドラマツルギーなのかもしれません・・。
善悪は別として紛争の自力救済は法で禁じられています、従って西部劇に似たようなアウトローの架空世界を構築、それが江戸村ということなのかも知れませんね。
よく言えばシュールなテーマですが作家性が強すぎて困惑、内容からいえばクリント・イーストウッドのマカロニ・ウェスタンや建さんの任侠映画の方がすっきりしますので評価は致しかねます。
偶然じゃなく必然
相当にヤバい奴!日本文化に傾倒しているというより、自分が純粋に日本人だというアイデンティティを確立したいがために剣術を磨いている男。鑑賞前までは日本文化讃歌の作品だと思っていただけに、完全に裏切られた気分。逆にそれが良かった。
ヤクザも政治家もチャイナマネーも絡んだ温泉アミューズメントのための土地買収問題。よくある展開だと感じていたのに、この主人公ディーン・フジオカが正義感溢れる人物ではないところが面白いのです。幼少期に「日本人じゃない」といじめられたり、「Pure Japanese」の検査キットによって日本人度を測られたり、誤って人を殺してしまったトラウマなど、ここまでは普通に勧善懲悪モノ。しかし、虚言癖があったりする性格の上に完全にサイコパス。最後まで土地を売らなかったじいちゃん(渡辺哲)を死に至らしめたり・・・
日本という国は将来無くなる!三島由紀夫の話も印象に残るし、ヤクザ側の言うグローバル化にも繋がってくる。ただ、奴らは排他的なんだよなぁ。純粋な日本人をと考えることすら空しくなるような展開も興味深いし、蒔田彩珠演ずる高校生アユミの意外な展開にも驚かされる。血まみれアクションも魅力的だし、不思議な日本人観を楽しめる作品でした。
Life is but a dream〜人生は夢でしかない
Row, row, row your boat
Gently down the stream
Merrily, merrily, merrily, merrily
Life is but a dream
「ニホンジン」にトラウマのある忍者。
「虚言癖」のある忍者。
「サイコパス気質」のある忍者。
ニンニンでござる。
アート思考ができる傑作
属人的、形式的な評価で無条件に高評価、低評価をされていたり、内容的な評価でも高評価、低評価がわかれているようだが、余計なバイアスをかけずに、見た方が良い作品
王道の話のようで、明確な答えやオチがない
とにかく、今時の他のメジャー映画とは違う一筋縄ではいかない切り口を楽しむ作品
無性に考え、もう一度見たくなる
写実的な絵画ばかりの中にピカソの抽象絵画が突如現れたような違和感だ
いわゆる「アート思考」ができる人こそが、この作品を楽しむことができる
映画館での上映がなくなってきたのが残念であるが、とにかく絶対に1回は見た方が良い作品
なぜ?を楽しむ映画
アクション映画としてもある程度は楽しめるが、ただ見ていてもなにかよくわからなくなる映画だと思う。
意図的なズレに気づき、そこを考察することを楽しむ映画ってところだろうか。
あとは、見終わった後に振り返ると、ただのアクションではなくて、「日本人」を題材にいろいろな物事が隠されていたように思う。いまもふと映画にでてきた物事の意味についてずっと考えている。
セリフの中にすべての説明を入れてしまうような昨今の映画が好きな方(すぐにわからない、理解できない=つまらないと感じてしまう方)にはハマらないと思うが、説明のない抽象的な部分について考えることが好きであったり、日本人論に対して興味があったり、海外経験があったりなどで教養がある方にはハマる作品だろう。
ある程度自分なりに映画の読解をした上で、もう一度映画を見て自分の中での答え合わせをする予定。
後日追記。
もう一度みたが、やはり作り手の意図は完全にわからないが、自分なりの答えはだせた。こうしたことが映画の楽しみだろう。
"わたし、サクラ・レビュアーではありません…笑"な映画
作品タイトルになっている"Pure Japanese"という言葉。
ピュアな日本人?
「ピュア」と言うと、日本語では「心が綺麗な」「純心な」「初心(うぶ)な」「性的に未経験な」といったニュアンスだと思いますが、この作品では「"血"に混じり気が無い」、つまり「外国人の血が入っていない」という意味で使われていると思います。
「純日本人」とでも訳せば良いのでしょうか?
意味としては分かりますが、日本語の表現としてはあまり使われない?ような気がします。「純日本人」という言葉そのものも、もしかしたら英語(=pure japanese)からの訳語なのかも知れませんね。
もし日本語で敢えて言うのなら、「生粋(きっすい)の」という表現の方が近いのかなと思います(しかし、同時に、血が純度100%の大和民族なる者が、果たしてこの世に存在するのか?という疑問も湧いて来ますが…笑)
ちょっと余談ですが…。
昔、南米のとある国(スペイン語圏)の、日系人の多い地域に住んでいた事があります。そこでよく(日系人ではない)現地の人に聞かれたのが「お前は、japonés puro(=pure japanese)か?」というものです。「お前は、日本生まれ日本育ちなのか?」というニュアンスだったと思います。日系人とは雰囲気の異なるアジア人が珍しかったのだと思います。
ただこの時思ったのは、"pure"という言葉には、そんな使い方があるのだなと思いました。「頭のてっぺんから足の先まで純度100%(の日本人)」と言いたい時、pureという単語を使うのだと思い、日本語の発想にはない使い方だなと思いました。日本語の"ピュア"という言葉から想起されるイメージとは大分違うなと思いました。
前置きが長くなりました。
で、この作品…。
主演のディーン・フジオカの企画・プロデュース作品。外国帰りなのか外国育ちなのかは知りませんが、(日本で)子供の頃に英語の歌を歌いながら帰っていたら、いじめられた…という劇中のエピソードは、もしかしたらこの人自身の実体験なのかなと思いました。三島由紀夫のエピソードを話す爺さんが出て来たり、その爺さんを痛い目?に遭わせたりなど(本来ならそういう役回りではないはずなのに…笑)、自分自身のアイデンティティに関して、このディーン・フジオカという人はかなり複雑な思いと言うか、恨みに近いような、この人にしか分からない感情が積もっているんだろうなと思いました。
劇中のディーン・フジオカ演じる男は、絵に描いたような=黒澤明の時代劇にでも出て来そうな典型的な日本の侍=武士道そのものをあたかも演じているようなキャラクターです。この男を通じて、彼は自分自身(のアイデンティティ)についてパロディ化しているのでしょう。
まあ、観る側にしたら、そんな事はどうでも良いことで、面白く見せてくれさえしたら良いのです。
「温泉掘るから、この土地から出て行け!」
なんか聞いたことのある、このシチュエーション…
「リゾートマンション建てるから、この蕎麦屋の利権書サッサっと渡さんかいッ!」
…吉本新喜劇でした(笑)
ディーン様には、カマキリなポーズを極めながら「この構えを見て、スキがある思たら…どっからでもかかってこんかいッ!」ぐらい言って欲しかったです…笑
*作品の評点を不当に吊り上げようとするサクラ・レビュアーが多いので、減点しておきました。さらに増えるようならば、また減点しようかな(笑)
最後のオチまでネタバレあり
予告編を見た時点でディーンフジオカさんかっけぇ(これはディーンさんというよりは製作陣の思惑だろうが)なスプラッター映画な事は察しがついた。
なので、多少最後の立回りに行くまでのストーリーが雑でもそういう作品だからと納得しようと思っていた。
なんならレビューもするつもりはなかった。
しかし
それにしても雑すぎない??
いや、最後の立回りがいわばメインディッシュでそれまでは前菜、、いやお漬物に過ぎないとしても雑じゃないか??
というかこの主人公に全く感情移入ができないんだが。
蒔田さんのお爺さんが死ぬ原因を作っておきながら蒔田さんには「(悪徳政治家に)毒を盛られた」なんて嘘をつく。
そう、この主人公とにかく嘘つきなのだ。
正直その他の過去に人を殺したことがあるとかそういう部分は別に良い。
とにかくこの嘘をついて保身に走る所がクズすぎて応援しようという気持ちになれない。
しかもそんな主人公に「僕はピュアジャパニーズだ」と言わせてしまう始末。
エンドロールとか至る所で海外セールスしようとしてる形跡が見えるがはっきり言って辞めていただきたい。
海外の人に誤解されかねない。
多分日本の武士道ってそういうことではないと思うのだが。
普通にヤクザに土地を無理やり買われそうになってしまって蒔田さんが誘拐されたところを助けに行くみたいなストーリーでよかったのでは。
無駄に本当の日本人とは?的な問いを投げかけてくるけど少なくとも主人公みたいな人ではないよ。
というかピュアジャパニーズかどうかを診断する検査キットが出てくるのだが、最初はよくわからん理屈で断ったのに蒔田さんに言われたら検査するのなんなん?
さらに最後のオチが全員死亡という・・・
まぁ蒔田さんも人を殺してしまってるし主人公も死刑になるくらい人を殺してしまってるからこういうオチにしないと具合が悪くなったのかな、と思ったら蒔田さんが生きてるっぽい匂わせ描写が出てきてガクッとなった。
今更それで後味良くはならないよ。
どんどん好きになる映画!!
江戸村のセットで、立石=ディーンさんと陣内=坂口さんの繰り広げる、大迫力の死闘が見物です。
照明の色の重なりと音楽が掛け合わさった、幽玄の世界観が凄く格好よく美しい!!
目の当たりにしてみれば、アクションと作品の素晴らしさが、とても分かります。
お気に入りの場面は、エア切腹のあとの恍惚とした表情。
立石少年が口ずさむ英語の歌詞の童謡『ボートを漕ごう そっと流れに乗って 陽気に楽しく 人生はただの夢』
どこか寂しげだけれど、狂気はまだ眠っているように聴こえた。
背中で鼻歌唄う立石には、何とも言いあらわせない不気味さ(潜んでいた狂気が完全に顔を出した)が漂っていた。
暗くて倒錯している(正義がねじれて狂気へと向かう)のに、それでもなお美しい作品でした。
温泉水の雨を浴びて赤く染まった立石の瞳の色、血飛沫に陶酔した立ち姿さえ綺麗なラストシーンは、まるで眠りから目覚めた吸血鬼のよう。
復讐に転じ、華麗に狩る、ディーンさん主演のドラマ、モンテ・クリスト伯にも通じるものがあって、怖いけど、色々と考えさせられる展開に嵌まってしまいます。
『読み継がれる本には、人間とはという問い掛けがある』
Pure japaneseにも、日本人の定義とは?という問い掛けがある。
冒頭のウィトゲンシュタインの引用、英語歌詞の童謡、三島由紀夫と吉田松陰の台詞、英語の叙情的なラストのナレーション、詩的な要素も多い。
舞台挨拶でディーンさんからも
「 ネタバレ全く問題無いです。この作品はネタバレしてこそ、より深く楽しめる作品になってます。
何を言っているんだ? と思うかもしれませんが、実際に観て頂いて、思ったことをSNSやご家族や友人などに、具体的に言いふらしてもらいたいです。その方が観客の皆さんにとって愉しめる、実験装置のような映画です。」
とコメントもありました。
観てきた人それぞれの感想と一緒に、皆に広く語り継がれることが、大事な作品だろうと思いました。
実際私は初見はそのまま、2回目はコメンタリー副音声(これがまた面白くて、聞いて良かった)でしたが、同じく観てきた日本語人の感想知りたくてしょうがない。
後から後からこんなに口コミ気になるのは、今迄経験ありません!
天才?鬼才? ディーンさんの頭の中、相当ヤバくて興味を惹かれます。
すべてはあなた次第
予想されたストーリーからどんどん外れ、ジェットコースターの様に振り回された後、終盤圧巻のアクションへなだれ込む。
その流れの中に、ザラっと感覚をなでていくセリフやシーンが随所に埋め込まれている。
やり過ごそうと思えばできるが、あれはどういう意味だったんだろう、と後から気になり始める。
やり過ごしてしまうと「よく分からない映画」又は「アクションかっこいい映画」で終わるだろう。
自分の心のざらつきを追い始めると…
「生き方を変える映画」になるかもしれない。
主人公はサイコパス!観客の視点を巧みに操作する!!
スタント中の事故で、目の前で人が死んでしまったことが、トラウマとなっているワケあり男・立石が、トラウマと戦いながら、社会復帰を目指そうといている中で、自分の暴力性を抑えられなくなるような事件と遭遇する…..
立石の目には、狂気性や殺意を感じつつも、トラウマや秘密を抱えた男の物語としては、古典的ともいえるだろう。
王道の物語だと思うし、プロット的には、確かにその路線のはずなのだが、全く違う方向に向かっていく。
つまり今作は、人を殺すことができる人物に対して、視点をどこに置くか、どんな環境に置くかで、ヒーローにもサイコパスになるということを描いている。
前半は、ワケありではあるが、あえてクールなヒーローのように描かれている。ディーン・ブジオカという役者のイメージを巧妙に利用した印象操作。人が困っていたら助けずにはいられない、大和魂を持つ男なのだという、ワザと観客を偏った視点から見せる。
敵対する相手もヤクザやチンピラ、汚職政治家だったりするため、立石がヒーロー的な存在であると疑わない。仮に血みどろになったとしても、ダークヒーローとして納得してしまうだろう。
しかし、後半になると様子が変わってくる。というよりも、観客の見方が確実に変化する。実は一貫して、描いていることは、冒頭から変わっていないのだ。
立石の行っていることは、結果的には、少女側に寄り添っているものの、表情を変えず、平気で嘘をつくことや、日ごろから日本刀を手入れしている姿までもが、狂気性にしか感じられなくなってしまう。
立石は、光を嫌い、その光によって、事故で亡くなってしまった人間の姿がフラッシュバックする。それも立石をヒーローと疑わないから、観客が勝手に想像してしまうだけにすぎない。光は彼を殺意の衝動を呼び覚ますトリガーだったとしたらどうだろうか?
架空の施設ではなく、「日光江戸村」という固有名詞を使用していることから、舞台は栃木であるため、大丈夫なのかと心配する部分も多い。
というのも、グローバル化の波や、土地開発問題など、外国化する日本への怒りも感じられて、なかなか右寄りな思想も盛り込まれている作品であるからだ。
非常に危険な映画でありながら、中毒性のあるのも事実。カルト映画として語り継がれる作品になりそうだ。
余談ではあるが、『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』はディーン・フジオカが演じても良かった気がする。ちょっと意識しているような感じがしないでもない。
圧倒的な世界観
是非実際に映画を観て体感して欲しいです。
映画を観たあとはPure Japaneseの虜になり何度も観たい衝動にかられます。
日本映画でここまでの世界観を出せることを同じ日本人として誇りに思います!
映画館で体感して欲しい
最後の決闘シーンの迫力に圧倒されて頭がボーッとした状態で映画館を出たけど、段々に人種とは?民族とは?と考え始め、世界中で起こっている差別や殺し合いは何故なくならないのかにまで思考が飛んでいった。そして又観たくなり映画館へ。自然の映写、音と光、映画館で観てこそ映画の魅力を体感できるという事が納得できた。中毒性があります。
見所満載!深い~作品
公開初日以降、複数回観ましたが、内容が深く、見所満載の楽しめる作品です。
ドキドキハラハラ緊迫感のあるアクションシーン、
そこにダダハマリの音楽と共に
作品を身体中で体感、没入するためにも、
ぜひ映画館で観ることをオススメします。
さてこの作品はDEAN FUJIOKAさん主演作ですが、
人気俳優を主役に据えただけの
単なるバイオレンスアクションムービーではありません。
DEANさん自らが企画プロデュースもし、
(コロナの影響もあるでしょうが)3年半もの歳月をかけ、
賛同してくれるクルー達と共に
全身全霊を注いで作り上げた作品です。
DEANさんは何故こんなにしんどいことに挑戦したのか?
それは伝えたいことがあったからに他ならないでしょう。
日本→海外各地→日本と移り住み、
様々な経験を経てきた
DEANさんにしか作れない内容であり、
内も外も知らないと気付けない多角的な視点で描かれています。
そんなグローバルな視点で作った物語の中に
様々な問題を入れ込み、度々問いかけてくる。
『で、君はこれについてどう思う?』と。
その問いかけの一つが、タイトルにもなっている
「 “Pure Japanese” とは?」です。
作中にある幾つもの問いかけに、
自問自答したり、周囲の人達と意見交換したりする中で、
きっと脳内はぐるぐる思考をするでしょう。
これまで思いもしなかった視点の変化が生まれれば、
見える世界はそれまでより広がるでしょう。
人は面倒くさいことが嫌いで、
深く考えることも避けがちな
易きに流される生き物だと言われます。
そして自分で選択しているように思っていても、
実は与えられた選択肢の中から選ばされているだけだとも言われます。
常に疑問を持つ。
しっかり自分の頭で考える。
自分の意見を持つ。
ちゃんと選択をして生きる。
この映画に仕掛けられた実験装置が起動し人々に思考させること、
それがこの映画の狙いなのではないでしょうか。
私にはそう思えたし、
まんまとそれにハマっている自分がいます。
日本人の定義について深く考えてこなかった私の脳内は、
この映画に入れ込まれているその他幾つもの問題提起に
未だぐるぐるしています。
怠けがちな脳を使わせてくれてありがとう。
『ぼーっと生きてんじゃねぇよ!』との喝入れをありがとう。
(でもアクションシーンの凄さ、光の使い方や日光の景色などの映像美、
DEANさんや坂口さんの肉体美、彩珠ちゃんの可愛さに
ぼーっとすることは許してニャンマゲ ^^ )
ということで、その深さにハマり、何度も観たくなる作品です。
是非一人でも多くの方に観て
思考を巡らせていただきたいです。
*この作品は初見では解りづらい部分もあるので、
これから観る方は予復習として
公式サイトやインタビュー記事を読んでおいた方が良いかも(^^)
映画館での体感が忘れられない、考え出したら止まらない
Pure Japaneseを観てから毎日いろいろ考えるのが止まらない。
最初は日光江戸村が出てきて懐かしいなとか、立石は忍者ショーの効果音担当だけど、忍者メイクして音をドンピシャに合わせるこだわりと指さばきは職人だなと思って、彼が誠実そうに見えた。
物語の色々な所に感じる日本文化、日本語人文化。自分の心の中にあった懐かしさと疑問が顔を出す。
日本人度が分かるPJキットが登場して、アユミに出会った立石の言動にあれ?と思い始めたら、物語は凄い展開に!
立石の狂気だけじゃなく、登場人物みんなの狂気も凄かった。
最後の戦いは本当に生々しくて、斬る音も血飛沫も体がぶつかる音も衝撃で圧倒されました。でも立石が刀を抜く瞬間は何故か涙が込み上げてきた。
暗闇に不気味な空気が漂って、地面が響く程の大迫力の音に、まるでそこに居るかのような感覚になり、鳥肌が立って緊張した。映画館だからこそ体感できたこの感覚が忘れらず、また観に行きたくて仕方ない。
公式サイトに書かれているように立石は独特な人物で、物語を通して彼がどんな人間なのか少しずつ見えては来るけれど、本当の所は分からないまま。だからもっと立石を知りたくなる。
ヤクザの陣内も表情一つ変えず、何が起きても目が据わったままで何を考えているのか分からなくて怖い。
映画を観ている間は色々な事を感じる瞬間に気付くけれど、ゆっくり考えている時間がない衝撃の展開。だからか見終わった後すごく色々考える。
日本人とは。日本語を使っている中で自分が感じてる疑問。暴力とは何なのか。登場人物達は何を思ったのか。本当の立石は。映し出された自分。
2回観て感じた事を書いてみましたが、視点を変えてみると全く違う想像もできるから本当に面白い。
チャンスがある限り観に行きたい映画です。
最低2回は映画館で観た方が良い映画
昨今珍しい、原作オリジナルの映画で一言で言うと文字通り、バイオレンスアクションムービーですがそれだけで終わらないのがこの映画の凄さと新しさであり、中毒性があり冒頭から醸し出す不穏な空気のようにずっとまとわりついて離れない・思考がループする不思議な感覚に陥る映画です。
何度観ても誰が観ても、つまらなかったとしても、ついていけなかったとしても、観ることに意味のある映画です。
暴力・恐怖・サイコ・戦闘・銃・忍者・刀・などなどバラエティに富んだジャンルのアクションを観る事ができるので、物事を判断する時に形や目から入ったものを直感で選んでいく方はもちろん、
思考を繰り返して先読みして物事を判断する方にも愉しめる映画で、博識な方ほど思考の無限ループにはまっていきます。。
日本社会の縮図と歴史が映画の中で表現されていて、主人公役のディーンフジオカさん演じる立石の真っ直ぐさ故にズレていってしまう職人具合が恐ろしくバイオレンスなのですが、
まさにヒール役といえる現役プロレスラーの坂口征夫さんのアクションは演技だけでなくたたずまいから本物で、醸し出す冷酷な視線の先の恐怖と戦闘を愉しんでる感が物語にどんどんのめりこんでいけます。
でもこの善悪が物語のキーワードになって行くのですがどちらも依頼人に忠実であり自分の義を通しているだけなのです。
他にもあらゆるバイオレンスが散りばめられていますが、私が1番恐怖なのは女子高生アユミの「優しい人」というセリフです。
これらの部分が理解し難い方はコメンタリー上映もしているのでぜひ解説をききながら観るといいのですが、監督とプロデューサー・演者の話を聞きながら映画を観るという面白さも味わえます。
おすすめの鑑賞方法が、1度目は前方あるいは音がしっかりと聴ける座席で音からの刺激と光の描写、映像と心のリンクなどこの映画の世界観と自分自身が感じた心の動きを味わい、
2回目は座席後方フレーム枠外でコメンタリーを聴きながら、客観的視点で社会と自分との対比を考えることをおすすめしたいです。
私は初見が後方の座席で観たのでかなり感想が客観的視点になりましたが、それはそれでとても愉しめるものでした。
ただ、
音の不穏さなどは感じられたものの映画館特有の臨場感と色んな方向からの音が聴き取れていなかったので
2回目で世界観に没頭できた時に映画館で観るなら断然前の方だなと思いました。
そして、ディーン・フジオカさんプロデュースという事でディーンさん目当てで観た映画でもありましたが、コメンタリー上映を通して松永監督のストーリーや画の切り取り方にとても共感し興味を持ちましたし、音楽を担当した世武さんはじめ、創り手がワクワクしながら挑戦しながら創った作品というところが映画ファンなら納得できるのではと思います。
最初にも書きましたが、何度観ても誰が観ても、つまらなかったとしても、ついていけなかったとしても、観ることに意味のある映画です。
制作者が映画館を自分自身を写す鏡、実験装置と言い表しています。
価値観の相違を知るきっかけとしてこの装置を利用してみてほしいです。
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