「ソーホーとっても魅力的‼」ラストナイト・イン・ソーホー MARさんの映画レビュー(感想・評価)
ソーホーとっても魅力的‼
ファッションデザイナーを志す女の子が、いざ夢を叶えにロンドンへ‼寮になじめず始めた一人暮らしの部屋で眠ると、そこはなんと60年代。歌手を目指す女性の生き様を見ながら、自身の生活にも影響が!?
現代と60年代、双方のソーホーにて奔走する2人の美女を描いた、おしゃれサイケデリックホラームービー‼
中々新感覚な作品でしょうか??現代にしても60年代にしても、ロンドンの街は煌びやかで、どこか危険な香り。そこに馴染めない田舎娘のエロイーズ、そして余裕すら感じる妖艶なサンディの対比が印象的。
序盤は、おしゃれな雰囲気の中にも、どこか漂う不穏な空気。順風満帆に行くかと思われたサンディの思わぬ姿に、自身の行く末にも不安を覚え始めたか、エロイーズの精神も段々と蝕まれていく。
中盤以降はホラー色が強めに‼ただちょっとのっぺらぼうのくだりが何度も何度も繰り返されるのはちょっと飽きが…。
終盤はすべての謎が明らかに‼う~ん、この業界はやっぱりこういう側面があるのかな。なんてやりきれなく救いの無い…。ラストはちょっとやり過ぎ感もあったけど、そうかあなたが…。
とにかく終始、目が離せない展開‼この映画独特の雰囲気にズッポリと飲まれ、次の瞬間がどうなるのか気になってしかたない。美しくて恐ろしくて、これは新体験でしたね♪
しか~し‼それよりも本作を傑作なさしめているのは、ヒロインの魅力に他ならない‼
特に、エロイーズ役のトーマシン・マッケンジー‼
もうね、いちいち、ほんとにいちいち可愛いんですよ。笑った顔、哀しみ苦しむ顔、会話中に頷く仕草(←これホント良かった)ひとつとってもパーフェクト過ぎて…。この部屋で何度も死んだって言う人がいましたが…ワタクシはこの劇場で何回も死にましたよ。
控えめに言って、結婚してほしい。
「だから…静かに来て」って、このセリフでワタクシのライフは既に0。あぁ゛~言われてぇッッッ‼‼
彼女の出演作品は過去にも何作か観ていたようなのですが、本作がとにかく圧倒的でした♪
メインキャストだけでなく、優しいお婆ちゃんやボーイフレンドも良キャラ。個人的にはロンドンの怖さを皮肉とセンスに溢れた言葉で表現するバーテンおばさんや…管理人さんもお気に入り。
さて、書いていて自分でも寒気がするレビューとなりましたが、華やかで哀しくてホラーでミステリーな本作。
ちょっと読めてしまう部分もあったけど、夢を追う少女の葛藤から、黒い世界に踊らされ踏みにじられたひとりの女性の壮絶な人生まで、驚かされ、衝撃を受けさせられた傑作だった。