「一転して闇に落とされる衝撃」ラストナイト・イン・ソーホー nakadakanさんの映画レビュー(感想・評価)
一転して闇に落とされる衝撃
田舎から都会にでてきた女性の孤独や不安や憧れを描く青春ドラマのテイストも感じつつ、様々な恐怖を描くホラーとして見応えがありました。
60年代の華やかな世界も歌い踊るサンディも、とても煌びやかで魅力的に描かれますが、魅力的ゆえにそれが一転して闇に落とされる衝撃がなんとも……。
サイコな恐怖や、心霊的な恐怖など、いろいろなホラー要素がありましたが、やはり、心が殺される恐怖、それを追体験する恐怖の描写が印象的です。
本当に、自分の選んだ道だからとか業界はそういうものだからとか自己責任論を押し付けられがちですが、望みにつけ込んで搾取する奴らこそが醜悪だということを見せつけてくれます。
煌びやかな夢と悪夢が交錯するような映像も、時代を感じさせる音楽も良かったです。
ストーリー展開も先が気になり引き込まれ、あれはそういう伏線だったのかとか、成程と唸らされました。
現実的な闇の部分では、複雑な余韻も残ります。
ヒロイン二人も、キャラクターの個性が伝わる演技で、それぞれに魅力的で好感が持てました。
また、ジョンが良い奴過ぎる、好感しかないです。
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