劇場公開日 2021年12月10日

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「ベイビードライバーよりは下ですが、劇場で観ても損は無いと思います」ラストナイト・イン・ソーホー 東鳩さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ベイビードライバーよりは下ですが、劇場で観ても損は無いと思います

2021年12月15日
PCから投稿

結構楽しみにしてたんですけど、正直ベイビードライバーを下回りましたね
凝った映像は楽しめたし、画作りだけに関しては前作を上回ったかもしれません
しかし、前作はこのストーリーだからこその画作り、1+1が2にも3にもなってた気がしましたが、今作は凝った画作りとこのストーリーがかけ算になってる気がしませんでした
別にちがう演出でもよくない?と疑問がよぎってからは、もう普通のストーリーだなと
母親の幻覚は、主人公が幻覚を見るという説明でしかないし、母親が死んだ経緯はストーリーに絡んできません
そして、本筋のストーリーは主人公の人生ではなく別人の人生です
60年代ファッション好きとか大家と住人ということにして事件と主人公を出来るだけ絡めましたけど、結局は刑事ドラマの刑事役でしかありません
刑事ドラマは主人公の刑事よりもゲスト犯人役のドラマがどうしても上回ってしまうんですよね
それが主人公への感情移入を邪魔するので、主人公目線でストーリーを追うのがだるくなります
事件の謎も、正直ミスリードがあるに決まってるから結果はある程度予想出来たし、主人公のドラマが薄いなら、そっちの謎解きで、ラストのドンデン返しでもっと驚かせて欲しかったです

テーマは今時っぽかったですけども、60年代が女優の卵が娼婦みたいに扱われていた時代だったなら、主人公は60年代ファッションを嫌悪してデザイナーには成れたけど敢えて成らない、というラストのほうが良かったような気もしました
60年代に女性が虐げられている悲しい事実があった、けど私は変わらず60年代ファッションが大好き、60年代ファッションのリメイクでデザイナーデビュー出来てハッピー、のラストはちょっとどうかと思いました

東鳩