「スリリングで分かりやすい展開」ラストナイト・イン・ソーホー ゆるさんの映画レビュー(感想・評価)
スリリングで分かりやすい展開
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60年代ロンドンのファッションやカルチャー含め、視覚的な情報が多く散りばめられている本作。
主人公が段々と追い詰められていく展開はスリリングである一方で、引いてみれば全てが彼女の虚妄。
序盤でキスマークが首に残っている(=鏡の世界の女性とリンクしている)というシークエンスはあれど、それ以降は現実世界で特に実害被ってないところから、主人公が逼迫すればするほどに乗り切れなくなりました。
テーマは『思い込みを捨て、他人と向き合うことで分かることがある』的なことでしょうか。
他人から傷つけられ理解されずにきたからか、主人公は他人への警戒心が強く他人を恐ろしいものと捉えている。それが序盤からクライマックスまでの霊に対する対応に反映されている。しかし彼らの声に最初から耳を傾けていれば、助けを求めていたのだと気づけたはず。
クライマックスのサンディとの対決でもっと彼女の心の内の変化が見られれば、人間ドラマを感じられるようになるのではないでしょうか。意地悪な同級生との対峙、サンディに対する彼女の対応が中途半端であったために、盛り上がりきらないまま終わった印象でした。
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