「地球をひとつの生命体と捉える視点と、信条と。」素晴らしき、きのこの世界 きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
地球をひとつの生命体と捉える視点と、信条と。
行きつけの映画館
塩尻市の東座です。
なんでキノコの映画なの??と
いぶかりながら、笑いながら、ハズレ上等!、物は試しにと鑑賞してきました。
お客さんは、山歩きが好きそうなネルのシャツを着たご夫婦と、理科の先生っぽい人が二、三名。
そして僕ですね。
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◆キノコが、木や草が枯れたあとの土壌への循環回帰を進める働きをしていること。
⇒知ってます。
また、
◆キノコの見えない菌糸体は辺り一面に、そして地中にまで張り巡らされており、
⇒これも知ってます。
◆病害虫の接近に際しては神経細胞のように情報を伝達し合っていること。
⇒へえ、そうだったんだ・・
そして
◆この生命体としての連携と支え合いは、キノコにおいてのみならず地球上の生き物すべてに、種の垣根を超えて起こっていることが、レクチャーの結論として述べられる。
⇒菌類学から展開して生命倫理や哲学へとお話は深まるということだな。
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僕は、
時々思い起こしては不思議な感慨にひたるのは
この自分を含めて人間の命というものは、両親・祖父母と遡り、ただの一回たりとも途切れずに、300万年まえに東アフリカで発生した原人たちにまで繋がって、「私と原人は完全に一本の系図で遡れる親戚なのだ」ということ。
いま流行りの“男系”とか“女系”とかいう理屈や、紀元2600年なんて規模ではなく、
映画に登場のキノコ研究者たちは
「我々人間と生き物一切の源は、35億年前まで遡って見れば、陸に上がった『菌糸』であり、その前に『海に発生した生命体』であり、
地球の分子、原子まで繋がった糸、『ネットワーク』だ」と説くのです。
つまり、結論は
〝地球はひとつの生命体だ〟
ということですね。
上映後に入信の申込書や、本の販売が行われやしないか、ちょっと心配になるくらいのスピリチュアルな方向にお話は進展しましたよね(笑)
マジックマッシュルームの効用や、奇跡のがん治癒や、未知の菌類への研究利用の期待値から、
ついには感激してトランス状態の聴衆も映るものだから。
でも
地球を守る
地球を大切にする
地球の声を聞く
・・この喫緊にして誰もがすでに違和感なく口にしている、ある意味、見方によっては宗教の領域に踏み込んだスローガンは、
科学と祈りが対立する理念なのではなく、交差し、ひとつになるべき命題なのだと、何故か僕らは結論として、既に昔から気付いていたのです。
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東座映画館での併映は、
①人間と自然界の精霊の交流「ムーミン」の作者トーベ・ヤンソンがジェンダーの垣根にも苦しんでいたという「トーベ」。
②宇宙は人間のものだけではないのだと、地球外生命体との接触と対話をセンセーショナルに描いたあの映画「メッセージ」のために、劇中音楽を製作したヨハン・ヨハンソン監督の「最後にして最初の人類」。
そして本作
③ミクロの世界から命の連鎖を語る「素晴らしき、きのこの世界」。
以上3本。
「COP26」=「国連気候変動枠組条約第26回締約国会議、於英国グラスゴー」、
この開催中にこれら3本の映画をぶつけてきたところに、館主の何かの意志と思いを感じました。
長野県はキノコの生産で第一線の地です。
僕も脳のシナプス保全と抗がんのために、β-グルカンの豊富なヤマブシタケのサプリは常用しています。
きりんさん 「最後にして~」にコメントありがとうございます。この「素晴らしいきのこの世界」のレビュー 私は書けずにいますが(もう一度観ないとその素晴らしさを伝えられないので…)きりんさんのレビューはとても感動的です! 宗教的というのも解ります!
前々から キノコの効用は有名でしたが、本当に凄い‼️という事が分かりますね! サプリメント飲まれてるんですね!私はグリーンファームで現物のカワラタケを見たのですが、煎じなければならないという事で手が出せませんでした😅 年末で、しばらく映画観る余裕が有りませんが、また 東座に行きたいと思ってます。
きりんさん、こんにちは。「天下御免」関連コメントありがとうございます!水前寺清子ナレーションは覚えていませんでした。大好きでワクワクして見た番組でした。いい時代に生まれたなって思います。
今晩は
且つて、登山をしていた頃、後輩の馬鹿者がコッソリ鍋に入れた笑い茸のせいで、北アルプスの黒部のキャンプ地で、4H笑い続けた(本当です・・)NOBUです。
今作を鑑賞したのは、フライヤーが魅力的であったことと、自身の体験もありマジックマッシュルームの事が知りたくて・・。
面白かったですね。熊楠さんが、粘菌に夢中になった理由が良く分かりました。では。
キノコの映画だから、当レビューには漫画「男おいどん」のサルマタケのことや、椎茸にまつわる兄弟喧嘩のお話も書こうと思っていたのですが、
とっても真面目な映画でしたので止めました。