素晴らしき、きのこの世界のレビュー・感想・評価
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キノコと菌のポテンシャルはまさにファンタスティック。タイムラプス映像も刺激的
キノコや菌類について、私を含め通り一遍の知識しかない観客にとっては相当に興味深いドキュメンタリーだ(ちなみにキノコも菌類に属する)。監督のルイ・シュワルツバーグはタイムラプス映像のパイオニアと呼ばれているそうで、色鮮やかなキノコたちがものすごい速さでニョキニョキと伸びるさまには単純に魅了される。
人間側の主役である菌類学者ポール・スタメッツの破天荒な人生もすごい。マジックマッシュルームを食べて変性意識を体験したことで吃音が治り、“きのこビジネス”で起業して大成功。単に食用として売るだけでなく、さまざまな菌を研究して、シロアリにつく菌を利用して巣ごと駆除する方法や、植物の受粉に欠かせないが感染病で大量死していた蜂の免疫力を高める方法を開発したり。さらには重度の乳がんを患い高齢のため手術もできないという母に、カワラタケを原料にした抗がん剤を服用させて(化学療法との併用で)治してしまう。
中盤以降は、マジックマッシュルームなど一部のキノコに含まれる成分の幻覚作用や向精神作用についての話、さらにはスピリチュアル系の話が増えてきて、よくある科学的ないし学術的なドキュメンタリーかと思って観始めるとびっくりするかもしれない。ただし米国では一時期禁止されていた向精神薬に応用する研究が再開され、鬱病患者や終末期患者への投薬が行われているというし、将来的には日本でも認可される可能性もありそうだ。
ちなみに原題は「Fantastic Fungi」。fungiは菌を意味し、fantasticは「素晴らしい」のほかに、「幻想的な、空想的な」という意味もある。多少怪しげな話も含め、魅惑的な世界を垣間見ることができる一本だ。
Bill Nye the Science Guy Metaphysical Fun
Fungus is cool enough to get away with cult-like dominance over the animal kingdom from the mycologists who present this film. It's arguable whether or not this is big screen material, but it's certainly a nice optimistic break from all the planetary doom and gloom hinted in BBC and Planet Earth documentaries. Nature as a conscious entity——it's not such an outlandish concept in Fantastic Fungi.
きのこの驚異!
植物でも動物でもないきのこ、でも地球上では植物にとっても動物にとってもなくてはならない存在であることがよく分かり、きのこの成長のタイムラプス映像の造形美には圧倒されました。
ただ、前半が科学的見地からの説明に大いに知識欲を満たされたのに対して、中盤からあるきのこの事に触れて、ややスピリチュアルな方向になってしまったのは、個人的にはちょっと違和感を覚えました。
でも、かつてはペニシリンの材料になったきのこがあったように、このきのこもアルツハイマーや末期がん患者の緩和ケアに応用されているようで、きのこの素晴らしさを伝える点ではずれてはいなかったかな。
あと、登場人物が多く、矢継ぎ早の発言に字幕を追うのが大変でした。もっとゆっくりきのこ自体を鑑賞したかったのですが。
最初の方でネズミが死んで土に還るタイムラプスシーンと、主人公が自分が森で死んだら土に還ると言うセリフがありました。末期癌の患者が幻覚きのこのシロシビンを処方されたことによって、死は怖いものじゃないとのセリフがありました。多分脳内で自分が死んでも自分の遥か昔の祖先である菌類に戻るだけ、つまり元に戻って(いわゆる先祖返り)地球との一体感のようなものを感じて(菌類と交信した?)、死の恐怖から解放されたのではないかと思いました。そういえば、木同士も菌類を通して交信しているというのも興味深かったです。
菌類の可能性を発信するドキュメンタリー
fantastic CWニコル似の社長
欧米のネイチャー物は面白いし 説得力がすごい
また CWニコルをとぼけた感じにしたキノコで人生が変わった男の話しも面白い だが 繰り返し語られるキノコ賛美 見事なキノコ映像と共に囁くような女性のナレーター そして、原始人からキノコを食べ 霊感?幻視?で英知を得て今の人類に至る話し‥キノコ教の入信ビデオか CWニコル似の人のキノコ会社のCMのよう しまいには、ガンが失くなった話しまで、深夜流されるTVショッピングの無限ループの映像のようだ
そして、すっかり洗脳された私はスーパーでエノキやらシメジやエリンギを買って 夕飯にした
観ている間 洗脳感でシラケて観ていても キノコはこんなに素晴らしいと映像と共に繰り返し語られれば 人は刷り込まれているのだと 改めてわかった。
そして、映画とCMの違いを思った。大きなスクリーンに見合う映像ではあったが これは映画ではなくCM なのだ。それは洗脳と感動の違いなのか?
この映画を観るキノコ好きまたは興味がある またはネイチャー物が好きな人から観ると、物足りないと思うが それでもキノコの魅力は分かるし
TEDにも出演のキノコ社長のトークは面白く惹き付けられる。よくできたCMを観るつもりで見たら 楽しめる。だが CMに金を払うのは嫌なもの そこが映画と宣伝の違いか CMはセールスの押し付けだから、それを分かってるから受け入れている。だが、映画にそれが少しでも感じられるとシラケてしまう。映画館に金を払って観る意味を考えた。fantastic fungi というよりも fantastic キノコ社長かな
映像美。に尽きるけど、内容的には物足りねー。
科学的なドキュメントだと思って観たのだが、、
地球をひとつの生命体と捉える視点と、信条と。
行きつけの映画館
塩尻市の東座です。
なんでキノコの映画なの??と
いぶかりながら、笑いながら、ハズレ上等!、物は試しにと鑑賞してきました。
お客さんは、山歩きが好きそうなネルのシャツを着たご夫婦と、理科の先生っぽい人が二、三名。
そして僕ですね。
・・・・・・・・・・・・
◆キノコが、木や草が枯れたあとの土壌への循環回帰を進める働きをしていること。
⇒知ってます。
また、
◆キノコの見えない菌糸体は辺り一面に、そして地中にまで張り巡らされており、
⇒これも知ってます。
◆病害虫の接近に際しては神経細胞のように情報を伝達し合っていること。
⇒へえ、そうだったんだ・・
そして
◆この生命体としての連携と支え合いは、キノコにおいてのみならず地球上の生き物すべてに、種の垣根を超えて起こっていることが、レクチャーの結論として述べられる。
⇒菌類学から展開して生命倫理や哲学へとお話は深まるということだな。
・・・・・・・・・・・・
僕は、
時々思い起こしては不思議な感慨にひたるのは
この自分を含めて人間の命というものは、両親・祖父母と遡り、ただの一回たりとも途切れずに、300万年まえに東アフリカで発生した原人たちにまで繋がって、「私と原人は完全に一本の系図で遡れる親戚なのだ」ということ。
いま流行りの“男系”とか“女系”とかいう理屈や、紀元2600年なんて規模ではなく、
映画に登場のキノコ研究者たちは
「我々人間と生き物一切の源は、35億年前まで遡って見れば、陸に上がった『菌糸』であり、その前に『海に発生した生命体』であり、
地球の分子、原子まで繋がった糸、『ネットワーク』だ」と説くのです。
つまり、結論は
〝地球はひとつの生命体だ〟
ということですね。
上映後に入信の申込書や、本の販売が行われやしないか、ちょっと心配になるくらいのスピリチュアルな方向にお話は進展しましたよね(笑)
マジックマッシュルームの効用や、奇跡のがん治癒や、未知の菌類への研究利用の期待値から、
ついには感激してトランス状態の聴衆も映るものだから。
でも
地球を守る
地球を大切にする
地球の声を聞く
・・この喫緊にして誰もがすでに違和感なく口にしている、ある意味、見方によっては宗教の領域に踏み込んだスローガンは、
科学と祈りが対立する理念なのではなく、交差し、ひとつになるべき命題なのだと、何故か僕らは結論として、既に昔から気付いていたのです。
・・・・・・・・・・・・
東座映画館での併映は、
①人間と自然界の精霊の交流「ムーミン」の作者トーベ・ヤンソンがジェンダーの垣根にも苦しんでいたという「トーベ」。
②宇宙は人間のものだけではないのだと、地球外生命体との接触と対話をセンセーショナルに描いたあの映画「メッセージ」のために、劇中音楽を製作したヨハン・ヨハンソン監督の「最後にして最初の人類」。
そして本作
③ミクロの世界から命の連鎖を語る「素晴らしき、きのこの世界」。
以上3本。
「COP26」=「国連気候変動枠組条約第26回締約国会議、於英国グラスゴー」、
この開催中にこれら3本の映画をぶつけてきたところに、館主の何かの意志と思いを感じました。
長野県はキノコの生産で第一線の地です。
僕も脳のシナプス保全と抗がんのために、β-グルカンの豊富なヤマブシタケのサプリは常用しています。
原題にも邦題にも偽りなし!キノコに魅せられた人達がキノコについて熱く語るドキュメンタリー
この秀逸な邦題が示している通りキノコや菌類に秘められた魅力に迫るドキュメンタリー。まず菌類の成長過程を捉えた映像の鮮烈な美しさに圧倒されます。そんな菌類の魅力が様々な人達によって語られますが、ほぼ主人公となっているのは菌類学者のポール・スタメッツ。幼い頃の山歩きで菌類に触れたことからその魅力に取り憑かれ菌類に関する様々な書籍を読み漁り研究に没頭していく猪突猛進ぶりは彼の家族からも語られますが、とにかく彼が菌類について熱く語る時の表情の柔和さが印象的。ヒッピー丸出しの風貌なので当然マジックマッシュルームの幻覚作用まで体験済、表裏がこれっぽっちもない素朴なキャラクターが菌類と同じくらい魅力的です。
本作が非常に変わっているのがキノコ大好きのハリウッドスター、ブリー・ラーソンが菌類の立場で被せるナレーションを被せていること。ドキュメンタリーにそんなドラマをうっすら被せているので、最後にポールが語る菌類がもたらした奇跡が涙で霞みます。原題にも邦題に偽りなしの微笑ましい作品でした。
何故か泣けてきた
友達が、観る前と後では人生変わるよと勧めてくれたので行って来た。
単なるキノコの話ではなかった。
私たちは生物としてみな繋がっている
キノコは壮大な宇宙を静かに力強く繋げてくれている
死から再生へと繰り返す輪の中に。
死んでもキノコの世界に入るだけ
という、ポールさんの言葉が印象的で心が軽くなった。
後半のマジックマッシュルームに意識が行きがちだが、この映画はそこにフォーカスされているのではないと思う。
うまく言葉で表せないが
深い深い生命の繋がりと暖かさを感じた映画でした。
どう生きるかではなく、とにかく一生命体として人生全うしようと思いました。
私には2001年宇宙の旅以来の衝撃でした
不思議がいっぱい
神秘的ってこういう事なんだろうなぁ。
予告編の映像美に魅せられて鑑賞。 でもスクリーンで観なくても良かった感じ。
そのキノコは一体誰が食べるんでしょうかね…
どちらかというと『菌類の世界』です。
タイトルのまんま
タイトルそのまま、きのこを扱ったドキュメンタリー。
きのこを中心に、タイムラプス映像をふんだんに使った画作りがとにかく素晴らしい。また、きのこが持つ幻覚物質が人間の進化に影響を与えたのでは、といった仮説が提示されるのだが、なかなか興味深かった。
一方で、きのこは素晴らしい、きのこの免疫力で末期ガンも治る、などといった言説については、話半分に聞いておくほうが良さそう。映画だけでは科学的根拠が乏しく、ちょっと真面目に調べてみないと判断がつきかねる話をこれでもかとゴリ押しされると流石にちょっと引く。見るものの科学リテラシーが求められるというところは事前に知っておくべきかも。
マジックマッシュルーム、ちょっと試してみたくなった(やらないけど)。
キノコの魅力いっぱい、ちょいヤバです。
菌類の魅力を伝えてくれる美しい映画でしたが、スピリチュアル系のヤバさもあります。確立した事実と、こんなこともあるというエピソード、個人的なオピニオンの区別ができる人には示唆的な良い作品だと思いますが、区別ができない人には勧めない方がよいかと。ちなみに、紹介されていたJohn Hopkins大学の臨床研究は、シロシビンが安全に投与できるかどうかを調べることを目的とした”容量設定試験”とよぶべき研究です。プレセボとの比較でシロシビンの効果を調べようという研究ではありません。ですから、この研究の結果は、”シロシビンは安全に投与できた”というものです。神秘的体験が得られた。それが人生の意味をかえたというのは単なるエピソードです。
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