流浪の月のレビュー・感想・評価
全406件中、361~380件目を表示
【折紙つきの映画】
世間の偏見に翻弄されながら、真実の愛に向かう2人。明かされる彼らの秘密がインパクト極大で、俳優達の本気度が伺える演技には目を見張る。本格派の俳優達、監督、製作スタッフという折紙“つき”の一本。
◆トリビア
○横浜流星は、初共演の広瀬すずとの距離を縮めるため、ジャングルポケットのネタを完コピして披露した。
〇広瀬すずと横浜流星は役作りのため、お互いの写真を携帯電話の待ち受け画面にしていた。
○ 松坂桃李は役作りのため、8キロ減量、更紗と過ごした撮影用のアパートで2週間寝泊まりした。
〇松坂桃李は、『流浪の月』のハッシュタグをつけて感想を投稿したら全部見ると宣言した。
○松坂桃李と広瀬すずは本作を演じるにあたって、監督から勧められた『ムーンライト』『ブロークバック・マウンテン』『たかが世界の終わり』を鑑賞した。
○ロケ地は、長野県大町市北部の青木湖ほか、長野県松本市などで行われた。
〇撮影監督ホン・ギョンピョによる撮り下ろし写真展が全国10劇場で開催される。
〇本作は『パラサイト 半地下の家族』撮影監督のホン・ギョンピョや、『キル・ビル Vol.1』美術等で世界で活躍する種田陽平など、国を越えた才能が競演する。
◆関連作品
○「流浪の月 エピソード0」
監督や出演者たちのインタビューを交えたドキュメンタリータッチのメイキング。U-NEXTで登録なしで視聴可。
○「怒り」('16)
李相日監督、広瀬すず出演作品。広瀬すずの体当たり演技も。第40回日本アカデミー賞優秀作品賞、優秀監督賞、優秀助演女優賞受賞。プライムビデオ配信中。
○「悪人」('10)
李相日監督作品。モントリオール世界映画祭ワールド・コンベンション部門正式出品、深津絵里が最優秀女優賞を受賞。プライムビデオ配信中。
○「娼年」('18)
松坂桃李が、世の中の自分に対するイメージについて割り切れたと話す作品。体当たり演技連発します。プライムビデオ配信中。
◆概要
【原作】
凪良ゆう「流浪の月」(2020年本屋大賞受賞作品)
【監督】
「怒り」李相日(リ・サンイル)
【出演】
松坂桃李、広瀬すず、横浜流星、多部未華子、趣里、三浦貴大、白鳥玉季、増田光桜、内田也哉子、柄本明
【撮影監督】
「パラサイト 半地下の家族」ホン・ギョンピョ(本作で日本映画に初参加)
【公開】2022年5月13日
【上映時間】150分
◆ストーリー
ある日の夕方、雨の公園でびしょ濡れになっていた10歳の少女・家内更紗に、19歳の大学生・佐伯文が傘をさしかける。伯母に引き取られて暮らす更紗は家に帰りたがらず、文は彼女を自宅に連れて帰る。更紗はそのまま2カ月を文の部屋で過ごし、やがて文は更紗を誘拐した罪で逮捕される。“被害女児”とその“加害者”という烙印を背負って生きることとなった更紗と文は、事件から15年後に再会するが……。
◆
◆以下ネタバレ
◆
◆流浪の月
「人は物事を見たいようにしか見ない」劇中の台詞の通り、世間の偏見に苦しめられ続けた2人。それでも、“出会っては別れ、また出会う”あのバカラのグラスのように、引き寄せ合うように再会して寄り添い合う。「うち、来る?」「店、来る?」にどちらも「うん、行く」と繋がる絆が微笑ましくも儚かった。ニュースや記事に、ネットにも幾度も晒され、恋人や母にも及ぶ偏見にも翻弄されながら、次第に明かされる2人の秘密。親族からの虐待や、肉体のコンプレックスと、何一ついい事がなかった2人にこそ逆に生まれる愛だと合点がいった。それこそ2人にしか分からない真実の愛であり、それは流浪する月のように、世間からは儚く見えるのかもしれない。
◆演者
余りにも衝撃的すぎる文の全裸。下着を下ろす時の松坂桃李の震える演技はこちらも身震いするほど凄まじいものだったし、ネットに晒した亮に詰め寄る更紗(広瀬すず)の、あの怒りが溢れんばかりの鬼のような目も素晴らしかった。執拗に身体を求める、狂気と粘着質満載の横浜流星も凄い。李監督の作品は本当に感情爆発シーンの凄みが突出しているイメージで、本作は特に見応えあり。「悪人」の樹木希林(本作ではその娘の内田也哉子)、「怒り」の柄本明がそれぞれカメオ出演(にほぼ近い)していたのも、李監督ファンにはニヤリものだったし、幼少期の更紗(白鳥玉季)の広瀬すずとの激似具合も驚いた。
◆演出
更紗と文がそれぞれの秘密を語るシーン(どちらもカフェ)は共通して長めのワンカット、そして表情が読み取れないほど少し広めの画。それがとても印象的で、演者の“間”で、演者の演技力を信じて、逆に演出をつけずに撮った、こだわりのシーンのように思えた。また、空に見えた月は、映画を通して大きな月から半月になり、2人がラストで見上げたそれは、もう欠け終わるほどの細い三日月に。そんな月の姿は、揺るぎない絆と愛を得たものの、その先にある2人の行末の儚さを暗示しているような、そんな演出にも思えた。
すずちゃんの成長
切な過ぎるラブストーリー、本年度ベスト!
更紗役の広瀬すずさん。
今まで観たこともない大人の演技がとても凄い!
女優さんとして一皮剥けた感じで今後にも期待!
小学生時代の更紗役の白鳥玉季さんも良かった!
調べたら山田孝之さんがお父さん役の作品にも出てたんだけど、身も演技も成長していた感じ。
松坂桃李さん演じる文がある事情で更紗と一緒に暮らしロリ系の誘拐犯のレッテルを貼られてしまうストーリー。
大人になった更紗には横浜流星さんが演じる婚約者の亮。
文には恋人の多部未華子さん演じるあゆみ。
この2組のカップルがストーリーが進むにつれ、入り乱れて行く感じに引き込まれる。
亮が最初はとても良い人に感じたんだけど次第に悪い人間性が出てくるのが恐ろしい。
あゆみが以外とアッサリした結末だったけど文の言った最後の言葉が泣ける。
キャストの皆さんの演技がとても良く、それぞれのキャラを見事に演じている感じがとても良かった。
個人的に主演女優賞は広瀬すずさん。
助演女優賞は白鳥玉季に差し上げたいです( ´∀`)
駈け足すぎて、、、
切ない
互いの内情が分かち合い
期待してたけど…
雨と水の音
小説未読での鑑賞。
誰の目線で見ていくかで感じ方が変わると思う映画でした。
それぞれがトラウマや病を抱えているのでとても重い作品で長いので疲弊感がありました。
雨や水の音と共に辛く悲しい出来事が起こるのでその都度苦しくなる感じもありました。
個人的には気持ち悪いなと思う表現がありましたが、キャストの方々の演技は素晴らしかったと思います。
広瀬すずちゃんと横浜流星くんが喧嘩をするシーンはかなりの迫力がありました。松坂桃李さんもその佇まいが素晴らしく、とても難しい役だったと思いました。
疲弊感があったのでもう鑑賞する事はないと思いますが小説ではどのように表現されているのか気になるので読んでみたいと思っています。
想像以上に優しい物語だった
2022年劇場鑑賞110本目。
昔誘拐した幼女が大人になってまた犯人と逢瀬を重ねる、という印象で鑑賞。「八日目の蝉」は誘拐して自分の子供だと育てた人との不思議な感情を描いた作品でしたが、それの男女版なのかなと。
実際は幼女でなく分別ちゃんとついている小学生で、お互い承知の上で求めあっていました。この子役の子が広瀬すずの特徴のある喋り方によく似た喋り方をしていて、顔はそんなに似ていないのですがいい繋がり方をしていたと思います。声は大人の広瀬すずの方が高いのですが(笑)
劇中一回だけ話の流れ上非常に色気を感じさせるシーンがあるのですが、実年齢は分からないのですがとんでもない表情ができる子だなと思いました。
表面だけ見て外野が干渉してくる残酷さをよく描いていたと思います。ちょっと長かったのと、松坂桃李が真相を話すシーンに邦画の限界を感じて減点しましたがいい映画でした。
登場人物の一人が多部未華子なのに彼女の最後の出演シーンまで気づかず、どんどん年齢を重ねて逆に若々しく美人になる彼女に驚かされました。この監督女優を美しく撮影するのがめちゃくちゃうまいのかもしれません。
余計な仕掛けで、わざわざ悲惨な話にする必要はあったのだろうか?
世間から非難と好奇の目に晒される主人公たちの苦悩が、あまり心に刺さって来ない。それは、もっときちんと説明すれば、司法だって、マスコミだって、理解してくれるはずと思えてしまうから。
二人がきちんと説明できない理由として、「知られたくない秘密」という仕掛けも用意されているが、それを明らかにしなくても、理解は得られると思えるのである。
恋人の男がクズであるとか、身体的なハンディキャップがあるとかの設定にも疑問がある。もし、そうした事情がなければ、再会後に、二人が関係を深めることはなかったかもしれないと思えてしまうからである。
たとえ「未成年者略取」の加害者と被害者であっても、優しくて理解のあるお兄さんと、明るくて屈託のない少女が、お互いに好意を寄せるのは自然なことであるし、いつまでも、その気持ちが変わらないことだってあり得るだろう。そして、大人になった二人が、どんな関係を結ぼうが、他人からとやかく言われる筋合いはない。話としては、それだけで十分ではないだろうか?
濃密な2時間半、ずっとウルウル。
久しぶりのすずに多部ちゃんも出てる。パラサイトの撮影監督にも興味があり期待度MAXで着席。
10年前の少女誘拐時間の加害者と被害者の話しなので、ストックホルム症候群的な流れかと思っていたら、全然違ってました。
うちに帰りたくない更紗(さらさ)を、自分ちに保護してあげる優しい文(ふみ)。お話としては優しい行動だけど、一般的にはロリコン誘拐事件になる。その上、更紗も文も真実を話せなかったので、世間は事件を誤解したまま。そして年月が経ち、大人になった2人が再会することに。お互いにお付き合いしている人がいて幸せそうな感じだったのに、横浜流星君演じる更紗の彼氏はDV野郎だし、多部ちゃん演じる文の彼女は、彼が誘拐犯だった事も知らされていなかった。果たして2つのカップルはどうなるのか??そして過去に縛られ続ける2人の精神状態の厳しいのなんのって。辛かった〜。
過去と現在を行ったり来たりする苦手な展開だけど、とても分かりやすくて良かった〜。
人はそれぞれが事情を抱えて生きているし、なかなか変われない。人は人自分は自分。幸せの形って難しいな。
すずのラブシーンも初めて観た。とっても良かったです。
籠の中の鳥
揺れるカーテン
親子、恋人、他人。相手や自分を大切に思うことの難しさ。
物も人も一緒だよ。出会って別れてまた出会う。
「可哀そうな子」として生きてきた更紗。だけど、おそらく文のほうが深い闇を抱えている、そう思って見ていたら、案の定そうだった。映画では多少ボカシ(映像的にもセリフの表現的にも)が入っていた。ああ、これは深い、深すぎるよなあ、と辛い気持ちになった。全然、肯定されてないんだもの、生きてきてずっと。やっとできた恋人でさえ、文自身が受け入れることができないという苦悩が切なすぎた。
更紗も、たしかに生き辛い人生を過ごしてきた。だけど、文を巻き添えにしたと言えなくもない。きちんと言葉にすれば、文があそこまで世間から疎まれることもなかったかもしれない。それでも、文は更紗を恨んでなんかいないんだろうな。二人の関係は、恋愛感情なんかではなく、信頼感情なのだもの。世間の偏見と好奇心に晒されながら、その痛みに耐えながら、じっと縮こまるように、まるで同じ時間を別々に生きてきた二人。そりゃ、言葉を交わさなくても、再会してすぐにお互いを赦し、頼り、かけがえのない相手であると認めあったのだろうなあ。そんな空気が、松坂桃李と広瀬すずの二人からひしひしと伝わってきた。
全406件中、361~380件目を表示















