流浪の月のレビュー・感想・評価
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親子、恋人、他人。相手や自分を大切に思うことの難しさ。
登場人物皆が、いろいろな過去や現実を抱えていて、一生懸命に目の前の生活を生きようとしているだけなのに、人や自分を傷つけてしまうことが、とてもつらかった。
俳優さんたちの演技が、静かで、強くて、時に爆発するようで、とても良かった。
「パラサイト」のホン・ギョンピョ撮影監督の映像、原摩利彦さんの音楽の美しさにも感動。包まれるような大画面の映画館で観ることがお薦めです。
物も人も一緒だよ。出会って別れてまた出会う。
「可哀そうな子」として生きてきた更紗。だけど、おそらく文のほうが深い闇を抱えている、そう思って見ていたら、案の定そうだった。映画では多少ボカシ(映像的にもセリフの表現的にも)が入っていた。ああ、これは深い、深すぎるよなあ、と辛い気持ちになった。全然、肯定されてないんだもの、生きてきてずっと。やっとできた恋人でさえ、文自身が受け入れることができないという苦悩が切なすぎた。
更紗も、たしかに生き辛い人生を過ごしてきた。だけど、文を巻き添えにしたと言えなくもない。きちんと言葉にすれば、文があそこまで世間から疎まれることもなかったかもしれない。それでも、文は更紗を恨んでなんかいないんだろうな。二人の関係は、恋愛感情なんかではなく、信頼感情なのだもの。世間の偏見と好奇心に晒されながら、その痛みに耐えながら、じっと縮こまるように、まるで同じ時間を別々に生きてきた二人。そりゃ、言葉を交わさなくても、再会してすぐにお互いを赦し、頼り、かけがえのない相手であると認めあったのだろうなあ。そんな空気が、松坂桃李と広瀬すずの二人からひしひしと伝わってきた。
撮影監督の力は大きかった。風景は美しい。月のシンボル性も必要だっ...
撮影監督の力は大きかった。風景は美しい。月のシンボル性も必要だったし。言葉のない暴力の世界、マイノリティの世界だけに、風景には頼ったと思う。それがなければ、邦画にありがちな、ただただ暴力的な世界。
正直あまりこういう世界は好きではない。性的マイノリティのことではなくて、DVや性的虐待の世界。被虐性が反復される世界。映画館で泣いていた人もいたので、反応する人もいたと思うが、私はもちろん泣けなかった。
すずさんは、四人姉妹の映画のときも、排除されるマイノリティの役をやっており、被虐性にさらされがちな設定が多いが、マゾヒズム的要素はそんなになく、むしろ、力強く素直だ。吉永小百合の位置と言ってもいい、純粋無垢性の方が強い。それが、この映画の力強さと純粋性になっている。
桃李さんは、もともと歪んだ役、露悪的な役とかも好きな人で、この映画ではそのマイノリティの独自性、孤独、引きこもり性は描いていたけど、もう少し、すずさんくらいノーマルな人や演技の方が良かった気もする。優しさや、特に強く手を握りしめるシーンなどはよかったのだけど。純粋さは桃李さん、できるんだけど、いつもひどく病的になっちゃう。ここは、存在自体は特異でももう少しノーマルな感じがほしかった。
子役の女の子は、この意味でとてもよかった。純粋さと力。すずさんと面影があり、その点でもいい配役だった。
流星くんも頑張ったと思う。多部ちゃんはやはり純粋性の象徴としてよかった。ちょっと少女っぽさもあるし。
でも、流星くんがすずちゃんに絡むシーンは、そもそもダメなやつ設定だからあんなものかもしれないけど、いまいちだし。多部ちゃんの絡みに至っては全然演技指導がひどい。セックスシーンにやたら音を入れるのもAVみたいで古い。
あとは、母親のエピソードとその描写がよく、内田の演技がすごく良かった。排除の要素が描けた点で、この映画は成功している。職場の人たちも本当に親身な人はいないし、日本社会の酷さが描けている。でも、その分、実際の主人公たちの人格の内在的な描き方は不十分。
世間と母親の暴力性に対して解離的になってる感じはそれはそれとしてありと思った。少年院に行くよりは年取ってる感だったかな。孤狼の血も、解離的演技だったな、思い返せば。
新しいと感じたのは、アセクの要素があるからか。普通はセックス依存症と裏表で、セックス依存症もセックスが本当に好きかわからない要素はあるけど、この作品は、その点で愛を示唆している要素はあり。
最後に「月が綺麗ですね」と結んだ。
13日の金曜日
観たい新作封切り映画は3本。
どの映画を選ぶか迷ったが、原作がしっかりしている"この映画"を選んで、大正解。
1カット中に、ピントを何度か変えたり、逆光ぎみな場面でも動く役者に合わせて、きちんと露出対応できており、すこし自意識過剰気味な撮影がいくつかあったが、
揺れる木々の間から見える空からは
風の匂いも感じられた。
画質に「もう少し深みが欲しい」から、この撮影監督の次回作には
"NHKが誇る8Kで、絞った露出で、撮らせてみたい"と思いながら、エンディングタイトルをみたら、撮影監督は、ホン・ギョンピョさんだった。
どうりで、ひと味違うわけでした。
音楽のセンスも良かった。
秀でた原作なので、全ての伏線は見事なまでも完璧に回収され、傍観者である僕らを唸らせる。
ただ1点
1階のアンティーク店で、亡き父が、使っていた様なグラスを買ったら、
そのまま二階に上がらなかったのは
何故なのだろうか?
不要なシーンにも思えたが
榎本さんが、何か大切な事を言われた気がしたが、油断して 聞き逃してしまった。
本作はどの作品と比べれば良いか、考えたが、高橋一生さん主演のNHKドラマ「恋せぬふたり」と見比べると良いでしょう。
役者の演技は光ってる
ちょっと客観的に2人の関係は理解しがたいと思う。もやもや。刺さる人には刺さりそうだけど自分にも文とさらさの気持ちがよく分からず。。
特にさらさがわからん。
雨の日に、しかも夜に、文と多部ちゃんが演じてる方の2人が仲良く歩いてる中、傘もささずに声かけるの怖いし、非常識だし、マンションまで着いてくるなんて異常では、、。
さらさ何やってんの?としか思わなかった。
まぁ2人にしかわからんもんがあるんやなあ
ってことがわかった
横浜流星は物凄かった。心臓止まるかと思ったくらい怖かったのですごい演技力だ。
リンゴを食べるシーン「もういいよ」のシーン、非常に印象深い
多部ちゃんの役の子はかわいそう
好意を持った人との最後があれは辛いて
そして多部ちゃんシーン少なくない?
もうちょっと見たかっただけに物足りない!
個人的に夏服似合ってて可愛かった
俳優陣の演技力、カメラワーク、音楽に圧倒される150分
評価の言葉がうまく見つからず、良い映画だったという表現が正しいのかわかりませんが、とても深く考えさせられる、にもかかわらず、その隙を一切与えてくれず、いろいろなことが波のように押し寄せてきて、気づいたら終わっていたイメージでした。もっと見続けていたいと思った。感想は、この見終わった後にじわじわと増えていき、いろいろなことを考える機会をくれるのかなと思う。いますぐに原作の本を見て、その後にもう一度この映画を見たいと思った。
主演の二人の演技に最初から終始圧倒された。今までの二人には全く見たことのない顔付きというか、雰囲気というか、演技というか、ただただすごかった。他の俳優、子役の方々もすばらしく、そこにカメラワークと音楽が加わるので、重厚感たっぷりの時間だった。
内容は賛否両論、見る人それぞれに感想や思うところが全く違うと思われるが、是非とも映画館で見てほしいと思う。
広瀬すずが美しくてエロくて可愛い
雨でびしょ濡れになり公園のベンチに座っていた10歳の少女・更紗に、大学生・文が傘をかざした。更紗は伯母に引き取られて暮らしていたが、家に帰りたくないと言うので、文は彼女を自宅に連れて帰った。更紗は自分の意思で2カ月間文の部屋で過ごしていたのに、文は更紗を誘拐した罪で逮捕された。2人は被害女児とロリコンの加害者と決めつけられ別々の人生を送ることとなったが、事件から15年後に更紗が偶然入った喫茶店で文と再会した。実は文には重大な秘密が有り・・・さてどうなる、という話。
なんか切なく悲しい話だった。誰も悪くないのに、周りが勝手に加害者と被害者にしてしまう事もあるんだな、って憤りで悲しくなった。ちょっと警察の行動は決めつけすぎでどうかと思ったが。
更紗役の広瀬すずは美しくてエロいキスシーンも有り可愛かった。
文役の松坂桃李は役作りの為にガリガリに痩せ、凄い演技を見せてくれた。
幼少期の更紗役の白鳥玉季も素晴らしかった。
引き込まれ、150分が全く長く感じなく、観終わって余韻の残る作品です。
松坂桃李に星⭐️。「繊細さ」と「叙情」はわかった。時間は短く感じる面白い作品。だが刑事法の適用と警察捜査がまるでなっていない。明らかに間違っている。李監督には期待したが残念。
この作品長いのだよ。余計な「舞台挨拶」30分がついて、
お約束の定刻すぎの予告編が「無くて?、あったか(^_^;)」
3時間10分。【映画自体は2時間30分】
ちょうどこの時間しか合わなくて、ネット予約した後に後悔「舞台挨拶要らねぇなぁ」・・・
膀胱に優しく無い作品。
だからペース配分考えて「舞台挨拶はあんまり集中せず、飲料も飲まず」
マラソンランナーみたいに戦略を立てた。【やっぱり勝負は30キロ以降ね・・】
瀬古選手や宗兄弟みたいな心境であった。
ところが意外。舞台挨拶、超面白く。その反面、本編は「最初の訳の分からない【誘拐でっち上げ=国賠レベル】
で早くも終わってしまった。
正直なところ、本作エンドロール見ると「警察監修」なる方が出ているのだが
コレって、戦前の特高警察そのもの・・思い込み・・だけの捜査・立件
「ええ加減にしてくれよ💢」と警察描写に叫びたくなった。
・故意=悪いとわかったが本人の意思に反し監禁した
・過失=こういう悪い結末は予想してないが、自分の意思で良かれと思って拘束したのは事実
・任意の自由意志=無罪=あくまで子供が自分の自由意志で現状に嫌気がさして居住、自由意志に任せた。
という法律の大原則わかってるの?別に有名大学出てなくても、社会科学系の学部出身者、あるいは職業的に法律絡む人
なら「常識中の常識」
それから「別件逮捕=高度なテクニック」ではあるが【あまり表沙汰にできない・・】
「過去にこういう奴だから・・逮捕」って・・あり得ない、呆れてものが言えない。
この作品か悪い奴順で言うと
①デタラメ立件、デタラメ後半逮捕のバカ「警察さま」
②婚約前なのに暴力振るう、横浜流星の役
③家屋の正面にド派手にペインティングする凶悪犯=逮捕、送検は免れない。
なんだよな。
ちなみに松坂桃李の主役は「任意の事情聴取」はあるが、逮捕、立件は絶対にあり得ない
「被害者と仮定される子供=主人公は悪くない、自分の家庭環境が厳しくて、主人公の優しさに惹かれて
自分の判断で住み着いた」といえば、捜査担当者はその供述録取を拒むことはできない、そもそも「国倍=クビになる」
って・・あと後半は「そもそも成人した女性自身が自由意志で隣の部屋に住み込んで、シングルマザーの恋人との旅行中に便宜的に子供預かって平和に過ごしている状況は明白」なのだから逮捕どころか家屋侵入さえ許されない。
警察=お前ら、何さまですか?のあり得ない描写。
原作がアウトなのかもしれないけれども、妻夫木くんの「悪人」は飛躍はあったが吉田修一の力か、説得力がかなりあって
李相日監督には期待していただけに残念。そりゃ松坂桃李はイイ男だ。横浜流星の悪役。広瀬すず、多部未華子の演技は良いし、画像の雰囲気、展開、主役松坂桃李の危うさ、儚さの描写は飽きさせなくて秀逸なのだ。叙情的な描き方も良い。
ただ骨格がハナから間違ってるとシラけてしまう。
「舞台挨拶」面白かった。松坂桃李イイ男だが、もうクランクアップから相当歳月経てるだろから
「ただでさえ痩せ型なのに・・痩せすぎ」が心配、でもイイ男だねぇ【ちなみに私は「そっち系」では無い・・念のため】
時間は早く立ちます、惹きつける作品。でも偏屈屁理屈ジジイの私は合わない作品でした。
月が全てを知っている
広瀬すずが大人の女優に脱皮した。
絞って痩せた松坂桃李の演技が素晴らしい。
横浜流星もアイドルから俳優に脱皮した。
内田也哉子がピンポイントで存在感がすごい。
サラサの子供時代を演じる子役がほんとにいい演技をしている。
母親の愛を得られずに生きてきた人にとっては胸をえぐられるような辛み。
まるで自身のことのように胸が傷むシーンが続く。
唯一ほっこりするのがしばしの安息の場で、ピザを食べる幸せなシーンだ。
李監督の作品は、説明しすぎないのに肝心な部分の描き漏れがない。案外これが難しいバランスだと思う。
フミが大人の女性を愛せないことや、サラサが好きでもない男から身体を触られる辛さと、デリケートな問題を扱ってるから、適当に観て誤解しないでほしい。
マスコミが書き立てるような見方をこの映画に対して決してしないで欲しいと切に願う。
月は全てを知っているのだ。ことの本質を。
観ている者も、主人公たちと共に湖に流浪して身を任せよう。
そうすることで月と同じ視点に立てるだろう。
月と一緒に2人の幸せを願えるだろう。
舞台挨拶中継
広瀬すずさん、タバコにはビックリ!
ベットシーンにドキドキ!
松坂桃李さん、こんなに痩せる必要あったんでしょうか?
白鳥玉季さん、やっぱり素晴らしい演技ですね!
いい作品なのに観客が20名ほどでした。なんで?
自分のことは自分しかわからない
結局自分が見てる世界と他人から見える世界は違うわけで、どこまでいったってどんなにその人のことを知った気になったり大好きで愛してるつもりだとしたって、その人のことはその人にしかわからない。自分に見える世界がその人の全て。自由に生きることを許されない世の中で苦しくもがく。繊細なお話。
小説を前に読んでいたので話がスッと入ってきたし、勝手に脳で補ってるとこもあるので、空気感含め好きな作品だけど、これだけ見るとちょっと重くて面白いとは思えない人もいるかもしれない。本でしか伝わらない個人のバックグラウンドもあるしね。本も読んでみてほしい。
今日は生の舞台挨拶付きで見たのもあって心にぐっときた。本を読んだ上で、かなり素晴らしい配役だったと思う。
広瀬すず上手。いい表情いっぱいしてた。舞台挨拶もたまに見せる笑顔がかわいかったー子役ちゃんが出てきてからさらに表情がやわらかくなって素敵だった、
横浜流星もあまり見たことない感じの役柄だったけど、かなり良かった。カッコ悪いカッコよさ。この映画の世界では嫌われ役だろうけど、君の気持ちもよくわかるよ。更紗を好きな気持ちもよく見えてよかった。そして本人はその辺にはいないイケメンだった。
松坂桃李はさすが。配役発表されたとき、そうだなー文は松坂桃李だよなーと思った記憶がある。この映画のために痩せ細っただけあるわ。消すとこは消して出るとこは出る。そして映画以上に舞台挨拶が、なんかほんっとにいい人なんだろなーって人柄が伝わる感じ&話も面白くて、好感度がグッと増した。
あとは前から好きな子役の白鳥ちゃん。これも配役聞いた時嬉しかった。相変わらずの安定感。舞台挨拶来て欲しかったなー。
それ以外の皆さんも含め素敵俳優陣。あっ、演技だけじゃなく、音も映像もかなり良かった。普段見ない3列目だったのもあるけど没入できた。
監督の自己満映画でしかない
「たくさん偏見や批評を受ける映画」だと監督本人が言っていたが、その通りすぎる
役者に体当たり演技させました
役者を脱がせました
役者に感情を爆発させました
三拍子揃っている監督の独りよがり映画だった
ストーリーなんてホントクソすぎる
題材がそもそもクソ
原作読んで無いからあまり言えないけどさ
サラサがあまりにも自己中心的な行動で、相手の幸せを考えられない子だから見ててイライラする
言葉も足りなすぎる
人間である証は理性と言葉なのに、それではまるで動物
フミはフミで、詰まるところ彼はロリコンではなかったが、大人としてあまりにも稚拙な行為を繰り返していた。
行動がロリコンと受け取られても仕方ないし、ロリコンの救済が被害者との対峙だと受け取られかねない。
まるでろりこんでもいいんだよ、被害者は思い出として生きてるよ、と思われても仕方ない映画
全員ちょっとおかしくて、全員自分の気持ちに忠実すぎる。人のことを思いやれないし考えられない。人として大事な部分が欠如してる
多部未華子の視点が唯一私達マジョリティ側の視点だけど、なんか1ミリも共感も感情移入もできない。
不幸を寄せ集めても感動作にはならない。
文は病気だったということですが、何の病気なんでしょうか?
体が子供のまま発達しない病気なんでしょうか?
最初の更紗が文についていくシーンも、ちょっと違和感がありますかね。更紗は子供ですからね。
ケチャップのシーンもどうなんでしょう?更紗は本当は自由奔放で明るいということを描きたいんでしょうか?あの音楽はなんなんでしょう?
趣里が演じる佳菜子が子供をほったらかして、彼氏と旅行に行ったまま帰って来ないのもどうなんでしょう?
文が子供とふたりでいるというシーンを作るための、取ってつけたような前フリとしか思えません。
全体的に、監督の演出なのか、俳優の演技を型にはめていくようで、演技力を殺してますね。
まあ、キャスティングと予告編でお客は入るかもしれませんが、上っ面な作品になっているのは否めません。
ベッドシーンやキスシーンがベロベロ気持ち悪い。女優はきれいに撮ってあげないといけません。
かなり、期待を裏切った作品と言えます。
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