劇場公開日 2022年5月13日

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「少女期の白鳥玉季ちゃんの代表作」流浪の月 ycoさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0少女期の白鳥玉季ちゃんの代表作

2024年5月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

難しい

今後も彼女がたくさんの素晴らしい作品に携わることを見据えて上記のタイトルです。

広瀬すず・松坂桃李・横浜流星・多部未華子という、
もはやダブルどころかカルテット主演ともいえる布陣の中にありながら、
ひと際輝いた魅力と存在感を放っていた玉季ちゃん。

「文くん」と「更紗」のままごとのような暮らしにおける安堵や喜び、
そして時折覗かせる不安や陰。
これらの複雑な感情を巧みに表現している。緩急がしっかりありつつも過剰にはならない。
この年齢にして抑制というものを心得ているのもが凄い。
それと並行して、「陽」の演技の時の彼女の可愛らしさよ!
お風呂ではしゃいだり、美味しそうにピザをほおばる姿は実にチャーミング。
普段の彼女の役柄を考えると貴重な姿ではないか。
「文くん」と「更紗」の暮らしがいかに尊いものであったかが
観る者にしっかり伝わるのは松坂桃李はもちろん、
彼女の演技があってこそであると思う。

その他のことに言及すれば、音楽と映像の融合が素晴らしい。
音楽担当の原摩利彦は「ロストケア」も担当していたが、
どちらも繊細なピアノの響きを基調とした音楽で、
静かに、しかししっかりと伝えたいものがある映画によく合っている。
ただちょっとメインテーマを使用するシーンが多すぎたかな。
多分、音楽が素晴らしすぎて監督もたくさん使いたくなっちゃたのだろう。

メイン4人の演技は皆予想通り素晴らしかったです。
他の感想にも多いですが、横浜流星のクソ男役が新境地。
あと、多部ちゃんのセクシャルなシーンがあるとなんかドキってしてしまう。
「もう彼女は大人なんだ」と知らしめられる感じ。

惜しいのはちょっと細かいところのリアリティ―や詰めが足りないかな。
マスコミ関連・アンティーク店についてなど。

あと、加害者と被害者の特異な関係性という点においては
「さよなら渓谷」を思い出しました。
描写の仕方も雰囲気が似てる。
原作は李相日監督と縁が深い吉田修一。映画にもなっています(大森立嗣監督)

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yco